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「タイムバール」少年探偵団の時代

元少年探偵団、現ダメ社長が「記憶と夢」を語ります。

謙虚の掟

2007年11月12日 | Weblog
それにしてもたった19人とは・・・茨城県の宝くじ売場に1000万円の当たりくじを忘れたとの報道に名乗り出た「あさましい人間」の数です。50年以上も前の我々が小学生の頃は「駅に10万円(現在の200万位)の忘れもの」なんて記事が出ようものなら何百人もの「心当たりの人間」が名乗り出たものです。中には寝たきりのばあさんや1円の貯金もないルンペンもいて物笑いでしたが、この当時は「あさましい」と言うより半分はお祭り気分でした。学校で「判る子は手を上げて」なんて言われると判らなくても「はいっ!」と「全員」が手を上げるのと同様で、「取敢えず参加しておこう」という根性でした。先生に指されて頭を掻く赤点少年と笑いに包まれる教室の風景が瞼に浮かびます。

今回は「現場」が地方であること、警察も本人特定の隠しダマを持っていることが広く知られたせいか不心得物は「少数」でした。それでも3人が警察に「出頭」したのは地域性でしょうか。故あって30年くらい前に茨城の免許試験場で更新を受けたとき、係官が「なんど注意しても名前を書き忘れるバカがいる」と注意したにも拘わらず3人が名前を書き忘れた「事件」を思い出します。因みに東京の鮫洲試験場ではほぼゼロだそうです。尤も6万5千円当たったのが嬉しくて帰ってしまった当該男性の無邪気さと、宝くじ売場経営者の当然受け取るべき権利の「礼金」を辞退した謙虚さは心温まります。

心温まると言えば、美術界の巨匠ルノワールが若い頃、南仏の下宿先の家賃が払えず「おばさん、悪いけどこの絵で勘弁してもらえないでしょうか・・・もしかしたら将来300フラン位になるかも知れませんよ」と珍しく「法螺」を吹いたエピソードが残っています。気のいいおばさんは「法螺」と知りつつ「まあ!そうなったら素敵だね・・・」と家賃の代わりにこの絵を受け取りました。運命の女神はこうゆう人に微笑むのでしょうか、この絵は今では300フラン(1万円前後)どころか日本円で数億は下らない価値になっていますが、それを売らないで「家宝」にしている一族も立派です。もしかしたらこの絵を「目玉」に「ルノワールの原点に出会う旅」なんてキャッチフレーズでホテルを経営しているのかも・・・おっと、また不心得な元少年探偵団の悪い想像グセが出てしまいました。

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