キッシンジャー氏日本非難 72年、日中正常化の動きに反発

2006年05月29日 | 国際
 【ワシントン26日共同】ニクソン米大統領の中国訪問など1970年代の米外交政策を主導したキッシンジャー大統領補佐官(後に国務長官)が72年夏、田中角栄首相が訪中して日中国交正常化を図る計画を知り「ジャップ(日本人への蔑称(べっしょう))」との表現を使って日本を「最悪の裏切り者」と非難していたことが、26日までに解禁された米公文書で分かった。
 キッシンジャー氏の懐疑的な対日観は解禁済みの公文書から既に明らかになっているが、戦略性の高い外交案件をめぐり、同氏が日本に露骨な敵がい心を抱いていたことを明確に伝えている。日米繊維交渉などで険悪化した当時の両国関係を反映しており、70年代の日米関係史をひもとく重要資料といえる。
 文書はシンクタンク「国家安全保障公文書館」が国立公文書館から入手。26日の公表前に共同通信に閲覧を認めた。
 ハワイで日米首脳会談が行われた72年8月31日付の部内協議メモ(極秘)によると、キッシンジャー氏は部内協議の冒頭で「あらゆる裏切り者の中でも、ジャップが最悪だ」と発言した。
 続けて、中国との国交正常化を伝えてきた日本の外交方針を「品のない拙速さ」と批判し、日中共同声明調印のために田中首相が中国の建国記念日に合わせ訪中する計画を非難。首相訪中に関する日本からの高官協議の申し入れを拒否したという。
 またフォード大統領訪日を直前に控えた74年11月12日付の国務省会議録(秘密)によると、国務長官も兼務していた同氏は省内会議で田中首相について「日本の標準に照らしてみてもうそつきだ」と言明した。
=2006/05/27付 西日本新聞朝刊=
2006年05月27日01時42分

西日本新聞 / アジア・世界 [キッシンジャー氏日本非難 72年、日中正常化の動きに反発]
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/world/20060527/20060527_012.shtml




キッシンジャー氏「ジャップは裏切り者」 日中国交正常化に不快感 米極秘文書

 【ワシントン=有元隆志】1972年の日本と中国の国交正常化をめぐり、当時、ニクソン米政権の大統領補佐官だったキッシンジャー氏が、政権内の会合で不快感を示していたことが26日、米民間シンクタンク「ナショナル・セキュリティー・アーカイブ」(NSA)が情報公開法に基づき入手したホワイトハウスの極秘文書で明らかになった。
 「あらゆる裏切り者の中で、ジャップ(日本人の卑称)が他に抜きんでた」。キッシンジャー氏は72年8月31日、滞在中のハワイ・オアフ島のホテルで行われた会合の席上、日中国交正常化交渉について、こう発言。さらに「彼らは中国との国交正常化を急ぐだけでなく、国慶節(10月1日の中国の建国記念の日)を選んだ」とも指摘した。
 キッシンジャー氏は72年2月に行われたニクソン大統領の中国訪問準備のため、71年にひそかに訪中し、周恩来首相と会談するなど、米国の対中外交で主導的役割を果たしていた。
 日本政府には事前に連絡せず、頭越しに交渉を進めたが、その日本政府がニクソン訪中からわずか7カ月後に、米国より先に国交を結ぶところまできていることに驚きを隠せなかったようだ。
(05/27 22:36)

Sankei Web 国際 キッシンジャー氏「ジャップは裏切り者」 日中国交正常化に不快感 米極秘文書(05/27 22:36)
http://www.sankei.co.jp/news/060527/kok121.htm


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