消費生活アドバイザーが食品表示をわかりにくく解説するブログ

消費生活アドバイザーが、食品表示を、妄想や推測、人から聞いた噂などを交えて、わかりにくく解説していきます。

私のほのかな疑問

2017-04-11 21:16:53 | 表示に関する話題
食品表示法が出来たことにより、消費者庁は
「食物アレルギー患者の選択の判断に寄与する」(キリッ)
ということで、個別表示を推奨しています。

そこで私は考えました。
個別表示、ということは
「フラワーペースト(小麦・卵・乳)、マヨネーズ(卵・大豆)、植物油脂(大豆)、卵白(卵)、ショートニング(大豆)…」
みたいな、目に五月蠅い感じの表示が出来ていくのだろうか、と。

しかし、実際は繰り返しになる場合はアレルギー表示を省略することが出来るそうです。
えっ…だって…「醤油の小麦は大丈夫なんだけど…」みたいな患者のために、個別表示にしたんですよね?
それじゃあ、省略されていない原材料に含まれている場合は大丈夫だけど、別の場合は駄目、って時はどうなるん?
「じゃがいも、醤油(小麦・大豆)、グルテン、…」みたいになった場合、
「醤油の小麦なら大丈夫」からのグルテン(小麦たんぱく)みたいな大惨事が待っているような気がしますが。
むちゃくちゃしやがって…。

しかも、この個別表示の省略規定、「新たな知見が得られた場合は、仕組みの一部改善を図る」などと述べており、見直しする気まんまんですよね…。
正直、この状態で個別表示で省略規定を使うメリットが企業には全くないし、かといって全部書くのは無理があるような原材料の多さの加工食品も多いし。
食品アレルギー患者の人も、省略規定のことを知らずに「表示されてるはずだから」と買って健康被害あっても困るし、全部書かれて見落としたらシャレにならないし。
と、誰も得しない感じの非常に「慌てて作りました」感がありますが、正直大丈夫なんでしょうか。

そして、私のほのかな疑問。
添加物で表示不要なもの(キャリーオーバーや加工助剤)に含まれるアレルギー物質や、添加物製剤(添加物のミックス粉的なものなどを指します。)に含まれる食品素材(例えばベーキングパウダーに含まれるでん粉など。表示免除です。)中のアレルギー物質は、個別表示ではどうするんだろう???
答えは消費者庁のQ&Aにありました。
「添加物製剤を食品の原料として使用した場合、個別表示によることができない場合は、一括表示をしてください。」
つまり、他の食品に表示があれば繰り返しの場合の省略規定によって省略できるけれど、キャリーオーバーや添加物製剤の食品素材の中にしかアレルギー物質が無い場合は個別に表示しようがないから、全部まとめてかいちゃえよ!ってことらしいです。
個別表示を推奨していたのはいったいなんだったのか…。と思います。

キャリーオーバーになるような添加物って、そもそも凄い微量ですね。
その中に含まれるアレルギー物質も多分微量ですね。
軽度のアレルギーの方は「キャリーオーバーになる程度の量のものに含まれる大豆なら大丈夫!」とかあるんじゃないんですかね???

というわけで、なんだかちょっと狐につままれたような気持ちになる食品表示法のアレルギーの推奨表示方法です。
ていうか、キャリーオーバーとか添加物製剤内の食品素材を一括で表示するとして、それは果たして添加物の欄に表示すべきなのか?それとも食品の欄に表示すべきなのか?
(食品と添加物を明確に分けて表示しなさい、とされていて、推奨の例としては、別枠を設けていて、アレルギーの一括表示を行う場合は、食品の枠内の最後に(一部に○○・××・△△を含む)、添加物の枠内の最後に(一部に○○・□□を含む)、といったように、別々に書くことが例示されています。
謎だ…謎すぎるけど…。
別に今困っていないので、消費者庁に聞くほどでもない…。
キャリーオーバーとか加工助剤はそもそも存在が添加物だから添加物欄でいいとして…
添加物製剤の食品素材は?
食品だから食品の欄?でも添加物製剤由来だから添加物の欄?
うーん…わからない…わかりませんね…。
まぁ、消費者の方の中には「食品添加物製剤の中に食品素材が含まれている」とかいった事実にはあまり目を向ける方は多くないと思いますので、正直、そんなに追求されないのか…。


あっ、因みに最初の方で個別表示のもりもり例を記載したところに「卵白(卵)」とありますが。
卵白や卵黄については、「卵」のアレルギー表示と見做さないこととなりました。
「卵黄なら大丈夫」と「卵黄」表示のものを食べた結果、卵白が混ざっており症状を呈した(卵黄と卵白は逆かも?うろ覚えすみません)、といった事例があったため、「卵」と入っていても、卵を表示しているとは認めなくなったようです。
ちょこっと情報でした。