地球劇場 家造り編 『風と共に建てる』

三重県鈴鹿市に、職人の技と、日本の伝統的工法を現代風にアレンジし、、自然素材をふんだんに使った家を造ります。

念願の…

2008-09-30 20:23:48 | 家造り
(筆=大工「Ⅰ」)


近鉄の看板の車両、「アーバンライナー」。
毎時00分に名古屋と大阪の難波をそれぞれ出発した列車が、毎時38分ころに現場すぐ近くですれ違うというのだ。
佐野さんが自慢げに話してくれた。
つまり現場前は、アーバンライナーで名古屋から38分、難波から1時間38分の地点なのである。

(ふうん、だからどうだってんだよ…)

ところが、である。
私はかなりの日数をこの現場で過ごしていたにも関わらず、このすれ違いシーンを見たことがなかった…。

たった1日だけ、ストーブの設置工事に来たG社のスタッフは、「あー、あれがアーバンライナーのすれ違いシーンですか…」と感心して見て行ったそうだが。
調べると、約2時間5分で名古屋~難波間を走り抜けるアーバンライナーには、こんな地点が5箇所あって、★名古屋駅のすぐ近く、★この現場の近く、★ちょうど名古屋~難波の中間点、★ちょうどこことは逆の条件になる大和八木駅付近、★上本町駅付近(地下)。
もちろん時間帯によって場所は微妙に変わるようだ。

別に極度の鉄道マニアでなくても、そう言われれば悔しくて、「よし、一度そのすれ違いシーンをこの目で見てやる。12:38なら、昼休みだ、よし、しかと見てやる…」。

名古屋行きの列車が38分に通過、しばらくして、大阪行きが通過…。
そんな日を何度か経験して、自分の中ではだんだんどうでもよくなってきていた…。


季節は巡り、彼岸花が咲く田んぼの畦…。
ひとり現場で鴨居の溝を機械で掘って、ほこりに咳こんで、思わず窓辺に…。
その瞬間、見事に6両編成の白地に黄色の帯の列車が目の前ですれ違って行った。

間もなく大工工事も終わろうとしていた秋の日の、なんでもない、ふとした出来事であった。

やったあ!ついにこの目で見たぞ!
(たえずカメラを構えているわけじゃないので写真はありません)

ああ、虚しい…。




 

風の家の内壁~羽目板編~

2008-09-18 20:43:47 | 家造り
よし、内壁造ろう!

風の家の内壁は、構造的に分類して全部で5種類。今回は、外部に面した壁の内側に張った羽目板の話。

風の家の外周は、ほぼすべて土壁仕様。4寸の柱の真ん中にえつりをかいて、両面に土壁を塗りつけてある。この土壁は、調湿効果が非常に高く、防火効果も期待できる優れものなのはこれまでも述べてきたとおり

本来ならば、この土壁の上に土を使った材で仕上るのが日本の伝統家屋。漆喰だったり、じゅらく壁だったり・・・。風の家では、その仕様は和室周りのみで、他の部分は土壁の上に下地を作って、羽目板を張っていきました。


 柱に溝を彫り、その溝に厚さ11ミリの杉の赤身板を貼っていく。日本の町屋の家屋というよりは、完全に山小屋風のその趣。柱や梁といった構造材がはっきりと見えるその真壁納まりは、武骨ながらも柔らかい感じが素敵です。一枚貼っても、進むのはわずか100ミリ程度。ガーデン君の地道な作業に、いつも感謝しております

 これまた100%自然素材の壁に囲まれた空間にいると、何だか空気までも旨い気がしてきます。内装制限?☆☆☆☆?(フォースター*建築基準法上内装制限を受けない新建材)   ・・・そんなものは、風の家にはまったく関係ないですな

 








風の家の内壁~落し込み板編~

2008-09-16 22:38:26 | 家造り
よし、内壁を作ろう。

風の家の内壁は、構造的に分けると、5種類。

今回は一階のホールや、二階のホール、トイレ、建具の一本引きに多用した、落し込み壁を造ろう。


120ミリ角の柱の芯に幅37ミリ程度、深さ20ミリ程度の溝を彫り、その溝に厚さ36ミリ、幅95ミリ程度の杉板をどんどんはめ込んでいく。以前、「大海原の小さな家」を施工したときは、建前時に上からどんどん落とし込んでいったけども、今回は、完全に躯体が組みあがってから落とし込む、いわば、「新落し込み工法」(Iさん仕様)。


 柱の間に、36ミリの厚板でみっちり詰まっている壁。表も裏も、両面一発仕上げなので、結構工事は早い(かもしれない)。強度も期待できるし、壁の中の中まで自然素材100%だし、空間は広く取れるし、言うことなしだ。欠点は、配線を隠せないこと。スイッチやコンセントが困ること。これからの課題です。


落し込み工法は、建築基準法では耐力壁として計算できない(一部例外あり)ので、設計時に頭を痛めるのも事実・・

でも、個人的には仕上がりの感じと言い、空間を広く使えることといい、満足しています。

煙突工事

2008-09-15 22:32:10 | 家造り
よし、煙突をつけよう。

「煙突がないと、サンタクロースが家の中に入ってこれないよ~」と、大地や七海が口を揃えて言うので、仕方なく、煙突を飾りでつけることに。外壁のアクセントにもなるし、喚気口にもなるし、中々良い。クリスマスにはプレゼントも届く気がするし、ちょっと高い買い物だったけども、まあ良しとしよう。


煙突は、桑名市にある

《グランビル》

さんに勤めている友人に頼んで、つけていただきました。燃料高騰の昨今、薪ストーブや、かまども見直されていくかもしれません。




href="https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/53/c5/5e0bd7f7eee33563a28dac09c7650d78.jpg">






 

出来るだけ化石エネルギーを使わないここ風の家は、夏のエアコンはなし、冬の灯油ストーブはなし。

冬は、寒いのは苦手のポンタがいるので、なにか暖房手段を考えないと・・・

家造りの設計において、一番大切なこと

2008-09-14 07:21:04 | 家造り
よし、設計をしよう!っと思いたったのは、もう一年以上前の話。

ポンタと二人、ラフスケッチをしては、

これは絶対いい!
これはいらない!
キッチンの大きさはこれくらい!
リビングはこれくらいかな。
和室は必要かな?

などと、十枚以上ある平面図を描き、概ねの骨格を決定したモノである。34歳(当時)のワタクシにとって、まだまだ変わっていくライフサイクル。それを見据えた上での新築設計が、大きなポイントになっていた。

 普段、住宅リフォーム現場を毎日毎日視て、壊して、直して、新しくして、時には増築をし、時には減築の依頼を請け(減築工事はまだ未経験)、いやでも家造りにナーバスになってしまう因果な商売を行っているワタクシ

 リフォームをすると、毎日大量のゴミが出る・・・。まったく使い物にならなくなったり、危険を感じたりするために仕方なくゴミになるものはともかく、まだまだ十分機能するものまで、どんどん処分してしまう。しかも、新建材のほとんどすべては、リサイクル不能。ほとんどが「ゴミの谷」にそのまま捨てられていくのが今の現状

 お金もかかります。解体・撤去・処分費はもちろん、住まいながらの工事になると、どうしても時間の制約がきつく、その時間を調整するための余計な経費がかかる。小さな工事が重なると、その工事単価はとても高いものになる

 増築や無理なリフォームを強行すると、雨漏りも・・・


 家は、メンテナンスフリーに限る!いやがうえにも、そう思うのです。

 さて、新築設計。ポンタ・ワタクシともに満足するプランが出来、とても家造りが楽しくなってきた。42坪のこの家には、文句の付け所がない!と言い切れる。

 が、見積をしてみると、明らかに予算オーバー・・


 で、42坪をぐっとちいさくして、36坪に。リビングは10帖から8帖になったし、ダイニングも8帖から6帖に。和室も8帖から6帖になったし、床の間もなくなった。トイレは階段下に追いやられ、玄関も狭くなった。

 でも、夫婦二人、子供二人が生活していくには、LDKと和室が二部屋、洋間が一部屋あれば、十分だ。

 木と、土と、自然素材でできた3LDKの素敵な風の家。新築設計において、一番大切な、そこに住む家族のライフサイクルを長い将来にわたって視野に入れた、フレキシブルな間取りの、体に優しい、愛情を込めた家造り。


・・・・・何という完璧な設計だ!
















・・・・・・・・・・・ということはなく、平成20年9月12日、第三子「美月」誕生!

建築設計は完璧でしたが、人生設計になにやら欠けているものが・・・



・・・・・・まだ、新築建築中にすでに我が家は手狭な気がします・・・・・


『続編 地球劇場増築編』お楽しみに~     

・・・・・笑えませんな


ポンタ、お疲れ様。ありがとう。













階段造り

2008-09-02 22:00:51 | 家造り
よし、階段を造ろう!

階段は、家の中の事故の発生箇所の第3位。転落の危険のある箇所だから、しっかり考えないと。しかも、我が家のように、6歳・4歳の子供がいるところや、また、高齢者のいる家庭なんかは、しっかりと計画したいものです。

風の家では、階段一段の踏み面の幅は約23cm、蹴上げの高さは約19cm、廻り階段で、14段で二階まで登ります。廻り階段は、家具等を二階に上げる時に不便ですが、踊り場を設けやすいので、安全です。(直階段の場合は、踊り場を設けないと、転落の際に下まで転げ落ちる可能性があるので、気をつけないといけません・・・。)

階段は杉板を使いました。踏み板には、厚み36ミリの杉板を、そして、なんと、蹴込み板にも30厚の杉板を使った我が家の階段(Iさんのアイデア)。強い上に、かっこいいです

風の家は省(小?)スペース化のため、階段下はトイレ。無垢の木ばかりなので、階段の形のままの段々の天井が素敵です

ちなみに、無垢の木仕様の階段を、建材メーカーのカタログで見てみると・・・


100万円~70万円・・・・。


高いなあ・・・


風の家は、たった5枚の杉板を、Iさんに加工してもらって、造っていただきました。いい出来です!





よし、外壁を貼ろう2

2008-09-01 22:30:50 | 家造り
よし、外壁を貼ろう!

8月下旬は、天気がまったく安定しないため、なかなか外壁貼り工事が進まない・・・

やっと、青空が広がった9月1日、板金屋さんが頑張ってくれて、ほぼ外壁のガルバリウムが貼り終わりました。

デザイン性や耐火性は低いけども、耐久性が非常に高いガルバリウム。

他の外壁も一長一短なので、まだまだ外壁の選択は迷うところだらけです・・・



うむ、ぜんぜん倉庫っぽくない!