地球劇場 家造り編 『風と共に建てる』

三重県鈴鹿市に、職人の技と、日本の伝統的工法を現代風にアレンジし、、自然素材をふんだんに使った家を造ります。

職人さんの仕事

2008-04-24 19:28:19 | 家造り
Iさんの刻みも佳境に入ってきた。我が家の構造材の工場加工ももう一息だ

無垢の木は一本一本表情がまったく違う。私が建築の仕事を始めて12年。まだまだ、木の表情を読むのは難しい・・・。それでも、少しづつわかってきた木のよさ。これから、もっともっと自分自身木のことがわかってきて、もっともっと好きになっていくんだろうな・・・

 最近のプレカット工場は、パートの方が木を見て、適当に?機械に柱材や梁材を放り込んでいく・・・・。ま、集成材にくわえ、ほとんどの柱が壁の中に隠れるんだから、別にいいのかな?

 ・・・・・いいのかな、日本の家。職人さんの仕事はすばらしいのにね。写真は刻んでくれている大工O関さん。手にしているのはウコッケイの卵。

虫かごと住まい

2008-04-08 14:33:38 | 家造り

大地です。すっかり暖かくなってきました。桜も満開を過ぎ、完全に春になりました。ボクも、小学校に入学して、ピカピカの一年生になりました。

野山にはチョウチョが舞い、木材の刻みをしている山の作業場には手斧(チョウナ)が舞っています。家造りもIさんがちゃくちゃくと進めてくれているみたい(写真)で、楽しみです。

学校の帰りに、チョウチョを捕まえたので、ビニール袋に入れて、蝶が逃げないように、ぎゅっと入り口を縛って持ってきて、お父さんに見せてあげたんだ。どうだい?きれいでしょ?


お父さんは、何かを言う前に、まず、鉛筆でぷすぷすとビニール袋に穴を開け始めたんだ・・・・。どうしたの、お父さん?

「ビニール袋で密封しちゃうと、袋の中のチョウチョが息が出来なくなって死んじゃうんだよ・・・。すべての生き物には、新鮮な空気が必要なんだ。」


ふーん。人間にも新鮮な空気って必要なの?

「もちろん。人間自身も空気を汚しちゃうし、住まいに使われている建材や、家具に使われている材料・塗料なんかから放出される有害物質も空気を汚しちゃうんだ。それを、草花や、森の木々がどんどんきれいにしてくれるんだよ。」

「ふーん。お父さん、ボクの家はどうなの?」

「出来るだけ、自然素材の木や土をたくさん使うから、家の中でも、壁や床が空気をきれいにしてくれるのを期待できる。空気の流れも必ず出来る造りにするから、汚い空気の中で窒息するようなことはないよ。」

「ふーん。じゃ、安心だね。友達の家のきれいな真っ白い壁や、すごいきれいな床も、どんどん空気をきれいにして、どんどん空気を入れ替えてるんだね、きっと。」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・[高気密住宅]なんて、流行している。ビニール袋の中の昆虫は、袋に穴を開けなきゃ死んじゃうってことをみんな知っているのに、自分が住む家はまったく空気の流れない、密閉空間にしちゃっている。で、そんな環境で住んでいる人間、特に子供や赤ちゃんたちが、どんどんアレルギー反応を起こしていて、今では小学生の25%がアレルギー持ちになってしまった・・。完全に大人のお父さんたちのせいだ。法律も、やっと気づいてきて、家の中に使う内装材を制限したりし始めた。もちろん、空気も入れ替えなければいけないということで、強制的に換気扇をつけなければならなくなった。法律としては滅茶苦茶だ。そんなことしなくても、[低気密]や[中気密]の住宅を自然素材をたくさん使って作れば、何も問題はないのにね・・・。」

「でもお父さん、冬寒いのは嫌だよ」

「・・・[中気密]って言っても隙間風がぴゅーぴゅー入ってくるわけじゃないよ、もちろん。断熱材も入れるしね。」


「だんねつざいって?」

「また今度ゆっくり説明するよ。」


















家の大きさを考える・・・

2008-04-03 21:46:40 | 家造り
家の大きさは、どれくらいがいちばんいいんだろうか・・・。

 もちろん、土地の大きさや住む家族の人数によって、ある程度は決まるだろう。大きすぎる住まいは、維持費がかかるし、掃除の手間は必要だし、建築費は高くなるし、あまりいいことがないな

小さすぎる家は、工夫して住まなきゃいけないから、大変だ。増築なんてしようなら、最悪ですな

我が家は、36坪の3LDK。4人もしくは5人で住むには、ちょっと手狭かな(もしかしたら、相当手狭かも・・・)。でも、工夫次第で何とか生活できそうな気もします。

写真の梁の長さは6m。我が家の梁間の大きさがちょうどこのサイズ。そして、我が家の棟は10mの丸太材。家の構造のうち、縦の梁と横の棟が一本の材で構成することが出来るのは、強度的にも安心だ。

小さな家だけども、しっかりとした楽しい家を造り上げます

椙の香りに包まれて

2008-04-01 17:25:04 | 家造り
(筆=大工「Ⅰ」)


 毎日のやうに雪があつたのが嘘のやうであります。
彼岸もすぎて刻み仕事には、このあたゝかさが有難いものであります。

 所謂骨組みとなる材木を切つたり穴を開けたり削つたりと、棟上にむけて作業場で追ひ込んでゐるところです。

 駿河の國から仲間の大工、ノウスマウンテン氏が手傳ひにやつてきてくれました。私Ⅰが墨をつけた材料を次々と刻んでいきます。

 そして、機械の通稱「角ノミ」を使つて穴を掘る作業をしてゐるのが、新顏のガアデン君であります。
二十二歳の好年で、期待の星なのであります。

 押し迫つてくると、もうひとり手傳ひが加はつて、四人を中心に棟上へと進んでいくことになるのです。

 作業場では毎日、杉材と鍋燒きうどんの香りに包まれてをります。