8月5日(金)5865歩
今年2月亡くなられたまついのり子さん(絵本・紙芝居作家)
その著書「あの日の空の青を」の最後の章に書かれた一文を
ここに転載させていただきます。生前私がこの本をプレゼントされて
深い感動を伝え、10冊ほしいが書店にない事を手紙で伝えたとき、すぐに
10冊送ってくださいました。
そして私がその一文を紹介することも許していただきました。
あの日、空は限りなく青かった。美しかった。1945年8月15日、敗戦した
ことを知った正午過ぎ、11歳の私は縁側で空を見つめていた。
あの日までの日々、私には色がなかった。ただ一つ、こびりついているのは
焼夷弾の火に囲まれた時の炎の赤、それは色ではなく凍り付く恐怖そのもの
だった。60年前の8月15日、私の中で色がよみがえった。
10月9日、雨が降っていた。この日は戦争に反対したため捕らえられた
父が政治犯釈放で帰ってくる日だった。父が1年7ケ月ぶりに戻ってくる。
その時間が一刻一刻近づいていた。私は玄関の横の小屋から外の格子戸を
息をつめるようにして見つめ続けた。植込みのヤツデの葉から雫が一滴一滴
落ちた。一滴一滴が時間を刻んだ。一滴一滴が命あるようにきらめいて私の
心に落ち続けた。美しかった。その雫は今も私の心の中にあって透明にきら
めいている。
誰もが持つ人生の「あの日」
生きて居ることが凝縮し、
生きることの意味を示してくれる「あの日」。
私は「あの日」を勇気づけ、次の一歩としてくれるために
なんと多くの人々、子どもたちがいてくれたことでしょう。
だからこそ、私はあの戦争が終わった日
— 命と平和への希望が芽生えたあの日の空を
心の空として歩くことができたのです。
あの青い空を、さらに深く美しく輝かせることを
求めることができたのです。
今、そのたくさんの人たち、子どもたちに
言い尽くせぬ感謝をささげます。
そして私は信じます。
次の世代に、あの青い空が引き継がれていることを。
まついのりこ
8月は平和についての私の思いを伝えたいともいます。
台風がのろのろとやってくる情報、明後日の全国障害研が気に
なります。離島からの参加者もそして全国からの参加の皆さんも
何とか収まってくれないものでしょうか。
1年前のブログです。てんがらもんゲスト被爆2世の岡元さん・向井さんの涙
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