熱帯ゆるゆる日記

マレーシアでの期間限定生活日記。
2008年駐在開始、そして2011年 本帰国しました。

ベトナムの美術館から歴史を考える

2011年02月15日 11時47分10秒 | ベトナム・サイゴン旅行

2011年 テト(旧正月を正月とするベトナム)2月3日 ベトナム ホーチミン(サイゴン)に

行きました。

体調が悪いさなかでしたが すでに 予約してあったので

ゆっくりスケジュールで 行きました。

 

ベトナムは テトのお正月。

着いた日は 体調が悪く 困りましたが 昼寝しながら

べトナム料理を「薬」のつもりで もりもり食べたら 2日目には 驚くべき快復。

    

↑ フォー                                  ↑生春巻き

1か月以上くすぶっていた体調が みるみる 良くなりました。

旅ができるか 心配でしたが 「食べる」ことで 体中が 芽吹く感じです。

まだ 100%とは言えませんが ベトナム旅行は 私には 「薬」になったようです。

 

 

 

 

 

ずっとベトナムの勉強をしています。
ベトナムは東南アジアの中でも個性あふれる国です。

行ってみて初めて その不思議さに驚きました。

では なぜ ベトナムはこうなったのか?
それが 私の疑問でした。
それを学ぶまでは 日記が書けませんでした。

 

 

   

まず 美術館。
美術館は とても 良かったのですが ホーチミンでは
ほとんど宣伝もされず ガイドブックにも 大きく取り上げられていません。
初めは 共産主義のために豪華な美術館を宣伝しないのかと思いました。
しかし 中国・旧ソ連でも美術館は有名です。
政治体制以外の理由が有るに違いありません。

 

  

ベトナムに行って 最初の思ったのは ベトナム文化・生活が
とても中国に似ていることです。
東南アジア諸国は 中国の移民・華僑が多く どの国も少なからず
中国文化の影響があります。
でも ベトナムは それが あまりにも濃いのです。

現在のべトナムは フランス占領からアルファベット表記ですが
そのまえは 漢字でした。ホーチミン開放前の都市名サイゴンは 西貢。
しかし ホーチミンでは 漢字をたくさんは 見ません。
KLは 漢字の看板だらけなのに。

これは ベトナムの歴史を見るとわかります。
ベトナムの歴史 2000年以上有史以前を含めて
その3/4は 中国からの侵略と支配への抵抗に費やされているのです。
紀元前3世紀から始まった中国との確執です。

   

                         ↑中庭 



ときに中国に同化され ときに隷属し ときに抵抗してきた歴史です。

紀元前1世紀に中国に抵抗戦線を張った姉妹の物語が現在でも
英雄の話として語り継がれ 今もなお 英雄です。
 周恩来首相の訪越のさいは 首相が姉妹像に謝るという儀式があったほど 中国への恨みは深いのです。

中国への抵抗意識が強い半面 中国文化に頼らざるを得ないことが
べトナム知識層や一般庶民のコンプレックスで それが 屈折した形で
ベトナム戦争にも 影を落とします。

日本も隣国中国の影響を受けた国にひとつですが
独自の日本文化を形成しえた誇りが あります。
ベトナムは それが 代大帝には できなかったようです。

ベトナム戦争で アメリカが引いたことは事実ですが
実際の敗因は 南べトナムの人々がアメリカの支援を自分たちの
私利私欲に費やし おのずから敗北への道を進んだことにもあります。
その一端に 華僑がいたことが大きく 開放後のボートピープルの多くは 華僑ベトナム人でした。

ホーチミンの中華街は クアラルンプールの中華街とは
まったく違います。
それは 私の驚きでした。
華人の町・チョロンは 決して 「KLの中華街」ではない。
それが 不思議でしたが この歴史をみれば よくわかります。

北ベトナムは 宿敵中国と隣接し 抵抗しながらも 深く影響を受けざるを得なかったのでした。

 

  

↑ エレベーター 現在は使われていません

あくまでも 私の予想ですが・・・

ホーチミンの美術館は 華人の町 チョロンに近く
建物は 中国人の邸宅あとです。
フランス風建物で 一見の価値がありますが 宣伝されない理由は 
この建物の出仕にあるのかもしれません。

 

ほとんど人のいない美術館の中は 充実したものでした。
とくに 漆をつかった絵は 他では見られないものです。
ベトナムは中国の螺鈿細工・漆工芸が とても盛んで
漆を絵の具にして描く歴史があります。

 


我々のガイドをしてくれた オンさんは 最初に言いました
「私たちべトナム人は 中国がきらいです
 1000年以上 中国に支配されました みんな大嫌いです」


 

↑床は フランス製 タイル  すべての部屋がタイルで しかも みな 模様や色が違う

  









ところで ここに 「ベトナム文化は 中国に似ている」と書きました
これは ベトナム文化が模倣でしかないと言っているのではありません
ベトナム人は 働き者だし優秀な頭脳を持っています
しかし 優秀であるがゆえに 頭の回転が良いがゆえに
新しいもの・良いものを 模倣・導入・活用するのが 上手なのです
日本と違い 陸続きで中国と接しているベトナム
導入した文化から 創造するゆとりの時間がなかったのでしょう

インドシナにおいて カンボジアのクメール人 ベトナムのベト族は
非常に勤勉で 優秀です。

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↑ 窓が 美しい

 

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