Fantasy Football(ファンタジーフットボール)戦記

NFLのFantasy Football(ファンタジーフットボール)のほかMLBやNBAについて語ります

「いともたやすく行われるえげつない行為」にバスケの神が怒った?BogutとDurantが相次ぎ負傷

2017年03月08日 00時02分00秒 | NBA
今日もNBAネタ満開で行きます。
 
Cleveland Cavaliers(Cavs)のAndrew Bogutが左足脛骨を骨折しました。NFLファンの方には何のことかわからないかもしれませんが、少しだけNFLにも話をつなげますのでお付き合いくださいね。
 
Cavsは2016年のNBA Finalを制したディフェンディングチャンピオン。そしてBogutはそのFinalでCavsに敗れたGolden State Warriors(Warriors)にいて、2016-17シーズンからDallas Mavericksに移籍したのですが、シーズン途中で解雇。そして向かった先がCavsだったのです。怪我を負ったのはCavsでのデビュー戦でしたが、わずか58秒で終わったそうです。
 
実はこの話には前振りがあります。Warriorsには今シーズン、かつて得点王を4度も獲ったKevin Durantが加入していたのですが、そのDurantも2月末に左ひざ内側側副靭帯損傷、脛骨挫傷により無期限欠場となっていたのです。そもそもDurantをWarriorsに加入させるサラリーキャップスペースを空けるために、BogutはWarriorsから放出されています。結局、その二人ともが負傷により、新たに加入した前年Final出場チームから消えた(シーズンアウトの可能性も大)ということです。
 
もっと言うと、2015-16年シーズンのWarriors はシーズン最高勝率を残していました。Splash Brothersと呼ばれるStephen CurryとKlay Thompsonを中心とするチームはMichael JordanのいたChicago Bullsの記録を抜き、73勝9敗でレギュラーシーズンを終えました。前シーズンに引き続きCavsとの対戦となったFinalでも圧倒的有利を伝えられており、3勝1敗までCavsを追い詰めたときには、Warriorsの2連覇を疑う余地もありませんでした。
 
ところがまさかの3連敗をしてチャンピオンを逃しました。5戦目にBogutが左ひざの怪我を負い、そのまま最終戦まで欠場したことも敗戦の理由のひとつでした。
 
しかし前年悔しい思いをしたからと言って、そこにDurantを連れてくるのは反則ですね。Durantも、NBA入りしてから在籍していたOklahoma City Thunder(1年目はSeattle Supersonicsでしたが移転してチーム名が変わりました)を優勝に導くのではなく、優勝に近いところにいるWarriorsに移籍するという安易な道を選んだわけですから、ほかのチームのファンやOklahoma City市民から非難されても仕方ないでしょう。
 
この移籍はNFLで例えるなら、パーフェクトシーズンを目指して負けた2008年のNEが、翌シーズンにちょっとありえない有力選手を連れてきたようなものだと思ってください(ごめんなさい、いい選手のたとえがないありませんでした)。Bogutの話までたとえるならNEから押し出された選手が別のチームを経由してNYGに入ったということですね。そして二人とも怪我を負ってほぼシーズンアウトになったというのが今日現在です。とても分かりずらいたとえになっていますね。
 
何でこんなことが起こったかというと、背景にはNBAのサラリーキャップの急拡大という事情があります。金額は2016-17年シーズンは9414.3万ドル。2015-16年シーズン が7000万ですから1.35倍にも及ぶ劇的なアップです。
 
2017年シーズンのNFLサラリーキャップが1億6700万ドル(約189億8500万円)で2016年シーズンの1億5527万ドル(約176億5700万円)から1200万ドル(13億6400万円)も上昇しているじゃないという人がいるかもしれません。しかし拡大率は10%にも至りません。総額はNFLが勝っていますが、しかしチームのRosterがNBAは15人でNFLの53人の3分の1以下です。選手がもらえる金額はNBAのほうがおいしいというわけです。
 
そこにもってきて前年比で1.35倍のサラリーキャップ拡大ですから、選手の年俸がちょっと増えても(一人くらい大物をとっても)なんとか賄えます。Durantほどの実績を持つ選手が前々シーズンのチャンピオンで、前年もFinal敗戦のWarriorsに移籍できたのはこうした事情があってのことです。NFLはやはりサラリーキャップがきついように見えますね。
 
そしてもう一つ、重要なのはNBAではここ数年Finalに出場できるチームが偏っているのです。なにせ東地区はReBronが6年連続Final出場(Miami Heatで4年、Cavsで2年)。これに対して西地区はWarriorsの2連覇の前は、Sun Antonio Spursが2年連続出場で、その前がやっとDurant在籍当時のThunderです。
 
つまり過去5シーズンでFinalに出場したチームは5チームしかいないことなります。そして今季も東はCavsで西は本命Warriorsの対抗SupersによるFinalになりそうな雰囲気です。だったらこのどこかに行ってFinal出場を目指す選択肢もあり得ます。
 
こうして一部の選手は、残り少ない現役のうちにチャンピオンリングを手に入れるため有力チームへの移籍を希望するようになりました。前シーズンはSupersに、今シーズンはWarriorsにほぼ最低額で契約を交わしたDavid Westなんて選手もいます。そこにサラリーキャップスペースの拡大があるわけですから、有力チームはさらにチームの補強が容易になります。
 
こうした選手やチームのふるまいを筆者は、ジョジョの奇妙な冒険第7部(スティールボールラン)のスタンドの名を借りて「いともたやすく行われるえげつない行為」と呼んでいます。一文の中に「行」の字が2回出てくるところに、ジャンプスクエア編集部の詰めの甘さを感じないわけではありませんが、まあそれはともかく要はリング乞食的な行為ですね。
 
ということもあって筆者は、今回のDurantとGogadが続けざまにけがを負ったのは、バスケットの神(もちろんJordanのことではなく)による怒りの鉄槌ではないかと考えています。チームの実力が平準化して、それぞれの地区でどこがFinal出場になるか皆目見当がつかない状況がリーグが楽しくなるための鉄則ですが、それと逆行している動きがちょっと目についていました。
 
そういう意味でいうと、筆者としてはCavesとWarriorsを倒してFinalに進もうとするチームの奮闘に期待したいところです。怪我を負ったBogutとDurantには同情しますが、リーグが面白くなるという意味では肯定的にとらえています
 

2015年シーズンからアメリカンフットボールのFANTASY FOOTBALL を楽しんでいるトーマスといいます。NFLだけでなく、MLBやNBAについても語りますのでよろしくお願いします。

AFC東BUF バッファロー・ビルズ NFC東DAL ダラス・カウボーイズ
MIA マイアミ・ドルフィンズ NYG ニューヨーク・ジャイアンツ
NE ニューイングランド・ペイトリオッツ PHI フィラデルフィア・イーグルス
NYJ ニューヨーク・ジェッツ WAS ワシントン・レッドスキンズ
AFC北BAL ボルティモア・レイブンズ NFC北CHI シカゴ・ベアーズ
CIN シンシナティ・ベンガルズ DET デトロイト・ライオンズ
CLE クリーブランド・ブラウンズ GB グリーンベイ・パッカーズ
PIT ピッツバーグ・スティーラーズ MIN ミネソタ・バイキングス
AFC南HOU ヒューストン・テキサンズ NFC南ATL アトランタ・ファルコンズ
IND インディアナポリス・コルツ CAR カロライナ・パンサーズ
JAX ジャクソンビル・ジャガーズ NO ニューオリンズ・セインツ
TEN テネシー・タイタンズ TB タンパベイ・バッカニアーズ
AFC西DEN デンバー・ブロンコス NFC西ARI アリゾナ・カーディナルス
KC カンザスシティ・チーフス LA ロサンゼルス・ラムズ
OAK オークランド・レイダース SF サンフランシスコ・49ers
SD サンディエゴ・チャージャース SEA シアトル・シーホークス

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