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カラス城

2007-07-05 | 世界地理
金沢城再建
国宝松本城は外壁が黒いので、カラス城といわれる。松本城内には築城当時の床・柱・階段が残っている。内部は粗雑な造りだが、外壁はカラス色の黒壁がみごとである。黒さゆえに国宝に指定されたのであろう。

金沢城から金沢大学が撤退開始が1978年、撤退完了が1995年である。その翌年1996年には石川県が金沢大学跡を買収して、金沢城の再建が始まった。
しかし金沢城は1546年の創建以来、1602年、1620年、1759年、1808年の4回、大火災にあい、全焼と再建をくり返してきた。さらに明治14年(1881年)に陸軍兵舎から出火し、二ノ丸を全焼した。

城の再建の時、どの城でも問題になるのは、いつの時代の城を復元するのか、という点である。金沢城は、帝国陸軍の失火直前の、つまり明治維新前後の復元をめざしている。それでも空地のある限り、別の時代の建物も復元しているので、最終的には、いくつもの時代の錯綜した城が復元されるであろう。



2007年6月29日午後6時、梅雨空に白くそびえる二ノ丸菱櫓には、城跡をねぐらとするカラスの大群が集まり、就寝前の遊戯の最中であった。松本城よりはカラスの数が多い。金沢城こそがカラス城と呼ぶのにふさわしい。
いつの時代の金沢城も火災と外敵に弱い設計であった。平成の再建途中の新金沢城は、カラスに乗っ取られたカラス城である。(2007.6)




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