快読日記

日々の読書記録

「怖い絵 2」中野京子

2009年08月27日 | アート・映画など
《8/27読了 朝日出版社 2008年刊 【美術 西洋史】 なかの・きょうこ》

好評だった(でも未読)「怖い絵」の続編です。
期待以上におもしろかった。
ドイツ文学・西洋史が専門の学者の案内で、一緒に名画を眺め、その解説や解釈を楽しめる、そんなかんじの本でした。
ここから学術的な部分をちょっと削って、もっと下世話にくだけると、桐生操になりそうです。
そこまで押し込んで来ないところもまた好印象でした。


とりあげられた「怖い絵」たちの「怖さ」の種類は実に多岐にわたっています。
とくに印象強いのは、筆者の男性目線。
途中、これ書いてるのは女性だよね、と確認したほどです。
西洋史というと、なんだか血生臭くて複雑、というイメージがあるのですが、
桐生風・女性週刊誌的生々しさ(それも決して嫌いではないけど)より幾分硬質な文章のおかげで充分楽しめたと思います。