政治経済について考えるブログ

政治や経済というのはとっつきにくくて、わかりにくいんですが、国民の無知に
政治家や官僚はつけ込んできます。ご用心を。

物価は最も重要な経済指標

2014-11-16 15:31:59 | 経済
日銀は物価の安定を最も重視している。失業率でもなく、企業の倒産件数でもない。

それほど物価は重要な経済指標と言える。健康診断で言えば体温にあたるかもしれない。

病院に行けば、血液検査よりもまず体温や脈をみるだろう。それほど大切な指標なのだ。

物価は買う人と売る人の妥協点とも言える。オークションで言えば落札価格がそれに

なる。もし、落札者がいなければ、値段を下げて再出品することになるだろうし、

入札が活発に行われれば値段は上がっていく。これは一般の経済でも同様のメカニズムが

働いていて、値段があがっているときは、良く売れているときで、下がっているときは

あまり売れていないことを意味する。

日本は長く物価が下がり続けており、これは経済が不調であることとも一致する。

不景気の正体の所でも書いたが、不景気というのはそもそもお金が遣われないという

ところに端を発する。少子化や企業の海外移転、貿易赤字など、色々と原因は巷で囁かれている

ものの、全て2次的なものであって、不景気の本質はお金のめぐりの悪さというところにある。

そういう意味で、日本国内での消費や投資の不調(不景気)と物価の下落という現象は理屈にかなって

いる。

ここにGDPトップ10の表がある。



<世界経済のネタ帳>より

ブラジル、ロシア、インド以外の国は物価が低くて問題になっている。消費や投資が下火になってい

るということだ。このトップ10で世界経済の6割程度を占めるので、世界的に景気が悪いといえるだろう。

では、ブラジルやロシアは景気が良いかというと、そうでもない。

物価が高いのは輸入物価が高いためだ。ブラジルはレアル、ロシアはルーブル、インドはルピーというように

独自に通貨を発行しているのだが、それらがドルとの交換比率が下がって、輸入物価が上昇している。

ロシアの場合は特にウクライナ問題などがあって、海外の投資が本国にお金を引き上げた影響などがあった

らしい。ロシア国内ではルーブルで投資する必要があるのだが、ウクライナ問題などの有事がおきると

安全のために、ドルやユーロといった自国の通貨に交換して引き上げる動きが出る。

今年始めは1ドル35ルーブルくらいだったのが11月現在で47ルーブルまでルーブル安になっている。

このために輸入物価が上がり、インフレになっている。ロシアは天然ガスや石油を輸出しており、

輸出産業にとってはいいが、内需が冷え込んでいるらしい。

注意が必要なのは、好景気は物価が上がるものだが、物価が上がれば好景気というわけではないことだ。

いい物価上昇と悪い物価上昇がある。逆に物価の下落は悪い下落しか無いのだ。


<まとめ>物価はどのくらい経済が活発かということを表わしている。

グローバル化は良いことなのか?

2014-11-14 06:51:04 | 経済
グローバル化とは人、物、お金が国境を越えて自由に行き来することを言う。

外国に行くためにはパスポートが必要で、長期で働くには更に手続きが必要になる。

物も関税をかけて自由に行き来出来ないようになっている。品物によっては数量を規制されたり、全く持ち込めないものもある。

お金は自由に行き来できるものの、為替によってリスクを伴う。

このように、現状では国単位でそれぞれに壁のようなものがあり、自由に往来しているわけではない。

この壁をなるべく低くして、あるいは無くしてしまうのが、グローバル化だ。

TPPといった自由貿易や移民の受け入れはグローバル化の一部になる。

おかしな言い方だが、日本国内は完全にグローバル化している。

県境を越えるのにパスポートは要らないし、物が行き来するのに関税もかからず、お金も円で統一されている。

もし、昔のように関所があって、関所を通るたびに、どこどこの誰々でお伊勢参りに参りますなどと役人に

言わなければならないとしたら、観光産業は大打撃だ。

また、他県に輸出するときに関税がかかるとしたら、県内だけで商売を考えたり、経済発展はままならないだろう。

このように、日本国内はグローバル化されているからこそ、経済が発展してきた。

それを国境を越えてやるのがグローバル化だ。ここまで聞くと良いことのよう思えるかもしれない。

しかし、今の日本が抱える問題の一つに東京への一極集中がある。人、物、金が東京に集まり過ぎて

いるのだ。自由に往来出来る半面、偏りが生じている。

企業が集中して経済が活発な地域は、地方行政も単独で十分な税収が確保できるが、全国的にはそうでない地域の方が多い。

そのため地方交付税など国から地方へお金を渡すことで地域間格差を是正している。それでも夕張など

地方行政がうまくいかずに破綻するところもある。

もし、TPPやそれに続く新しい自由貿易や移民の受け入れ等が進めば、地球規模での経済発展はするかも

しれないが、その反面衰退する国や、過剰に人が集まる国が出てくるだろう。もし、そうなったときに

地方交付金のようなお金を繁栄する国から衰退する国へ渡すだろうか?

経済的なグローバル化は可能かもしれないが、政治的にグローバル化するのは非常に難しい。

日本国内は政治的に一体化されているからこそ経済のグローバル化もうまくいった。

地方を管理する国家があるように、国家を管理するさらに上の存在が無い以上、国家間の格差を是正する機能は働かない。

ここにグローバル化の問題点がある。

不景気の正体2

2014-11-08 07:14:32 | 経済
前回、不景気とはお金のめぐりが悪いことだという話をした。

不景気の原因として少子化や輸出の不調など、様々なことが言われるが、全て二次的な問題と言える。

少子化がお金の循環に影響を及ぼすことがあっても、少子化が即不景気の原因ということにはならない。

お金のめぐりの良し悪しこそが、景気の本質だからだ。日本人が全員倹約家なら、景気にとってはかなり厳しいことになる。

そして、銀行に溜まった預金をいかに動かすかが景気回復のポイントという話だった。

不景気のなか企業に設備投資を期待するのは難しいのなら、政府が借りて遣っても同様の効果が期待できる。

いわゆる財政出動だ。財政出動して公的資本である道路や橋、河川の治水、港湾、空港、といった工事を

行うことで民間企業が設備投資を行うのと同様の効果が期待できる。

ここで、無駄な公共事業というフレーズを聞くことがある。道路や橋はもう要らないのではないかとい

うことだ。しかし、車で道路を走っているときに渋滞を経験したことが無い人はいないのではないだろうか。

交通渋滞は交通量に対して、それを処理する道路の能力が不足するときに起きる。

交通量が多ければ車線を増やしたり、右折車両用のレーンを増幅するといったことも必要になる。

歩行者や自転車が安全にするための専用レーンや、歩道の確保といったこともまだまだ始まったばかりだ。

意外に田舎の方が歩道などはきちんとしているが、都市部や商業地域の歩行者や自転車の

道路環境はあまり良いとは言いがたいので、都市再開発とともに見直していかなければならない。

古くなって消えかかったラインの引き直しから始まり、地下に埋められたインフラの整備に伴って掘り起こされて

ガタガタになった路面の改修といったメンテナンスも必要になる。

日本の自動車産業があるのも、舗装された道路があってのことだ。

60年前の日本は土の道ばかりで非常にパンクが多かった。海外では今でもそういう道路の方が多いので、

そういった地域ではランクルかパジェロで移動する必要がある。そのような地域で

レクサスを売ろうとしても売れないだろう。ローダウンしたエルグランドなどもってのほかだ。

いずれにせよ自動車と舗装された道路はセットなのだ。道路に限らず上下水道、電気、などのインフラは

経済活動にとってなくてはならない。発展途上国はインフラが整備できていないが、そうであるが

ゆえに途上国であるということもできる。ここにお金をかけてかけ過ぎということは無い。

福岡には板付空港があるが、市内に近いため天神界隈のビルの高さが低く規制されている。

それこそちょっとでも操縦を間違ったら、渡辺通りに胴体着陸しかねないほど低空で飛んでいる。

位置的には博多の真横にあるといってよく、空港と市内の繁華街が近すぎるように思われる。

個人的には空港を遠くに移動させて市内とリニアで結んで、市内のビルの容積率を上げれば更なる発展ができると考える。

空港のために市内の経済発展が妨げられているとしたら本末転倒で、市内を経済発展させてそこから上がった

税収で空港を作れば良いのだ。市内の安全と経済発展を同時に実現できる。また、九州初のリニアというおまけ

があるのもおもしろい。

福岡空港はたとえなので、戯言なのだが方向性としては日本国内で誰かがお金を遣うことが必要となる。

現状、企業や個人には借りてまで遣う活力が不足しているので、政府の登場ということになる。

政府は銀行からお金を借りて遣う財政赤字を拡大させるべきで、不景気のときは減税や財政出動をして

経済を暖めることが必要なのだ。

不景気の正体

2014-11-05 14:45:15 | 経済
誰しも貯金をするものだが、年収の一部を貯金にまわすと翌年に使うお金が少なくなる。

将来のことを考えて貯金をするのは好いことだが、経済全体ではマイナスの作用を及ぼす。

金遣いは荒い方が経済は潤う。日本国民が宵越しの金はもたない江戸っ子になれば、一夜にして

景気が回復するのだ。飲食代に使えば飲食店は儲かり、仕入れ先も儲かるという具合にお金が

どんどん回りだす。しかし、そうそう貯金がゼロになる不安に耐えられる人はいないだろう。

一般的に若い人よりも高齢者のほうが貯金は沢山もっているものだし、貯金がゼロになって

死ぬ人もそうはいない。

実は日本の不景気の正体はこのお金の流れの悪さにある。

銀行に溜まったお金をどうにかして遣えば、日本の景気は間違いなく回復する。

不景気なのは少子化、財政赤字、貿字赤字、アメリカ経済、中国の躍進、ウクライナ情勢、

スマホ高額買い取り、若者の○○離れ、脱原発、今思いついたことを書いたが、まちがいとは言わな

いが全て二次的な問題だ。

人口減が不景気の原因の一因になっていると言えなくもない。しかし、銀行の口座のお金が

動いていないというのは、まさに不景気の正体そのものなのだ。

人口減が景気に及ぼす影響を考えるとしたら、「人口減はどう銀行預金に影響を及ぼしている

のだろうか?」と考えるべきだろう。

といっても景気が良い時期というのはみんなが貯金をガンガン切り崩しているというわけではなく、

この個人の預貯金を銀行が貸し出して、企業が設備投資に使ったり、個人が住宅ローンを

組んだりして遣っている。貯金した本人が遣わないなら、本人以外の他人が代わりに遣おうと

いうことだ。しかも、貸しているからといって、銀行で引き出せないことも無い。

貸し出した100万円ともともと預金者のものであった100万円を同時に遣うことができる。

このことを信用創造という。もともとは100万円しかないのに200万円分、世の中でウロウロ

しているというわけだ。又貸ししている上に、もとの持ち主がお金を引き出しにきたら銀行も顔色悪く

なりそうなものだが、そうそういっぺんに全ての預金者がおろしに来ることもないので、仕組みとして

成立している。それでも全員がいっぺんにおろしたらどうするのか?というと、そのときは日銀が

お金を貸してくれるので、対処することができる。日銀は銀行の銀行であり、金融機関の安定を

目的としているからだ。

もともとは企業が一番お金を借りてくれるお得意さんだった。しかし、おりからの不況でものが売れない

ので設備投資も抑え気味になっており、設備投資を抑えるから不景気でものが売れないという悪循環

になっている。

会社の経営者の考えはこうだ。

「ものがガンガン売れる。このままでは受注に追いつかない。投資しないと」

目前にまで投資の必要性が迫らないと投資は行われない。つまり、景気ありきで投資が後からついてくる

ということだ。

消費税増税9

2014-11-03 08:38:07 | 経済
1000兆円を超える財政赤字があるので、消費増税も仕方が無いという説がある。

しかし、その政府の借金は誰に借りたものかご存知だろうか?

アメリカではなく日本国民に借りたものだ。日本国民に借りたお金を返すのに日本国民から税金を

取るというナンセンスな話だ。何が悲しくて自分が貸した金を返すのに、税金をとられなければ

ならないのだろうか。 増税をすると一番困るのは景気が悪くなることだ。

景気がいいときは増税して景気を冷ますくらいでいいのだが、景気が悪いときに 増税をすると更に

景気が悪化する。では、景気がいいとはどういうこと だろうか。

一言で言うとGDPが順調に伸びているか?ということになる。

売り上げから仕入原価やその他のコストを引いたものが 付加価値になる。

60円で仕入れて100円で売ったら40円の付加価値をその店はつけたことになる。

お客さんが入りやすいように店舗を整えたり、卸屋さんから運送してきて商品を並べた

りといったものが付加価値だ。1年間で日本国内で生産された付加価値の合計が GDPになる。

この店の場合は40円がGDPにカウントされることになる。

2013年のGDPは478兆円だったのだが、1997年は523兆円もあった。

16年前のほうがより多くの付加価値をつけていたことになる。

では、その更に16年前である81年はどうだっただろうか。

1981年のGDPは264兆円なのだ。実に97年までに2倍近い成長を遂げている。

一方、97年から13年までは減ってしまっている。

バブル崩壊後の失われた20年 というのはそういう意味なのだ。

経済規模がここ20年ほど若干縮小してしまっている。



過去、日本のGDPで最高は97年の523兆円なのだが、実はこの年に消費税が3%から5%に引き上げられた年でもある。

また、この年から自殺者数が2万人台だったものが、3万人台に跳ね上がってしまった。

このことは何を意味するのだろうか。

しかも、肝心要の税収自体が減ってしまっている。

それも当然の話で、GDP自体が下がり気味なのだから、税率を上げたからと言って、税収が上がるとは限らない。

むしろ、税率を上げたことによる経済への悪影響で、GDPが頭打ちになったと言える。

橋本総理が増税を決定したのだが、生前その後の経済状況を見て後悔していたらしい。