"ちょっと外から見た日本"

今、スペインに住んでいます。
大好きな日本のこと、
外からの視点で触れて見たいと思います。

“自分を空っぽにすると新しい水が入ってくるということ”

2011-12-13 04:30:29 | 日記

致知出版社の「人間力メルマガ」よりです。

(転載開始)
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     致知出版社の「人間力メルマガ」

                【2011/12/7】 致知出版社編集部 発行
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   このメールマガジンでは、
   月刊誌『致知』より
   皆さまの人間力を高めるエピソードを
   厳選してご紹介しています。

       * *

   本日は、繊細なタッチで自然の中に存在する
   生命の姿を描き出し、93歳の現在も精力的な
   活動を続けておられる日本画家・堀文子さんの
   お話をご紹介します。


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        「93歳現役画家の流儀」
      
       
            堀文子(日本画家) 
        
            『致知』2012年1月号
             特集「生涯修業」より
      

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【記者:堀さんの絵が世間で評価され始めたのはいつ頃からですか】


評価されたかは知りませんが、女子美術専門学校を出てからまもなく、
出品した絵が賞を受けて騒がれた時期もありました。

その時に、自分が若い女だから騒ぐので、
こんな言葉に乗っていたら大変だ。
ある時期を過ぎたら誰も振り向かなくなる
という自覚がありました。

大抵は若い時ちやほやされて、ダメにされるんです。

自分を堕落させるのもよくするのも自分なんだ、
と考えていますから。

誰かにすがっていたら、その人の言うなりじゃないですか。
人それぞれ姿形が違うように、運命も皆違うのですから、
誰もしないことを開拓しなければダメだと思っています。

ですから安全な道はなるべく通らない。
不安な道や未知の道を通っていくとか、獣道を選ぶとか。
大通りはつまらないと思っている人間で、
それがいまでも続いています。

そういう性質ですから、画家としては
食べることができませんので、
絵本を描いたりして生業を繋いできた。

ただ、それもやってるうちにちやほやされて、
児童の教育委員会などに出されることになってきました。
だから「これはいけない」と思って絵本の仕事はやめました。

そうやって、どこへ行ってもちやほやされないように、
上手にその道を避けて生きてきたわけです。


【記者:絵の腕はどのようにして磨いてこられたのですか?】


磨いてなんかいません。それはいい絵を描きたいですが、
いい絵を描こうといってできるものじゃない。
感覚というものは努力したってダメなんです。

絵は他の人から学ぶことはできない。
ただ、自分のだらしなさが直に現れます。
ですから自分がいつも未知の谷に飛び込むこと。
不安の中に身を投げていなければダメだと思っております。
いつも不安の中に身を置いて、
昨日をぶち壊していくということです。

ですから学ぶよりも「壊す」というのが私のやり方です。
そして、過ぎたことを忘れることです。

きょう出品したものはお葬式が済んだ後ですから、
もう一度はやれません。やれば悪くなるに決まっています。

人は「もう一度あの絵を描いてください」と言いますが、
慣れると確かにうまく見えますが、それはコピーです。
描いた本人には気が抜けていて、
魂が入っていないのが分かる。
同じ感動は繰り返せないということです。


もしかしたら私の中に、
まだ芽を吹かないものがあるかもしれない、
ひょっとしたら、まだ思いがけないものが潜んでやしないかと、
いまだにそんなことを考えています。

そのためにはいつも自分を空っぽにしておかないと
新しい水は入ってこないんです。
私に勉強の仕方があるとすれば、
いつも自分を空っぽにしておくということです。


(転載以上)

一度読んで思うのは、「これは本当に93歳の方の言葉だろうか?」という言うことです。

画家としての経験も豊富でしょうに、どうしたからこれだけ思い切ることが出来るのだろうか、ということです。

でも、堀さんは、若いときからずっとそうされて来たのですよね。


出品した絵が賞を受けて騒がれても、

“自分が若い女だから騒ぐので、
こんな言葉に乗っていたら大変だ。
ある時期を過ぎたら誰も振り向かなくなる
という自覚がありました。”

絵本を描いているうちに児童の教育委員会などに出されることになってくると、

“だから「これはいけない」と思って絵本の仕事はやめました。”


“自分を堕落させるのもよくするのも自分なんだ、と考えていますから。”

“人それぞれ姿形が違うように、運命も皆違うのですから、
誰もしないことを開拓しなければダメだと思っています。”

堀さんの根本的な考え方ではないかと思います。


“もしかしたら私の中に、
まだ芽を吹かないものがあるかもしれない、
ひょっとしたら、まだ思いがけないものが潜んでやしないかと、
いまだにそんなことを考えています。

そのためにはいつも自分を空っぽにしておかないと
新しい水は入ってこないんです。
私に勉強の仕方があるとすれば、
いつも自分を空っぽにしておくということです。”

未来の希望や光を感じる素晴らしい言葉ですね。


2 コメント

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Unknown (あさ)
2011-12-14 19:55:59
ほんとうに質の良い「今この瞬間」を生きてらっしゃる!情熱に感動します!
読みながら私の内側も「そうだそうだ」と思い出して大いなる我!喜んでます♪
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あささん (テラ)
2011-12-15 02:53:10
ありがとうございます。
”質の良い「今この瞬間」”、その通りですね。
いつもみずみずしい感性を放っていらっしゃるのでしょうね。
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