国際会議予稿を日本語論文として再投稿する皆様へ

2020年12月14日 | Weblog

こんにちは

しばらく(9か月)更新しない間に色々と所属が変わりました.

 

所属の話はさておき,人工知能学会の編集委員として皆様にお願いがあります.
(別に代表してお願いしているわけではないです)

 

人工知能学会論文誌では国際会議で発表した内容も論文誌として投稿する事を認めており,規定(案内2.5項)に記載の通り,「国際会議&arXiv」は多重投稿に当たらない,としています.一方で

    ※二重投稿にあたらない既発表または投稿中の論文がある場合,二重投稿の疑義を避けるために,必ず引用するとともに,論文の差異の説明を行ってください.また,該当論文を添付して投稿することができます(担当編集委員が参照します.査読者には開示されません)

 
とあります.

 

私自身は7月に編集委員メンバになったばかりで,この文言を決めた背景の詳細は分かっていないのですが,人工知能学会論文誌の論文査読したり,投稿してきた背景としては,問題点は理解しているつもりです.

 

人工知能学会のチェックリストもの良くないのですが,「学会がOKしているんだから,OKだろ」という解釈で,

 「二重投稿に当たりませんか?」 => 「はい」

ではなくて,同一内容の国際会議の予稿集があれば,それは担当編集委員にも伝えてください.もちろんダブルブラインド査読(正直現代では個人的にほとんど無意味と思ってますけど)なので,対応方法はアドバイスします.

 

「英語を日本語にすればええやろ?」
「外国から見たら日本語の論文は眼中にないやろ?」

という独自判断も危険でして,国際会議によっては,権利を会議に譲渡するものもありますし,国際会議の査読中に投稿されたら(ほとんどの場合)アウトなので,「そこがクリアされてますよね?」という確認もしたいので,国際会議で予稿集として公開されているものをそのまんま日本語論文として投稿する時には,備考に書くか,引用及び,差異の明記などをお願いします.

 

人工知能学会論文誌はとても優しいので,恐らく「一発不採録」とはせずに著者とその点を確認すると思います.なので,査読者に回してからそこの問題が顕在化する前に,ご一報ください.


追記

人工知能学会の原稿執筆案内の二重投稿の部分貼っておきます.私の指摘(人工知能学会が良くても会議側がダメな場合は二重投稿になる)もちゃんと書いてあります.

学会側で倫理委員会立ち上げて判断とかやるほど余裕は無いと思いますが,公開済みの国際会議に「著者からこんな論文投稿されてきたけど,公開しますよ」というメールぐらいはする可能性あるかも.(個人的な見解)

 

あと,これ大事な話だと思うんだけど,海外に限らず,国内研究会や全国大会も,ホームページに『投稿内容の著作権利は著者に帰属します』というのは,お互い明記したほうが良いんだと思います. 割と最近はよく見かけますし,例えば,MIRUの会議(例:MIRU2020)はとても親切で参考になります.


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