"ちょっと外から見た日本"

今、スペインに住んでいます。
大好きな日本のこと、
外からの視点で触れて見たいと思います。

“なでしこジャパン監督ご夫妻のこと”

2011-07-19 02:39:19 | 日記

毎日新聞の記事よりです。

 
 
なでしこ世界一:監督「サッカーやめようか」…止めた妻
 【フランクフルト篠田航一】「サッカー、もうやめようか」。そんな夫の言葉をさえぎったのは、病床の妻だった。
 サッカー女子ワールドカップ(W杯)ドイツ大会で、チームを「世界一」に導いた日本の佐々木則夫監督(53)。妻の淳子さん(53)は今でも、生死のふちをさまよった85年の日々を思い出す。
 突如、脳炎を患い、入院した淳子さん。しかも当時は妊娠中だった。夫は電電関東(後のNTT関東)でプレーしていたが、淳子さんに付きっ切りで看病するため、一時サッカーを離れる。「全力で守るから」と夫は言った。
 「高い確率で命にかかわる」と言われた病状。「サッカーやめて、普通のサラリーマンに戻ろうか」。そうつぶやいた夫に、淳子さんはためらうことなく答えた。「私のための人生じゃない。あなたの人生でしょ。あなたは大好きなサッカー、やめないで」
 その後、徐々に快方に向かった淳子さん。夫は迷った末、2年近いブランクを経てピッチに戻り、やがて指導者の道に入った。
 決勝の地フランクフルトで17日、日の丸や星条旗を顔にペインティングしたサポーターを見ながら、淳子さんは当時を思い出してほほ笑んだ。「あの時やめないでよかった。そして、今があるんですから」
 監督として日々、強烈なプレッシャーにさらされる夫。縁起をかつぐ方ではないが、一つだけ大きな試合の前にすることがある。「富士山を見るのが好きなんです。癒やされる、といつも言うんですよ」。ドイツ大会開幕直前の6月上旬、夫婦で山梨県の河口湖に出かけた。3泊4日をのんびり過ごし、湖畔を歩いて、富士山を眺めた。大会頑張ってね、と言う淳子さんに、夫はほほ笑んだ。「なでしこのあの子たちが頑張るんだ。僕はサポートするだけなんだよ」
毎日新聞 2011年7月18日 21時21分
(以上)
 
世界一となったなでしこジャパン、試合からは見えなかったお話がこれから色々出て来るでしょう。
もうそっとしておいてあげたら、ということも出てくるかも知れませんね。
でも、この佐々木監督と奥様のお話、ジーンと来るものがあります。
 
脳炎を患い入院、しかも妊娠中。
「高い確率で命にかかわる」とも言われた奥様を心配して、
“「サッカーやめて、普通のサラリーマンに戻ろうか」”とつぶやいたご主人。
 
ためらうことなく答えた奥さまの言葉、
“「私のための人生じゃない。あなたの人生でしょ。あなたは大好きなサッカー、やめないで」”
人はそこまで強くなれるのか、と感動します。
 
唯一の縁起かつぎ、大会直前、ご夫妻で湖畔を歩いて富士山を眺めたこと。
富士山の女神に、お二人の願いが通じたのでしょうか。
 
“「なでしこのあの子たちが頑張るんだ。僕はサポートするだけなんだよ」”
選手が力を出し切ること、それをサポートすることが監督の役割であること、
そして、実はそれがどれだけ大変なことなのか、ということも感じられる素晴らしい言葉だと思います。


2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (あさ)
2011-07-19 12:23:07
佐々木監督「妻を愛せないものはなでしこも愛せない」と堂々と笑顔でお腹からの声でおしゃっている姿・・ごちそうさまです(笑)何のためらいもなくはっきりという姿に感動です!

エピソードで、練習にこない二人に・・ではなくきちんと来ている選手に「どうして声をかけてこなかったんだ」と言ったそうです。

日本の女性だけでなく、この監督から日本男性の変化、女神性が育っていくのではないかと感じます。支配コントロールからの卒業を感じます。
返信する
あささん (テラ)
2011-07-20 03:01:43
「妻を愛せないものはなでしこも愛せない」ですか。さすがですね。

選手一人一人の様子を確認しながら、本当にコミュニケーションを大切にされて来られたようですね。

「なでしこのあの子たちが頑張るんだ。僕はサポートするだけなんだよ」という言葉、
“なでしこのあの子たち”を“女性性”に“僕”を“男性性”にそのまま置き換えることも出来そうですね。
返信する