天体力学講義

2015年07月13日 | Weblog

私の天文の研究はGRAPE使ったN体計算の研究がほとんどですが,さかのぼると一番最初にN体計算の講義を聞いたのは学部生の時に受けた稲垣先生の天体力学講義.

http://www.kusastro.kyoto-u.ac.jp/~inagaki/s-g.htm

”重力だけを考えた系の進化は、基本的にはニュートンの方程式で与えられ、古典中の 古典である。しかしながら、ニュートンの方程式も 2 体問題までは解析的に解けるが 3 体問題以上は、特殊解を除き、一般的には解析的には解けない。このような問題は 数値解は求まるが、初期条件を少し変えると解が大きく変わるというカオス的性質を 持っている。従って、厳密には数値解の信頼性も問題になる。”


2浪したわたくしは,自身の能力を顧みず,学部1回生の時から天文学科の授業沢山聞いていたと思うけど,ちょっとだけ理解していたけど,単位認定に出された問題がさっぱりだった.

 

  「3体ピタゴラス問題を解け (3:4:5で構成される直角三角形上に,質量比3:4:5の質量比を持った初速度0の軌道を求めよ)」

 

これ,今でこそググれば沢山答えや,シミュレータが出てくるんだけど,当時の私はさっぱりでした.

ピタゴラス三体問題のシミュレーション

ピタゴラス3体問題 (Burrau’s problem of three bodies) | 配電盤

ピタゴラスの三体問題をGeoGebra4.2でGIFアニメにしてみる。: Fallen Physicist, Rising Engineer

ピタゴラスの3体問題


いや,3体問題が非線形という感覚がなく,解析的になんで解けないのかよくわからなかったので,そっからN体シミュレーションに興味持ったのは事実.


で,
その後卒論では,天体核理論教室に配属させてもらって,大規模構造のN体計算(N=2000程度)でシミュレーションコード自分で書いてみたり,,大学院では理論の勉強して最終的にはGRAPEシリーズを使う事になって,結局その時の知見が今の研究にも大いに生かされているわけです.

 

 

さて,

今日はこんな悲しいニュースを知りました.

和歌山市磯の浦の遺体 京大名誉教授か | WBS和歌山放送ニュース

稲垣先生の訃報です.

 

無知な1回生の「数値的に解くってどういうことですか?」っていう質問に丁寧に答えて頂いたり,ありがとうございました.

心よりご冥福をお祈りします.

 

 






最新の画像もっと見る

コメントを投稿