【主張】竹島の日 「日本領」と明確に発信を

2010年02月22日 | news
【主張】竹島の日 「日本領」と明確に発信を
2010.2.22 02:48

 竹島の日の22日、松江市で恒例の記念式典が行われる。島根県が「竹島の日」条例を定めてから5年たつが、今年も政府関係者の出席予定はない。残念である。

 この日は、明治38(1905)年、竹島を島根県の所管とする政府の閣議決定に基づく同県告示が出された日だ。歴史的にも法的にも明らかに日本固有の領土でありながら、戦後、独立した韓国の李承晩政権が昭和27(1952)年、竹島(韓国名・独島)を韓国領とする「李ライン」を一方的に設定した。それ以降、韓国が不法占拠を続けている。

 領土問題は島根県だけで解決できる問題ではない。国が先頭に立って取り組むべき課題だ。同県によれば、毎年、外相と農水相に招待状を出しているが、一度も出席していないという。大臣の出席が難しいのなら、副大臣か政務官が出席すべきではないか。

 最近の日本政府の韓国に対する及び腰の対応も問題である。

 平成20年7月、文部科学省は竹島を初めて領土問題として盛り込んだ中学社会科の新学習指導要領解説書を発表した。しかし、当初方針の「我が国固有の領土」と領有権を明記する表現は見送られ、韓国に配慮した表現に後退していた。福田康夫内閣(当時)で内容を調整した結果だった。

 それでも韓国は納得せず、駐日韓国大使を一時帰国させるなどの強硬措置を取った。

 昨年暮れ、政権交代した鳩山由紀夫内閣の下で発表された高校の指導要領解説書は領土問題について、「竹島」とも明記せず、さらに表現が後退した。

 その結果、韓国の対応は軟化し、駐韓日本大使を呼んで遺憾と憂慮の意を表明するにとどまったが、韓国への過度の配慮は国益と主権を損なうものである。

 韓国の過剰な反応に比べ、日本の対応はほとんど目立たない。

 昨年2月、韓国国防省が発表した国防白書の表紙に、韓国が不法占拠を続ける竹島の写真が初めて使われた。これに対し、日本は駐日韓国大使館の参事官を外務省に呼んで抗議したものの、それを発表していない。「韓国世論を刺激してはいけない」(駐韓日本大使館筋)との理由からだ。

 だが、外交ルートの抗議は、内外にはっきり分かる形で示さなければ意味がない。日本は竹島が日本領であることを、もっと明確に国際社会に発信すべきである。

http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100222/plc1002220249000-n1.htm





広がる「竹島」授業/小中学校9割超で実施
2010年02月22日
竹島についての授業で、地図上の竹島の位置を指さす児童=松江市西川津町の市立川津小

◆明日「竹島の日」/歴史認識・国際協調、バランスに苦心◆

 日韓両国が領有権を主張する竹島(韓国名・独島)について授業で取り上げる動きが、県内の小中学校で広がっている。県教委は昨年5月、竹島に関する副教材のDVDと指導案を独自に作成し、公立小中学校の9割が今年度、活用する見通しだ。22日に迎える5回目の「竹島の日」を前に、現状を追った。(玉置太郎)

 「3日後の22日は何の日か知っていますか」。19日、松江市立川津小であった5年生の社会科授業の冒頭、石川和代教諭(51)が尋ねると、約40人の児童らは顔を見合わせ、首をかしげた。

 地図帳を開き、各自が竹島の位置を探す。県教委が配布した副教材のDVDを上映し、竹島でアシカ猟が盛んだった時代の写真や、アワビ漁の経験がある漁師のインタビュー映像を見た。石川教諭は「今、竹島で漁ができなくなっているのはなぜでしょう」と問いかけ、歴史的経緯や韓国が警備隊を置いて実効支配している現状を説明。児童らは「どうして日本はそのままにしているのだろう」「韓国と話し合って、二つの国のものにすればいい」など、様々な意見を発表していた。

 同校は副教材の配布を受け、今年初めて5年生の1コマを使って竹島を取り上げた。担任教諭3人が話し合い、韓国への敵対心だけが強調されないよう、以前児童と交流した市国際交流員の母国であることにも授業で触れた。石川教諭は「歴史認識と国際協調をバランスよく伝えることに注意した。子どもたちが竹島について何も知らない真っさらな状態だからこそ、どう教えるかが重要になると実感しました」と話す。

      ◆

 県教委は今年1月、県内の全公立小学校251校、同中学校104校にアンケートし、竹島に関する学習を今年度実施したかどうかを調べた。「複式学級のため今年度は行わない」と回答した小学校17校を除く全小学校(93%)とすべての中学校が、「行った」「行う予定」と回答した。2006年度のアンケートでは、実施したと答えた小学校は56%だったが、07年度69%、08年度79%と年々増え、中学校は06年度以降、90%台で推移している。

 また、副教材のDVDは小中学校のそれぞれ91%が「活用」と回答。今月12日には副教材を使った指導方法を考える研究授業が安来市で開かれ、教育関係者約50人が参加した。県教委義務教育課の板倉富士夫指導主事は「全国に先駆けて竹島学習に対する教員の認知が広がっている」と評価する。

 全国の中学校でも12年春から、授業で竹島について取り扱う動きが広がる見通しだ。文部科学省が08年7月に公表した中学社会科の新学習指導要領の解説書に「我が国と韓国の間に竹島をめぐって主張に相違があることなどにも触れ、北方領土と同様に我が国の領土・領域について理解を深めさせることも必要」と、初めて「竹島」の文言を盛り込んだためだ。

 しかし、これに対する韓国側の反発は大きく、公表後、自治体や民間の交流事業で中止や延期が相次いだ。昨年末、同省が公表した高校地理歴史科の新指導要領解説書は「竹島」とは明記せず、「中学校における学習を踏まえ」という表現にとどめた。

      ◆

 日本政府が主張する竹島の住所は「隠岐の島町竹島官有無番地」。地元の同町教委は07年に作成した小中学校向けの副教材「ふるさと隠岐」に、竹島をめぐる日韓の歴史や、竹島に出漁した島民の証言などを9ページにわたって盛り込んだ。

 編集委員長を務めた町立布施中の常角敏教頭(51)は「隠岐の子どもたちにとって、竹島問題は郷土史の一部でもある」と話す。担当する社会科の授業では、江戸時代の水産業の発達や敗戦後の領土問題など、さまざまな場面で副教材を開かせ、竹島とのかかわりを説明する。

 「複雑な領土問題だからこそ、事実を子どもたちに示し、どうすれば解決できるかを学習のなかで問いかけていくことが必要です」。常角教頭は竹島の日、県など主催の記念行事で国会議員ら4人とともにパネル討論に臨み、そう訴えるつもりだ。

◎キーワード◎

 竹島の日 1905年2月22日、政府の決定を受けた県が竹島の帰属告示を出して100年になるのを記念し、05年3月、県条例で定めた。県は毎年2月22日に合わせ、研究者や国会議員らを招いた記念行事を開いている。

http://mytown.asahi.com/shimane/news.php?k_id=33000001002220001









【ゲンダイ】生活保護は「働けるけど働きたくない」甘えを増長させる制度-田中康夫
http://tsushima.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1266300990/-100

【田中康夫 にっぽん改国】
2010年2月10日 掲載
英国も真っ青な“ゆりかごから墓場まで”

「生活保護世帯」は平成20年度段階で全国に114万8766世帯も存在します。前年比3.9%増。総世帯数の2.39%に当たり、平成4年度以降、増加の一途です。
 取り分け、過去1年半の間に急増し、大阪市では昨年10月に被保護世帯数10万823世帯。被保護人員13万4910人に達しています。
 僕の選出選挙区に当たる尼崎市でも、平成19年4月の9095世帯、1万2776人が平成21年10月には1万823世帯、1万4910人。2割も増加し、ニャンと20軒に1軒が生活保護世帯。
 職員85人をケースワーカーとして配属する尼崎市では、1人が127所帯も担当する状況です。一旦、受給開始した世帯が生活保護廃止に至る比率は毎年、全体の1割程度に留まるからです。
 而(しか)も、大半は死亡に伴う保護廃止。収入増を理由に生活保護から“脱却”する世帯は、尼崎でも全国でも10%前後なのです。何故でしょう? 「働きたくても働けない」改め「働けるけど働きたくない」甘えを増長させる、至れり尽くせりな厚遇福祉制度だからです。
 モデルケースとして厚生労働省が示す夫33歳・妻29歳・娘4歳の世帯に適用される月間生活扶助基準額は16万2170円。20~30代の単身者でも月額8万3700円。そこに住宅扶助も加算されます。更に、医療費は全額無料。子供の学用品、学級費、給食費、交通費も扶助対象。出産扶助、葬祭扶助も用意されています。これぞ正しく、イギリスも真っ青な“揺り籠から墓場まで”。更には、生業扶助と称して、自動車運転免許の取得費用も全額国庫負担の摩訶不思議振りです。
 他方で日本では現在、年間所得が100万~200万円に留まる世帯が全体の12.6%。200万~300万円が12.8%を占めています。詰まりは、「働いても一向に苦しい」勤労者よりも恵まれた不労所得環境が、厳然と存在するのです。
 にも拘(かかわ)らず、財政難に直面する全国の自治体から悲鳴の大合唱が生まれないのは、どうしてでしょう? 答えは簡単。尼崎市に於(お)いては年間270億円に上る生活保護扶助費の95%は、交付税措置も含めて国庫負担。危機感は生まれません。
 加えて、与野党を問わず大半の既存政党にとっても、生活保護世帯の善男善女は有り難き票田。斯(か)くて、良心的な福祉事務所職員は、次年度も生活保護世帯認定を迫る有形無形な力の狭間で、苦悩しているのです。
【田中康夫】
ゲンダイネット
http://gendai.net/?m=view&g=syakai&c=020&no=44612

外国人の生活保護世帯急増、登録外でも37自治体が対象に










社説:五輪メダル獲得 中韓から謙虚に学ぼう

 「やった!」の声が日本中から沸き上がったことだろう。バンクーバー冬季五輪第4日、スピードスケート男子五百メートルで長島圭一郎選手が銀メダル、加藤条治選手が銅メダルを獲得した。今大会待望の日本初メダルである。
 4年前のトリノ五輪で日本は5種目で4位だった。今大会もフリースタイルスキーの上村愛子選手が惜しくも4位に終わり、4年前の悪夢の再現を予感したファンも多かっただろう。あと一歩でメダルを逃す不運の連鎖をひとまず断ち切った。
 男子五百メートルは84年のサラエボ五輪以降6大会連続で日本がメダルを守り続けた種目だが、トリノ五輪では及川佑選手が0秒13差でメダルを逃した。今回、金メダルには届かなかったものの「お家芸復活」の手応えを感じさせてくれた。
 韓国と日本でメダルを独占した男子五百メートルに加え、同じ日のフィギュアスケート・ペアでは中国組が金、銀メダルに輝いた。
 今回の日本のメダル獲得を「アジア」の視点で考えてみよう。
 かつて冬季五輪はアジアでは日本の独壇場だった。80年代後半、日本はアジア各国に冬季競技を広めることに力を注いだ。その象徴が冬季アジア大会の開催だ。86年に第1回大会、4年後に第2回大会をいずれも札幌で開催した。
 当時、日本は2度目の冬季五輪招致を目指しており、アジアの票集めという打算的な動機もあった。しかも日本のトップ選手は不参加。国旗・国歌の間違いなどトラブルも続出し、巨額の借金ばかりを残す大会だったが、中国や韓国の競技関係者に与えた影響は小さくなかった。
 数字が如実に示している。第2回大会の2年後に開かれたアルベールビル五輪で中国、韓国はともに冬季五輪史上初のメダルを獲得した。
 日本の「得意種目」を奪われる結果にもなった。その典型がアルベールビル五輪で正式種目に採用されたスピードスケート・ショートトラックだ。韓国は金2、銅1のメダルに輝き、メダル量産を狙った日本は銅メダル1個にとどまった。
 すでに冬季五輪全体での実績も逆転している。トリノ大会まで日本が冬季五輪で獲得したメダルは32個だが、中国は33個、韓国は31個のメダルを獲得しており、今大会中に日本は韓国にも追い抜かれそうだ。
 今回、日本のショートトラックチームは韓国からコーチを招いた。「後輩」であっても学ぶべきは謙虚に学ぼうという姿勢の表れだ。冬季競技に限らず身近なアジアのライバルと競い合う中で、アジア全体のレベルを上げていくことがいま、日本スポーツ界に求められている。

社説:五輪メダル獲得 中韓から謙虚に学ぼう - 毎日jp(毎日新聞)
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20100217k0000m070121000c.html










大日印、中国に液晶カラーフィルターの技術供与-凸版は製造設備売却
掲載日 2010年02月18日

 印刷大手2社が液晶パネル製造に関する技術・設備を中国企業に供与する。大日本印刷は中国の液晶パネル大手の京東方科技集団(BOE)に大型液晶カラーフィルターの製造技術を供与する。凸版印刷はシャープが生産協力する南京中電熊猫液晶顕示科技に第6世代(1・5×1・8メートル)カラーフィルター製造設備を売却する。中国は液晶テレビ市場拡大とともに地元パネルメーカーの台頭や韓国・台湾勢の進出で、液晶パネル工場の新設が相次ぐ。世界のカラーフィルター外販市場を二分する2社の動きはほかの液晶部材メーカーの中国戦略にも影響しそうだ。
 大日本印刷はBOEと第8・5世代(2・2×2・5メートル)などの液晶パネル製造技術を供与し、製造を許諾する契約を結んだ。技術者の現地派遣や日本での受け入れ教育、材料供給などを行うと見られる。

http://www.nikkan.co.jp/news/nkx0320100218aaaa.html










タミフル量産、東大と中国企業が共同研究

 東京大学と中国の化学企業が、インフルエンザ治療薬タミフルを安く大量に生産する技術の確立を目指し、共同研究を始めた。

 タミフルは、香辛料の八角に含まれるシキミ酸を原料に作られているが、大量製造には限界がある。東大の柴崎正勝教授らは昨年2月、石油を原料にした新合成法を発表。技術に注目した中国の北京オデッセイ化学が、技術提供を求めた。

 同社の大平原孝・副社長によれば、人口13億人の中国でタミフルの流通量は少なく、強毒性インフルエンザが大流行すれば、不足は必至。治療薬の自国製造を急ぐ中国政府の科学技術部が、提携を強く後押しした。1月から、同社の技術者が東大で製造法を学んでおり、今年中に工業化のめどをつける見通し。

 タミフルの特許は、スイスのロシュ社が所有しており、中国でも成立している。だが、中国政府は昨年、改正特許法を施行。国民の健康を守る必要がある場合、特許を停止し、医薬品を製造できる「強制実施権」を盛り込んだ。

 柴崎教授は「感染症に国境はない。中国で治療薬を供給することは、日本への感染拡大を防ぐ効果もある」と話している。 

(2010年2月21日12時35分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20100220-OYT1T01262.htm











所得20億円申告漏れ クレディ・スイス社員100人
2010年2月19日3時5分

 スイスの金融大手の日本法人「クレディ・スイス(CS)証券」(東京都港区)の社員ら100人超が、親会社から与えられたストックオプション(SO、自社株購入権)で得た所得計約20億円の申告漏れを東京国税局などから指摘されていたことが分かった。社員の大半は、日本の国税当局が所得を把握しにくい海外の口座で自社株を取得し、運用していたという。

 CSの年次報告書やCS関係者の話などを総合すると、世界各国にある系列会社の社員は、親会社からSOを与えられている。日本法人のCS証券の社員の多くは、CS株が上場されているスイスや米国にある証券会社の取引口座でSOを使ってCS株を取得していたという。このうち100人を超える社員はその権利を使い、2007年ごろまでにスイスなどでCS株を取得したにもかかわらず、日本の国税当局に給与所得として申告していなかった。中には、市場で株を売却した際の利益や株保有中の配当を得たのに、無申告だった社員もいたという。追徴税額は総額で約8億円に上り、大半は修正申告したとみられる。

 海外の口座は、国税当局の調査権限が及ばず、所得を把握することが困難なため、税逃れにつながりやすい状態にあるという。

 大半の社員は数千万円の申告漏れだったが、朝日新聞の調べでは少なくとも3人の社員がそれぞれ1億円超の申告漏れ額になっていた。

 3人のうち2億円超の申告漏れを指摘された元中堅社員(44)は「仕事に忙殺されて、株を口座に入れたままにしていた。税務申告の義務があることは社内で周知徹底されていなかったと思う」と弁明している。

 CS証券は「個人の申告に関することでコメントできないが、当社としては適切に申告するよう指導している」と答えている。だが、社員数700人前後のCS証券で、その約15%の社員が高額の所得を得ながら税務申告を怠っていたことになり、外資系企業側のコンプライアンス(法令順守)体制のあり方も問題になる可能性がある。

 SOをめぐっては、08年に米パソコン大手ヒューレット・パッカードと米ソフトウエア大手アドビシステムズの各日本法人の元代表取締役2人が、SOで得た所得を隠したとして国税当局に所得税法違反容疑で告発された(いずれも有罪判決が確定)。(舟橋宏太、中村信義)

http://www.asahi.com/national/update/0219/TKY201002180553.html










トヨタたたき やりすぎ 安全問題と無関係 米政府・議会に批判の声
2010.2.24 05:00

 米国でトヨタ自動車の大規模リコール(回収・無償修理)問題をめぐる一連の議会公聴会が23日(日本時間24日未明)に始まり、トヨタたたきの動きが本格化するなか、米政府や議会の姿勢に疑問を呈する声が上がっている。保守系メディアを中心に、トヨタの責任を厳しく追及する強硬姿勢の背景には、メーカー間の利害対立や選挙対策など、安全問題とは無関係の政治的思惑が働いているとの主張が出ており、リコール問題への関心の高まりとともに、議論は白熱しそうだ。

 ◆「ギャングまがい」

 首都ワシントンで読まれている無料の保守系日刊紙ワシントン・イグザミナーの社説は「ギャングまがいの米政府が、トヨタに狙いをつけている」との衝撃的な見出しを掲げた。また保守系のオピニオン・リーダーとして知られるラッシュ・リンボー氏も自身のラジオ番組で「ラフード米運輸長官はゼネラル・モーターズ(GM)とクライスラーのブランドマネジャーのよう。トヨタたたきに躍起になっている」と訴えた。

 これらの批判の根拠は、米政府がトヨタと競合するGM、クライスラーの株主であるという事実にある。トヨタの工場を抱えるインディアナ州のダニエルズ知事(共和党)は「望ましい状況とはいえない。政府が関係の深いメーカーのライバルを狙い撃ちにしているとの印象を強く抱かせる」と指摘した。

 これに対し規制当局では、米政府とGM、クライスラーとの関係がリコール問題の調査に影響を及ぼすことはないと反論している。運輸省の広報担当者は「重要なのはあくまで自動車の安全性。あらゆる決定は、メーカーに関係なく、得られたデータを基に下される」と説明。調査が利益相反を引き起こす可能性を否定した。同氏は、運輸省が行った44件の公開調査のうち、39件がトヨタ以外のメーカーに対するものだったことにも言及し、当局の中立性を強調している。

プリンストン大学で歴史学と政府系機関の政策を研究しているジュリアン・ゼライザー教授も、米政府が国内メーカーの利益を優先させることはないとみている。同教授は「政府がGM株を買い上げたのは国内経済を支えるためであり、株主として恩恵を受けたかったわけではない。米国にもトヨタとかかわりのある人は多いのだから、政府としてもトヨタには健全でいてもらわなければ困るはずだ」と分析した。

 ◆「魔女狩りレベル」

 しかし、トヨタを擁護する側の疑念は消えていない。現在トヨタが生産を停止している工場のあるケンタッキー州スコット郡の幹部ジョージ・ラスビー氏は、不具合を引き起こしたメーカーに対し、過去の政府はもっと控えめな対応をとっていたと主張。「突如としてトヨタへの風当たりが強まった。これ以上危険なものは他にないとでもいうように」と不信感を隠さない。インディアナ州のダニエルズ知事も「魔女狩りと言っていいレベル」と話す。

 24日の米下院監督・政府改革委員会では、豊田章男社長が出席し、リコール問題について説明するのに続き3月2日には上院委員会での公聴会が行われる。米メーカーとの利害がリコールの調査に影響を及ぼす可能性についてトヨタの広報担当者は「目前の公聴会に集中している」と述べるにとどめた。(ブルームバーグ John Hughes、Theo Francis)

http://www.sankeibiz.jp/business/news/100224/bsa1002240506007-n1.htm

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