おはようございます。株式会社ティオ代表、motown21主宰の山本です。
今日は、整備工場のフロントの役割です。
フロントの役割ってなんだろうか?真剣に考えたことがあるだろうか。フロント、という言葉を聞くとホテルのフロントのように受付場所をイメージする方も多いと思う。フロントには、最前線という意味がある。整備工場の一番前でお客さまと接するところがフロントだ。
そのフロントには、フロント・デスクと、フロント・オフィスの二つがある。フロント・デスクとは、窓口とか受付、レジ係りという意味合いである。フロント・オフィスは、情報提供、顧客渉外、工場コントロール、顧客管理、などの整備部門の中枢的業務を行う部署という意味合いである。
多くの整備工場を診てきた経験で言うと、大半がフロント・デスクの役割しか果たしていない。先日もフロント改善指導で、お伺いした大手の整備工場もフロント・デスクだけであった。受付をして作業指示書を発行し、終わった作業の納品請求書を作成し料金を受領する。工場への作業指示や、その後のコントロールや、納車後のフォローの顧客管理は行っていない。
なぜこうした、受付機能しか果たしていないかというと、フロント=受付窓口、という定義になっているからだ。仮に、その機能だけでOK、というのならば、工場コントロールや顧客管理は誰が、どう行うのかがはっきりしていなければならない。しかし、殆どの整備工場が、こうした業務が曖昧になっていて、いい加減にしか行われていない。
前述の整備工場でも、工場コントロールは、現場任せである。なぜ、現場任せでは不都合があるのかといえば、作業時間をメカニックの都合(基本的にフロントで約束した納車日時)に合わせて、作業するからである。例えば、2時間作業(標準作業時間)の整備車両が今日一台しかないと、メカニックは半日、極端言えば一日かかって作業をする。こうしたことが日常的に行われている。それでいて、メカニックは何時も忙しいとこぼす。
半日分、一日分の工賃請求ができればそれでも許されるが、基本的に2時間分しか請求できない。2時間の作業であれば、2時間以下で行い、後の労働時間で他の業務を行うことでなければならない。フォローコールをさせてもいいし、機械工具のメンテナンスをやらせてもいい。しかし、そうしたことはやらせていない。
だから、フロントで工場をコントロールすることがCS面でも都合がいいし、コストダウンにもつながる。フロントは、フロント・オフィスでなければならないのだ。ティオは、フロントを次のように定義している。
『フロントとは、お客さまの期待に応える品質を創りだすことによって、会社の利益に貢献するところである』
いかがだろうか。まさしくフロント・オフィスなのである。保有台数が減少する厳しい時代、まずはフロントの強化・改善に取り組むことが喫緊の課題ではないだろうか。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます