純じゃぱ の えいご道中膝栗毛

アメリカに12年もいたのにトホホな英語・・・純じゃぱが涙をインクにその叫びを綴ります。

350. 治具にぐじぐじ

2008年11月24日 00時58分28秒 | 英語えいごエイゴ
 加工工場のレポートなどを読むとよく

 治具

 という言葉が出てきます。
 「治具」とはいろいろな部品を作る時に補助となる用具・金具を言います。
 しかしこの「治具」なる言葉、何か純粋な日本語と違う雰囲気。

 調べたらなんと

 jig

 という英語に日本語の漢字を当てはめたものでした。
 辞書ではjig→[機械]ジグ (部品を固定したり切削工具を導く道具)とありました。
 うまい当て字がよくあったものですね。

 ところがもっと驚いたことがあって、「冶具」(にすい)と書いて「じぐ」と読んでいるものがまことに多いことです。
 は「精神の陶冶(とうや)」のように「や」としか読まないと思ったので、これなら「やぐ」と読むべきだろうと思ったのです。
それに「やぐ」と読むにしても「や」が「治める」の意味とはちょっと違うから補助工具の意味としてはやっぱり怪しい・・・と感じたわけです。
 もしかしたら「一所懸命」を「一生懸命」のように書いたり「屋上屋を架す」を「屋上屋を重ねる」と間違って言ったりすることが多々ありますが、似たような誤用が一般化したのではないかと思いました。


 ネットサーフィンをしていたら同じような物好きな?疑問を持つ人がいて自分のウエブに”研究論文”を書いていました。(要約)

 『「治具」を「冶具」と書くのは間違い。「冶」は金属を溶かすという意味で音読みしかなく読み方は「や」。「冶」は見慣れないので「治」と間違える場合が多いかも知れない。「冶金」を「治金」と書いて「やきん」と読むと勘違いしている場合もある。』

 さらに次のように・・・

 『「完璧」を「完壁」、「独擅場(どくせんじょう)」を「独壇場」といった具合に「治」との類推で「冶」も「じ」と読むと考えたのだろう。漢字の間違いは「見慣れぬ漢字が見慣れた漢字」に置き換えられて発生する。』
 
 『また「鍛冶屋」は「かじや」と読むが「かじ」は「金打かぬち」が変化した言葉。鍛冶を「かじ」と読むのは「大和(やまと)」「武蔵(むさし)」と同様、熟語全体に対して訓読みをしていて(熟字訓という)それぞれの漢字を読んでいるわけではない。』
 『「治める工具」が「冶かす(溶かす)工具」では意味がない。』

 明快ですね。脱帽でした。

 ちなみに治具と同じような例に工具の「ボール盤」があってこれはオランダ語boor-bankが語源で「ボール盤」となったらしい。
 bankが「台」と言う意味だから旋盤やフライス盤と共通に「盤」の文字が当てられたということです。

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2 コメント

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Unknown (春萠)
2008-11-24 11:25:08
へえー、とんとんとんとん。
以前のテレビ番組ののりです~!
ぽちっと。
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どうも (純じゃぱ)
2008-11-24 23:11:14
ありがとさんです。今日は夕方からいやな雨ですねー
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