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「タイムバール」少年探偵団の時代

元少年探偵団、現ダメ社長が「記憶と夢」を語ります。

観察の掟

2008年02月12日 | Weblog
また足立区で斧による悲惨な無理心中事件です。何とかならないかと思うのは事件ではなく、毎度繰り返される「犯人をよく知る人の話」です。「とてもあんな事件を起こすような人ではありません」「家族はとても仲良く見えたんですが・・・」なんて愚にもつかない話ばかりです。少しでも洞察力を働かせれば「そんな事を起こすような人でないからこそ、切羽詰ると怖い」と判る筈です。第一、「そう言えば様子がおかしかった」なんて知っていても言う筈もありません。詐欺事件で「とても人を騙す人には見えませんでした」なんて間抜けな証言も同様です。ついでに言うと「事故の被害者は親思いのいい子でした」なんて報道も事故の本質とは何の関係もありません。どうして起こったのか、どうしたら防げるのかを考えさせる「一般報道」がないのは不可解です。もしかしたら誰かが我々の「学習能力」を奪っているのかも知れません。「学習」していれば「道路特定財源見直し」に賛成か反対かなんて議論の怪しさに気づく筈です。利権の巣窟であることを暴いて、税金の使い道をガラス張りにする方法を提案すればいいのに、やれやれです(尤もそんな事をしたら誰も役人や政治家にならないかも知れません)。


但し例外的な時代がありました。終戦直後の昭和20年代前半はみんな生きるのに必死で誰が何をやってもおかしくない時代でした。こんな状況では「あの人はこうゆう人です」なんて先入観で人を見ません。ガキの頃「おみやげ」持参の客が帰った後に誰かが「あの人はいい人ですね」と言うと部長(現場監督)が「今んとこはな!」と答えていたのが印象的でした。お巡りさんも悪さをしそうなガキの名前と行動は全て把握しており、出会うと「おい!○○!今日はイチゴ(盗み食い)か?」なんてクギを刺すことを忘れません。こうなると我々ガキ共も「自衛のため」に監視の目を眩ます方法とか、我々の悪事を握りつぶしてくれる女級長への配慮とか、何かと知恵を絞るようになります。

その第一歩は「観察」です。大人の観察を続けるうちにそれぞれ独特の行動パターンやクセがあることに気づきます。そうすると大人の次の行動が読めるようになります。更に女級長の「気づいたことを向こうに気づかれたら駄目よ」なんて「助言」もあって「洞察」に磨きがかかると言う按配です。半世紀も過ぎた今ではこんな話は通用しません。日本人のDNAに馴染まない「人権」や「プライバシー」なんてものと引き換えに益々「欧米型事件」は増える筈です。

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