ひらかなのひとり言

幸せって言葉にすると大きくなる。
だからいつまでも、今日の幸せが続いて行くように。
気ままなのほほんひとり言。

身振い

2012年03月30日 | 宝物

81歳、右上腕骨頸部骨折後。ばあちゃん。

既往歴に左脳梗塞、右片麻痺あり。

 

待合の椅子で急変。

てんかん発作を起こした。

全身がのけぞり返る大発作。

既往歴や投薬内容を軽視していた矢先の出来事。

久々の急変に冷や汗が出た。

 

物品がどこにあるのか把握できていない。

救急セットもわからない。

この症状が、脳梗塞の再発なのか、痙攣なのか、血栓が飛んだのかすら

判断ができない。

焦っているのに体が動かなかった。

 

看護師を呼び、ご家族に連絡を取り、

発作が落ち着くのを待っただけだった。

 

もう、駄目かと思った。

 

でも、ばあちゃんは、ちゃんと元気になった。

まあ、てんかん発作だから当たり前なんだけど。

嬉しかった。良かった。

 

忘れてはいけない。

怠ってもいけない。

既往歴に投薬内容の確認、その日の体調とバイタルサイン。

後は、直感。

全ての感覚をはりめぐらせ、

体全体で患者さまを感じなければいけない。

運動、いや、治療と言う名のコンディションの変化に携わるものとして、

それはサボってはいけない。

 

発作後、まだぼーっとしているばあちゃんに、

『わかる?』と、尋ねたら、

しっかりとうなずいてくれた。

 

そしてその2日後の今日。

『こないだは、ごめんね~』

小さなばあちゃんが、

いつもとかわらないひょこひょこした歩き方で

リハビリ室に入ってきた。

『大丈夫?』そうきくと、

うん。とかわいく笑ってうなずいてくれた。

 

この笑顔を、大事にしなくちゃいけないんだって、

心から思った瞬間だった。


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