播磨癒しのまち歩き

自然観察しながら散歩(兵庫県・北播磨)
イベント鑑賞や野球観戦も好きでしたがこのご時世全く行けていません。

善導大師自画像の謎

2013-09-01 19:39:36 | うんちく・小ネタ

日本人のことならもう少し真剣に調べる人もいたんだろうけどね。

浄土宗系の方にがんばってもらって、思うんだけど宗派の違いとかあってややこしいのかな。

●五峰山光明寺と善導大師自画像(滝野町史より抜粋)
Daijiin_2

五峰山光明寺の塔頭(たっちゅう)のひとつ、 大慈院には、日本一幅と称する善導大師自画像が伝えられている。 長さ105センチ、幅51センチの絹本着色の画像で、やや右正面に向かって開口合掌し、 遠山模様の袈裟を着、頭上右の空中に五体の化仏を配した構図である。

寺伝によると、善導大師(唐の僧)は生前に三幅の自画像を描き、 一は釈迦の生誕地である天竺は摩訶陀国へ賜り、また一は大師入滅の地、 中国は長安の光明寺にとどめ、一幅を日本へ伝えたという。

日本へは、天台宗の僧円仁(慈覚大師)がもたらした。円仁の入唐求法の際、 大師の法孫がたずねて来て、氏の遺嘱と称し、「貴僧が東上帰帆に伴ひ、有縁の地に安じ給へ」 と授けた。帰朝後、たまたま播磨の光明寺が、寺名、結構ともに長安の光明寺に類似していたので、 大慈院の僧円心に自画像を託し、常行堂に安置せしめたと伝える。ときに承和14年(847)という。 のち常行堂焼失にともない、大慈院に移し、今日にいたった。

画像自体は平安期(唐代)の作とはにわかに信じがたいが、おそくとも鎌倉期を下らないものとされている。
中央貴顕の尊崇あつく、永享9年(1437)には将軍足利義教がこれを補修、 元和9年(1623)には後水尾天皇の叡覧を得、宝暦2年(1752)にも将軍吉宗の内拝をうけたという。

●善導大師画像の出開帳(滝野町史より)
Michishirube_2

法道仙人が蓮華の花の形をした五峰山頂に道場を開いたのは、白雉2年(651)年と伝える。 以来、中世・近世と中央のそれとは異なった庶民信仰の対照として栄えてきた。 「日本一幅善導大師 光明寺へ是より○里」と刻んだ道しるべは、北播磨の路傍でよく見かける。
この道標は近世の中頃、光明寺を中心に八里四方に100基が建てられたという。 それほどに、この寺は西国三十三番霊場とはまたちがった意味でもてはやされた。
とくに、卯月八日の仏生会は、俗に「滝野の花祭(はな)」とよばれて、 参拝者の列が闘龍灘から山上までを埋め尽くす播州随一のにぎわいであった。

近世の光明寺で注目すべきは、塔頭大慈院の善導大師画像が、 二度にわたって禁裏と江戸城内へ出開帳したことであろう。元和9年(1623)、 大慈院隆俊は『大慈院縁起』を作り、善導大師画像の顕影につとめた。そのため、 毎年三月十四日には滝野の善導忌と号して「貴賎雲集し、大師の真影に結縁」したという。

この民衆の信仰を定着させるため、隆俊は国家的権威者の内拝を得る機会を待った。 ときあたかも、キリシタン禁止の徹底をねらった幕府は、寛政以来禁止されていた 「宮中御修法」の再興を朝廷へ願い出た。さらに江戸は上野に寛永寺を造営するなど、 仏教保護の政策を推進した。隆俊はこのときをのがさず、元和9年8月2日、 中和門院御所において後水尾天皇の内覧を得ることに成功したという。
それがため、 光明寺の善導大師画像と善導忌は遠近に知れわたった。

その後、130年を経た宝暦2年(1752)、善導大師画像は将軍吉宗の内拝をうけた。 この取次ぎに当たったのは、浄土宗の浅草幡随院二十二世例誉了碩である。 大慈院と法縁にあった了碩が明石藩松平氏の江戸香華院で将軍家の信頼も厚く、 また増上寺五十一世満空上人が印南郡志方村の出で、了碩とともに強く将軍家へ推 挙したのによる。 こうして江戸城内で将軍吉宗の内拝を得た画像は、損傷がはなはだしかったため、 将軍家息女竹姫の寄進で宝松院仁梅に命じて模写させ、また厨子の左右の扉に慈覚大師と円心の像を描かせた。 この二人は画像を本朝へ、そして光明寺へもたらすのに功のあった僧である。

竹姫の寄進は彼女が病気平癒を画像に祈祷、その効を得た報謝であったという。 その後さらに紀伊宰相宗将の内拝をも得、幕府や御三家から数々の下賜品を受領した。 また安政9年(1780)3月、京都知恩院において「善導大師一千百回御縁忌法要」が修され、 皇族方の内拝、宝物類の展覧を行うなど、善導大師信仰は全国的な規模で行われるにいたった。 (山口諦存「善導大師由来」による)

コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 善導大師自画像の謎 | トップ | 善導大師自画像の謎 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

うんちく・小ネタ」カテゴリの最新記事