チキの私的サッカー館

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中堅の逆襲⑤~パレルモ~

2005年06月14日 | セリエA
今季、セリエで6位、見事UEFA杯を獲得したパレルモを振り返って見る。

改めて「バランスのよいチームは勝てる」ってことを実感したチームだ。

一応この企画で紹介するチームは、タレントを大勢要して勝つわけでなく、
あくまで中堅の領域を出ない戦力ながら、チームとしてのまとまりをまず第一にして成功を収めた私的にお気に入りのチームを取り上げている。


まず今季ベースシステム

3-4-2-1

┏━━┳━┳━━━┳━┳━━┓
┃□□┃□┗━━━┛□┃□□┃⑨CFトニ
┃□□┃□□□⑨□□□┃□□┃⑪2T(OH)プリエンツァ
┃□□┗━━━━━━━┛□□┃⑩OHザウリ(マリアーノ・ゴンザレス)
┃□□□□□□□□□□□□□┃⑦LWBグロッソ
┃□□□□□□□□□□□□□┃⑥DHコリーニ
┃■■■■■■■■⑪■■■■┃⑧DH(CH)バローネ
┃■■■■⑩■■■■■■■■┃③RWBムタレッリ(サンターナ)
┃■■■■■■■■■■■■■┃④CBビアーバ
┣━⑦━━━━━━━━━③━┫⑤CBバルザーリ
┃■■■■■■■■⑧■■■■┃②CBザッカルド
┃■■■■⑥■■■■■■■■┃①GKグアルダルベン
┃■■■■■■■■■■■■■┃
┃□□□□□□□□□□□□□┃
┃□□④□□□□□□□②□□┃
┃□□┏━━━⑤━━━┓□□┃
┃□□┃□□□□□□□┃□□┃
┃□□┃□┏━①━┓□┃□□┃
┗━━┻━┻━━━┻━┻━━┛

チームバランスは極めていいと思う。

FW

まずこのチームの大きな特徴は3-4-2-1の2-1の部分

典型的なポスト役のイタリア代表、長身CFトニ(20ゴール)の背後に、
2列目からの飛び出しが魅力で今季ブレイクしたプリエンツァ(10ゴール)
古典的な司令塔で、スピードはないが、卓越したテクニックで抜群のゲームメイクを見せるザウリ

が前戦で絶妙なハーモニーを奏でる。
この特性の異なる3人のアタッカーの起用法は今後セリエ中堅の新たなトレンドになる可能性が大いにあるだろう。

同じような1トップを2人のアタッカーがサポートしたチームにレッジーナがある。
1トップのポスト役のボナッツオーリを2列目の中村(司令塔)、コルッチ(シャドー)がサポートし、
パレルモほどではないが魅力的な攻撃を見せ、残留に貢献した。

MF

LWBに入ったグロッソは抜群の左足を持つ大型SBで、4バックのSBより守備の負担が少ない3バックのWBのとき、もっとも輝く選手。
高精度のクロスをトニの頭に合わせ続けた。イタリア代表にも定着した。
また
ベテランレジスタ、コリーニと中盤のプレス人バローネで作る中盤センターも非常に魅力的だ。
コリーニはスタミナこそ衰えたが、まだまだその展開力、激しく曲るFKから多くのチャンスを構築した。
バローネは黒子役に徹し、中盤での激しいチェイシングで敵の攻撃を未然に紡いだ。また機を見ての攻撃参加も光った。

ただ唯一残念だったのは右WBのポジション。ムタレッリは印象に残るプレーを残せなかったし、サンターナもWBを勤めるには守備がお粗末すぎる。
ザッカルドもやはり適正は3バックのストッパーにある。
もし、シエナのアルベルトのような選手がいたならCLも夢ではなかったと思う。

DF&GK

CBに入るのは若手のホープ
ヴィアーバ、バルザーリ、ザッカルドで構成される魅力的なイタリア代表CBトリオ。
特にバルザーリは統率、ザッカルドはコリーニのFKから貴重な得点をあげチームに貢献した。

またザッカルドを右SB、グロッソを左SB、ザウリをトップ下、サンターナを右SHにする4-2-3-1も見られたが、左SHに突破力を備えるタレントが不在だった。

GKグアルダルベンもたまにミスもあったが安定しており来期も計算できる戦力だ。

来期は

グイドリンの後を継ぎ、ローマを追われたデルネーリが監督に就任。
ただフラットな4-4-2を好む指揮官なので、このままこのシステムを熟成させるとは考えがたい。
せっかく築きあがた組織が壊れてしまわないことを願っているが、一抹の不安が過ぎる。

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