さて、続きです。
TMDのACタップの歴史は意外に古く
まだTMDがMDの時代に最初のタップが
作られました。
まだ当時はビンテージ・ワイヤーにほぼ
出会っていなかった時期です。
アルミの鋳造のBOXに幾つかのシングル・コンセントを
入れたものでした。
ユーザーは今のようなオーディオマニアの方ではなく
ミュージシャンや作曲家、プロデューサー、エンジニアの
方々でした。
さて、それから数年経ち、TMD TAPという縦長の2口x3=6
の物を作りました。内部には既に今でいうスタビライザー
が入っていました。当初は全部のオーディオ機器を一つの
タップで給電というスタイルでした。
しかし、パワーアンプだけは壁コン直のほうが原始的なパワー
感がある、という経験的な選択から
次のDIVA TAPではパワーアンプを敢えて除外したスタイル
に変更となりました。このDIVA TAP、栃の木の外装が
いい感じでした。
ちなみにDIVA TAP時期ではビンテージ・ワイヤーをかなり
使っていました。しかしまだコンセントそのものは普通の
物(やや旧型のもの)を使っていました。
そこから15年ぐらい月日が経過し
遂にAC TAPを再開しました。
それがTRIOです。
実は海外のビンテージ・コンセントを数年かけてコツコツと
集めていました。色々集めているうちにわかって来たことですが
アメリカでも最初は2Pのコンセントが家庭では使われていました。
3Pのコンセントが出始めるのは1960年代中後期からです。
従って幾らビンテージでも2Pの物はTMDでは使いません。
蒐集した中で音質的に白眉だった物はLEVITONです。
流石に老舗中の老舗だけあって、作りも音質もgood !
次はGEです。これも良い、特に高域の情報量が多く
上流機器に最適です。
あとEAGLEも秀逸です。このEAGLE、実は15年以上前の
TMD TAPやDIVA TAPに使っていたのです。
でもそんなに古い物ではありませんでした。
古いコンセントはベークライト樹脂からスタートしていますが
このベークライト、欠点は脆い事ですが、音質は抜群で
私的には絶縁体として大変に信頼しています。
絶縁特性などのスペック的にはその後に登場する合成樹脂
よりも劣るのですが、音は最高です。テフロンなんか問題に
なりません。音はベークの分厚いやつが最高です。
そして古いコンセントはネジの部分が凄い、マイナスネジ
なのですが、アメリカ製のマイナスネジは良くできています。
ドライバーで締め込んで見れば、その作りの良さが実感できます。
またプラグを差し込んだ時のカチッと確実にはまる感覚は
今日のコンセントには無い感覚です。
くわえ込みのパワー感が違います。
TMDはこの素晴らしい部品を生かして最先端の内容を持つ
AC TAPを最近になって作っています。
次回は具体的に幾つかのAC TAPの紹介をしましょう。
つづく