「たのしぃな~、たのしぃな~」
5才ぐらいの女の子がマンション玄関のところで、母親に襟元を正してもらいながら発していた言葉です。
「これから、お父ちゃんとお母ちゃんとで動物園にいくんだぁ~、たのしぃな~」
別に私に向かって言ってるのではないのでしょうが、母親に襟元を直してもらっている間上目づかいで無邪気に何度も言っているのです。
私はこの光景に何とも言えぬ、ほのぼのとしたあったかいものを感じたのです。
いまどき、「お父ちゃん、お母ちゃん」と呼ばせる若い夫婦が、まだいるんだぁということの喜びからかもしれません。それに、女の子の髪型もおかっぱなのです。
ほんとうに、40年前ぐらい前にはどこでも見られた光景にタイムスリップした感じに一瞬なったんでしょうかね!
昨今は、田舎とはいえ若い夫婦たちは子供たちに「パパ、ママ」と呼ばせているようです。お前さんたち、「パパ、ママ」などと呼ばせて何の抵抗もないかい!そう呼ばれて気恥ずかしくはないのかい!と言いたい。つい最近まで自分の親を「お父さん、お母さん」と呼んでいたのに、なぜ自分の子供には「パパ、ママ」と呼ばせるんだい。「お父ちゃん、お父さん、お母ちゃん、お母さん」には慈愛やいつくしむ心のこもった呼び方に聞こえるが、「パパ、ママ」では少しも聞こえない。
どう呼ばせるかはそれぞれの夫婦の勝手ですが、それにしても、元来日本には父母の呼び方はたくさんあるのにどうして外来語を流行らせるようにテレビのドラマは仕向けるんだろうといつも苦々しく見ています。