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「タイムバール」少年探偵団の時代

元少年探偵団、現ダメ社長が「記憶と夢」を語ります。

クジと隕石

2007年04月13日 | Weblog
好奇心を60年も続けていると、そう簡単には驚かなくなります。しかし意外なところに神様はいました。先週駅前の宝くじ売り場で100枚以上買っている人を見ました。浮世離れした光景なので売り場のおばさんに聞いたら珍しいことではなく、しかも「宝くじを当てる方法」と言う本まであります。当然その本を買う人がいる訳ですが、なぜ「本当に当たるなら本なんか出すハズがない」と考えないのでしょうか。宝くじを買う人は決まって「当たった人がいる」「買わなければ当たらない」と言います。「夢を買う」と言うのはウソで本心はかなり期待しています。そんな人達には申し訳ないのですが、ちょっと「確率」の話をさせて下さい。説教臭い話ではありません。思い出話です。

宝くじが当たる確率は発行枚数や払い戻し率などにもよりますが、大体1000万分の1だそうです。ピンと来ません。そこで飛行機事故で死ぬ確率と比べると、飛行機事故死が10万分の1(飛行時間と移動距離での計算)ですから、それより100倍も当たる可能性が低いことになります。面白いですね。この悪質なカラクリに嵌る人が後を絶たないのは「確率」は人間がもっとも理解しにくい概念のひとつだからです。ところが同じ概念でも「運」となるといきなり身近になります。運のいい人、悪い人を見ているからです。そこで思い出すのは史上最も運の悪い人です。

子供の頃、人間が隕石に当たって死ぬ確率はどのくらいかと漠然と考えたことがあります。と言うは山の斜面で小さな「隕石」を拾った経験があるからです。あれは意外に重いのです。とても珍しいことで、病原体が付いているといけないと騙されて学校に取られてしまいました(今でも小学校にあるはずです。堀田先生、石を返して・・・!)。そんな拾うのも珍しいのにまして人に当たるなど宝くじどころではありません。地球の地表面積は約1億5000万平方キロ、一方人間の頭の「直撃危険面積」を直径10センチとすると・・・余り意味がありません。ほぼゼロです。しかし運はそんな数学を打ち砕きます。

1908年6月30日、中央シベリアで2150平方キロの林を破壊した「ツングースカ大爆発」は後に地表から6~8キロ上空で大気圏に突入した質量10万トンの隕石の爆発であることが判りました。幸い人家のない地帯だったので大惨事にはならなかったのですが、どうゆう訳か一人の農夫がその直撃を受けて死にました。(この史上最も運の悪い男の名前を目下、調査中です)。他の例では1911年、エジプトで「間の悪い犬」が隕石の直撃を受けて死んだ事例があります。話をまとめましょう。

つまりめったにないから「運」だと言うことです。3万円もつぎ込んでくじを当てようとする人は善人かも知れませんが賢い人ではありません。その分、勉強するか旅行でもした方が「運」の確率は上がります。では、自分はなぜそんな宝くじ売り場にいたのか?いい質問です。その宝くじ売り場では1万円出すと、おつりは新券で呉れるのです。義理袋には欠かせません。何事にも手数料や待ち時間がかかる昨今、200円で「夢付き」新券と交換して、更に「あの隕石はどうなったのか?」とささやかな感慨に耽る・・・そんな自分は賢いのか単なるアホなのでしょうか。

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