『夜間飛行』

また靴を履いて出かけるのは何故だろう
未開の地なんて、もう何処にもないのに

イニュニック〔生命〕-アラスカの原野を旅する-

2008-04-13 | Books(本):愛すべき活字


『イニュニック〔生命〕-アラスカの原野を旅する-』
星野 道夫
1998年新潮文庫
1993年新潮社・単行本


星野道夫の『ノーザンライツ』(97年刊。遺作となった)は、俺にとって、人生の10冊に入る本なのだ。


この『イニュニック』も当然のように素敵だ。

星野道夫の本は、100人読者がいれば100人がそれぞれ、好きな場面として違うページを挙げる。

全部が名文だからだろう。

この本で言えば、俺は、Ⅲ章「カリブーの夏、海に帰るもの」で語られるアラスカ発見史のエピソードが大好きだ。


++++

1732年、ロシア政府は、ベーリングとチリコフに対しアメリカ発見を命じていた。

ベーリングの第一次探検により、カムチャッカの彼方に新大陸があると判断していたのである。

1741年、ベーリングはセントピョートル号を、チリコフはセントポール号を指揮して出発するが、濃霧のため、アリューシャン沖で両船ははぐれてしまう。

二人は二度と会うことがなかった。

ベーリングはその後、氷に覆われた高峰セント・エライアス山を海上から発見するが、食料不足のため帰途につく。

そして、現在ベーリング島と名づけられている島までたどりつき、越冬を決心するが、病のためここで生涯を終えた。

隊員77名中、31名が死亡し、残った隊員は浅瀬に打ち上げられた船を解体して小型船をつくり、翌年オホーツクへ帰った。

一方、ベーリングとはぐれたチリコフは7月15日、南東アラスカの、現在のベーカー島を発見する。

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むーん、また読みたくなってきた。

この後に続く、チリコフの当時の日誌がまた良いんですよ。


人生に時間がもっとあれば良いのに。

そしたら、好きな本を幾らでも読んでいられるのに。

そういえば、ユリイカの2003年12月号が星野道夫特集だった。

今度ゲットしようじゃないか。


■星野道夫の本のこと
イニュニック[生命] (新潮社 1993年)
旅をする木 (文芸春秋 1994年)
『長い旅の途上』(1999年)

<お買い物は尼孫>

イニュニック 生命―アラスカの原野を旅する (新潮文庫)
星野 道夫
新潮社

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