日経新聞
関西、大飯原発再稼働でも綱渡り(真相深層)
頼みの火力 不安な酷使
2012/6/14 7:00日本経済新聞 電子版
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDC1100T_S2A610C1SHA000/
関西電力大飯原子力発電所3、4号機の再稼働を巡る調整が大詰めを迎えた。政府は近く再稼働を正式決定する見通しだが、2基のフル稼働は暑さが例年ピークとなる7月下旬に間に合わないおそれがある。関西は今夏を乗り切れるのか。
「ご英断をお願いしたい」。関電の八木誠社長は5月28日の記者会見で、「判断」との表現を「英断」に変えて、政府に原発再稼働を迫った。再稼働が遅れ、夏の電力需要のピーク時に供給が追いつかない可能性が日に日に現実味を増しているからだ。
■供給余力ゼロ
今夏、関西を待ち構える関門は3つある。最初は電力需要が例年ピークを迎える7月下旬の需給逼迫だ。
政府が再稼働を決定しても、大飯3、4号機のフル稼働には約6週間かかる。運転停止の長期化で、配管洗浄などの作業が必要なためだ。猛暑が早めに到来すれば、たちまち電力不足に陥るおそれがある。
大飯の2基がフル稼働しても安泰とはいえない。関電の見通しでは一昨年並みの猛暑となり、昨年の節電効果の定着分を反映した場合、8月の電力需給の余裕度を示す「予備率」はゼロ。他の電力会社からの融通を考慮してもこの数字だ。発電設備のトラブルなど不測の事態が生じれば、電力不足は避けられない。ここが第2の関門になる。
政府は大飯再稼働を前提に、関電管内の節電目標を今の一昨年夏比で15%から5~10%に引き下げる方針だが、関電は事前に時間や対象地域を決めて停電を実施する「計画停電」の準備を続ける。「予備率ゼロ」は電力会社にとって異例の綱渡りだからだ。
頼みの火力発電所は稼働中のものが管内で全28基。だが供給力を確保するため、本来は長期間の運転停止が必要な法定・自主点検を先送りしている発電所が13基もある。消耗部品の交換もままならず故障やトラブルが懸念される状態。実際、海南火力発電所3号機(和歌山県海南市)は4、5月に配管の蒸気漏れで2回停止した。
水力はどうか。富山県黒部市にある黒部川第2発電所。設置から約30年が経過した発電機がフル稼働している。水の通り道となる「水車ケーシング」という管に至っては、1930年代の発電所立ち上げ時のものを今も使っている。
同発電所は昨年から7年程度をかけて大規模な改修工事を実施し、機器を交換する予定だったが、電力供給を優先して計画を延期した。日常点検や巡視を強化してトラブル回避に全力を挙げるが「過去に経験がないほど厳しい状況」(水力発電担当の幹部)という。
■例外地域なし
第3の関門は仮に計画停電を迫られた場合、混乱なく実行できるかどうかだ。震災直後の東京電力の計画停電では都心部は対象外だった。関電は大阪市中心部も含める方針。需要の大きい市中心部を対象にしなければ、電力需給を緩和できないと判断したからだ。
市中心部の病院などを停電の対象から外すため、関電の計画停電は管内約570カ所の配電用変電所を起点に家庭やオフィスに向けて枝分かれする「配電線」単位で行う。東電の計画停電は上流の変電所単位の広域停電で、同じ町内でも停電の時間が違うといった問題が生じた。関電は同じ町内なら同じ停電地域に入るよう、グループ割りの詰めの作業を進めている。混乱回避の成否はこの作業にかかっている。
7月2日からは節電要請が始まるが、どこまで効果が見込めるかは未知数だ。昨夏の要請では、実際に節電できたのはわずか5%前後だった。
「気温に恵まれ、設備トラブルが起きないことを、世の中のあらゆる神様にお願いしている」。八木社長の率直な言葉は、大飯原発が再稼働しても見通しがつかない関西の電力需給の厳しさを象徴している。
(大阪経済部 稲葉俊亮)
「関西電力は電気の利権は絶対手放しません」と言ってるように聞こえるんですけど!
なんで他の企業と技術や電気取引の話にならないんですか。
暫定的な安全基準で稼働させる原発ばかりに頼って、
新しい技術を否定して拒否して産業発展に寄与するつもりが全くないとしか
見えないんですけどっ!!!!
関西、大飯原発再稼働でも綱渡り(真相深層)
頼みの火力 不安な酷使
2012/6/14 7:00日本経済新聞 電子版
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDC1100T_S2A610C1SHA000/
関西電力大飯原子力発電所3、4号機の再稼働を巡る調整が大詰めを迎えた。政府は近く再稼働を正式決定する見通しだが、2基のフル稼働は暑さが例年ピークとなる7月下旬に間に合わないおそれがある。関西は今夏を乗り切れるのか。
「ご英断をお願いしたい」。関電の八木誠社長は5月28日の記者会見で、「判断」との表現を「英断」に変えて、政府に原発再稼働を迫った。再稼働が遅れ、夏の電力需要のピーク時に供給が追いつかない可能性が日に日に現実味を増しているからだ。
■供給余力ゼロ
今夏、関西を待ち構える関門は3つある。最初は電力需要が例年ピークを迎える7月下旬の需給逼迫だ。
政府が再稼働を決定しても、大飯3、4号機のフル稼働には約6週間かかる。運転停止の長期化で、配管洗浄などの作業が必要なためだ。猛暑が早めに到来すれば、たちまち電力不足に陥るおそれがある。
大飯の2基がフル稼働しても安泰とはいえない。関電の見通しでは一昨年並みの猛暑となり、昨年の節電効果の定着分を反映した場合、8月の電力需給の余裕度を示す「予備率」はゼロ。他の電力会社からの融通を考慮してもこの数字だ。発電設備のトラブルなど不測の事態が生じれば、電力不足は避けられない。ここが第2の関門になる。
政府は大飯再稼働を前提に、関電管内の節電目標を今の一昨年夏比で15%から5~10%に引き下げる方針だが、関電は事前に時間や対象地域を決めて停電を実施する「計画停電」の準備を続ける。「予備率ゼロ」は電力会社にとって異例の綱渡りだからだ。
頼みの火力発電所は稼働中のものが管内で全28基。だが供給力を確保するため、本来は長期間の運転停止が必要な法定・自主点検を先送りしている発電所が13基もある。消耗部品の交換もままならず故障やトラブルが懸念される状態。実際、海南火力発電所3号機(和歌山県海南市)は4、5月に配管の蒸気漏れで2回停止した。
水力はどうか。富山県黒部市にある黒部川第2発電所。設置から約30年が経過した発電機がフル稼働している。水の通り道となる「水車ケーシング」という管に至っては、1930年代の発電所立ち上げ時のものを今も使っている。
同発電所は昨年から7年程度をかけて大規模な改修工事を実施し、機器を交換する予定だったが、電力供給を優先して計画を延期した。日常点検や巡視を強化してトラブル回避に全力を挙げるが「過去に経験がないほど厳しい状況」(水力発電担当の幹部)という。
■例外地域なし
第3の関門は仮に計画停電を迫られた場合、混乱なく実行できるかどうかだ。震災直後の東京電力の計画停電では都心部は対象外だった。関電は大阪市中心部も含める方針。需要の大きい市中心部を対象にしなければ、電力需給を緩和できないと判断したからだ。
市中心部の病院などを停電の対象から外すため、関電の計画停電は管内約570カ所の配電用変電所を起点に家庭やオフィスに向けて枝分かれする「配電線」単位で行う。東電の計画停電は上流の変電所単位の広域停電で、同じ町内でも停電の時間が違うといった問題が生じた。関電は同じ町内なら同じ停電地域に入るよう、グループ割りの詰めの作業を進めている。混乱回避の成否はこの作業にかかっている。
7月2日からは節電要請が始まるが、どこまで効果が見込めるかは未知数だ。昨夏の要請では、実際に節電できたのはわずか5%前後だった。
「気温に恵まれ、設備トラブルが起きないことを、世の中のあらゆる神様にお願いしている」。八木社長の率直な言葉は、大飯原発が再稼働しても見通しがつかない関西の電力需給の厳しさを象徴している。
(大阪経済部 稲葉俊亮)
「関西電力は電気の利権は絶対手放しません」と言ってるように聞こえるんですけど!
なんで他の企業と技術や電気取引の話にならないんですか。
暫定的な安全基準で稼働させる原発ばかりに頼って、
新しい技術を否定して拒否して産業発展に寄与するつもりが全くないとしか
見えないんですけどっ!!!!