日本の風景 世界の風景

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東京タワー

2007-09-22 | 世界地理
東京タワーの正式名は「日本電波塔」
1957年、産経新聞グループの総帥前田久吉が日本電波塔株式会社を設立し、東京芝増上寺の墓地を移転整理し、その跡地に東京タワーを建設した。1958年には完成した。
TVについては、NHK総合・教育、フジTV、TBS、TV東京、TV朝日、放送大学TV、東京メトロポリタンTV、それに日本TVが、東京タワーから電波を送っている。


東京タワーの展望台から見下ろせば、増上寺。展望台売店のソフトクリームは安くて、おいしくて、涙が出て止まらない。


日本TVは正力松太郎支配下の読売新聞グループである。ライバル産経グループの東京タワーを利用せず、麹町本社隣接地のアンテナから放送した。アンテナが低くて受信エリアが狭いため、読売グループは、新宿に高さ500mの日本TVタワーを建設する構想を発表した(1968年)。しかし、立川の米軍基地を離発着する軍用機の障害になる恐れがあり、米軍が反対したため、新宿タワー計画は頓挫した。日本TVが東京タワーを利用したのは、正力松太郎の死後のことである(1970年)。

2011年の地上デジタル問題
2011年7月24日、全国のTV放送波は地上アナログから、地上デジタルに一斉変更になる。東京タワーの高さ333mでは、現在の受信エリアにデジタル波が届かない恐れがあり、新東京タワー構想が持ち上がっている。
これに対して、東京タワーを運営する日本電波塔株式会社は、東京タワーからのデジタル波で、現在のアナログ受信範囲をカバーできると主張し、引き続き東京タワーの利用を各TV局に呼びかけている。次の①~③が東京タワー側の案である。

①東京タワーの、デジタル送信アンテナの取付け位置を、現在よりも100m上げる。この経費は東京タワーが負担する。
②各放送局専用の送信管理ビルを、新たに建設する。この費用も東京タワーが負担する。
③東京タワーの利用料金は、現行のアナログ以下とする。

もし、新東京タワーが建設され、東京タワーが利用されなくなった場合、東京タワーは無用の長物となる。観光収入も送信料収入もなくなってしまう。それで、新東京タワーに対抗する提案をしたのである。


新東京タワー建設計画
浅草など東京下町に電車・百貨店などを経営する東武グループには、東武鉄道貨物専用駅(東京都墨田区押上)をつぶし、新東京タワーを建設する具体的計画がある。高さ600mとし、ここからのTVデジタル波は、現在の東京タワーのアナログ波到達域を全部含む。
各テレビ局が、現在の東京タワーを使うのか、それとも新東京タワーに乗り換えるのか、その判断次第で新東京タワーの建設が実現するのか、あるいは幻に終わるのかが決まる。
2011年のアナログ・デジタル転換までに新東京タワーを完成させるためには、2009年中に着工しなくてはならない。2009年が新旧東京タワーのタイムリミットである。


浅草から墨田川の向こうに見える新東京タワー(完成予想図)






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