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『イニュニック〔生命〕-アラスカの原野を旅する-』
星野 道夫
1998年新潮文庫
1993年新潮社・単行本
星野道夫の『ノーザンライツ』(97年刊。遺作となった)は、俺にとって、人生の10冊に入る本なのだ。
この『イニュニック』も当然のように素敵だ。
星野道夫の本は、100人読者がいれば100人がそれぞれ、好きな場面として違うページを挙げる。
全部が名文だからだろう。
この本で言えば、俺は、Ⅲ章「カリブーの夏、海に帰るもの」で語られるアラスカ発見史のエピソードが大好きだ。
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1732年、ロシア政府は、ベーリングとチリコフに対しアメリカ発見を命じていた。
ベーリングの第一次探検により、カムチャッカの彼方に新大陸があると判断していたのである。
1741年、ベーリングはセントピョートル号を、チリコフはセントポール号を指揮して出発するが、濃霧のため、アリューシャン沖で両船ははぐれてしまう。
二人は二度と会うことがなかった。
ベーリングはその後、氷に覆われた高峰セント・エライアス山を海上から発見するが、食料不足のため帰途につく。
そして、現在ベーリング島と名づけられている島までたどりつき、越冬を決心するが、病のためここで生涯を終えた。
隊員77名中、31名が死亡し、残った隊員は浅瀬に打ち上げられた船を解体して小型船をつくり、翌年オホーツクへ帰った。
一方、ベーリングとはぐれたチリコフは7月15日、南東アラスカの、現在のベーカー島を発見する。
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むーん、また読みたくなってきた。
この後に続く、チリコフの当時の日誌がまた良いんですよ。
人生に時間がもっとあれば良いのに。
そしたら、好きな本を幾らでも読んでいられるのに。
そういえば、ユリイカの2003年12月号が星野道夫特集だった。
今度ゲットしようじゃないか。
■星野道夫の本のこと
・イニュニック[生命] (新潮社 1993年)
・旅をする木 (文芸春秋 1994年)
・『長い旅の途上』(1999年)
<お買い物は尼孫>
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イニュニック 生命―アラスカの原野を旅する (新潮文庫) |
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