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整備工場の中古車販売成功の秘訣ー1:事業化に必要なこと

2010年03月15日 | 経営・オピニオン全般

おはようございます。株式会社ティオ代表、motown21主宰の山本です。
今日は、整備工場の中古車販売成功の秘訣ー1の事業化に必要なことです。

平成7年の車両法改正以後、整備業の総合付加価値経営が活発化している。特に最近は、本業の主役である「車検整備」が価格競争により従来ほど儲からなくなってきているために、別な儲けの柱を立てるべく、色々と模索が続いている。

中でも「中古車販売」をメインにした車両販売が熱を帯びている。カーベルやジョイカル、あるいはカーリンクといった車両販売チェーン店が、整備業者をターゲットに加盟店を拡大しているのがその証と言える。

しかし、中古車専業店でも厳しい経営が続いている中で、整備業者が楽に成績を上げることは、相当な努力が必要であるし、その分難しいのも事実である。

そこで整備業者が成功する中古車販売のポイントを5回にわたってご案内する。第1回の今回は、中古車販売を「事業」にするために基本的に理解しておくべき全体的なことを纏める。

何事も同じだが、事業を始めるには目的を明確にすることが必要だ。ただ単に「儲けるため」と言うのではなく、「トータルカーライフの提供のため」に車両販売を行う、などの何のために「車両販売事業」を始めるかの「大義名分」を、はっきりさせることが先決である。

儲けるということも大事だが、これは大義名分の結果と捉えるべき性格のものだ。敷地が空いていいて勿体ない、競争相手が始めた、儲けがでかい、などといったことではなく、事業としての「理念的」なことを明確にして欲しいと考える。

大義名分が明確になったら、商売する相手が誰かを決めること。整備業の場合は地域密着だが、その地域の誰に向かって、どの商品を、いくら程度で買っていただくかという、「お客さま」を明確にすることが二番目に決めることだ。これによって、仕入れるクルマ、値付けなどが全く違ってくる。

三番目が品質基準を決めること。品質基準とは、例えばオークション(以後、AA)の評価基準のランクをどの範囲までにすることや、修復歴車の仕入れはどうするのか、ワンオーナー車以外も扱うのかなどの仕入基準を明確にすることだ。また、納車時の点検範囲と整備基準はどこまでかを決めておくことだ。

四番目に決めることは、お客さまが安心して買える「条件」を決めること。例えば、納車後の品質保証はどうするのか、瑕疵があった場合の対応基準、ローンは残価型も扱うのか、リース販売はどうするのかなどの「売買条件」を決めること。

その上で、肝に銘じていただきたいのが、中古車販売はサービス業ではないということ。どういうことかと言えば、仕入⇒在庫⇒販売、という小売業であるということだ。

サービス業、特に整備業は工賃売上イコール粗利益で、粗利率100%の商売だ。ということは「在庫」が無い。これとは逆に中古車販売は売上の10から20%強しか粗利が無い。これは、整備業と決定的に違うところだ。

つまり、中古車販売業は「小売業」であり、在庫を持って商売をすることになる。在庫を持つということは、一つ間違えば資金繰りを悪化させ、最悪は資金が回らなくなって倒産することになる。

したがって、在庫リスクを極力無くすこと。無在庫販売といったことや、委託販売などといった業態もあるが、基本は在庫し展示して販売することになる。

最初から、面倒なことを上げたが、それだけ厳しい商売であり、覚悟が必要と言うことである。それを踏まえて、中古車販売を事業化するには以下の通り4つのポイントがある。
 その1:目標を明確にすること
 その2:AAに頼らないこと
 その3:整備業者として特徴を出すこと
 その4:在庫管理の徹底こと

これらについては、明日以降順次解説していく。


株式会社ティオ
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