よろず戯言

テーマのない冗長ブログです。

おきゅうと

2015-08-08 22:05:52 | グルメ

 

暑くて食欲の減退するこの時期、涼を呼ぶ博多の食べ物を紹介。

その名も、“おきゅうと”。

海藻由来の刺身こんにゃくというか、ところてんのような、プルプルした食べ物。

冷蔵庫であらかじめ冷やしておいて食卓に。

海藻が主原料で9割が水分なので、ローカロリーというかノンカロリーのヘルシーな食べ物。

 

 

歴史は古く、江戸中期には博多の庶民に愛されていたようだ。

当時、博多湾で採れた海藻、イギス,エゴノリ(エゴグサ)を原料に、

それを色が抜けるまで、洗っては干し洗っては干しを幾度か繰り返す。

棒寒天のように乾燥させた原料を、煮詰めて裏ごししたものを固めてできあがる。

シンプルなようで手間のかかっている食べ物だ。

 

最近では原料のひとつ、エゴノリが福岡では採れなくなり、

北陸地方から取り寄せて、おきゅうとを作っているとか。

その北陸でも採取量が減っており、原料が高騰していて、

庶民の食べ物だったおきゅうとも、今やちょっと高めの お惣菜になりつつある。

価格を抑えるために、原料をエゴノリからテングサに変えた業者もある。

 

福岡ではスーパーでふつうに販売されている。

 
このおきゅうと、実は自分もまったく馴染みがなくて、

ふつうに食べ始めたのは、ほんの最近。

子どもの頃は、こんな食べ物の存在すら知らなかった。

生まれも育ちも福岡ではあるが、筑豊では少し前まで食べる習慣がなかった。

というより、やはり近年まで福岡市内でのみ食べられていて、

県内でもよその地区にはそれほど流通しておらず、

じわじわと県内全域に広まってきて、テレビなどで紹介されたこともあって、

ようやっと九州北部と,山口あたりに、ぼちぼち認知度が出てきたかなという感じ。

 

 

名前の由来はいくつもあって、どれも説得力があるのだが、

“沖のうど”という言葉がなまって、“おきゅうと”になったという説が一般的なようだ。

これを博多の人は、主に朝食のおかずに、生姜醤油などで食べるらしい。

青ネギを散らしたり、削り節をまぶしたり、ゴマをまぶしたり、

ポン酢をかけたり、からし酢味噌で和えたりと、食べ方はいろいろ。

専用のだしが添付されている商品もあるが、自分はところてんのように、三杯酢で食べるのが一番好きかな。

からし酢味噌で食べるのも、刺身こんにゃくのようで美味しい。

 

味はほとんど無い。

ほんのり磯の風味がしないでもない。

食感は実はこれが微妙。

ところてんのように、プルプルしていなくて、

弾力はあれど、ボソボソした食感が、慣れるまで違和感ある。

商品によっては、ところてんに近いものもあるが、

そういうのは大抵、原料がエゴノリではなく、テングサを代用しているもの。

おきゅうと本来の食感は、やっぱり、ボソボソしたものが正解なのだろう。

あと本来の原料を使用した高価なものほど、舌触りにざらつきも感じる。

噛んだときに、ジャリジャリと、砂のような違和感も感じられる。

あまりこういうのが好きでない自分としては、やはり安モノの方が抵抗なく食べられる。

博多のひとには、「そげなもん、おきゅうとじゃなかろうもん!」と怒られそうだけど。

 

もずく酢と一緒に食べても美味しい。

 

そんなおきゅうと、実は旬は春らしい。

でもまあ、ところてんと同じく、やっぱり暑い夏に食べた方が美味しいよなあ。

だがそう考えると、ところてんの方がよっぽど馴染みあって美味しい。

まあ好き好きってことで。

ところてんで思い出したけれど、あれを黒蜜で食べるひとの気が知れん。

ところてんは三杯酢だろうよ!

あ、逆に葛きりを、黒蜜で食べるのではなく、

マロニーや白瀧みたく鍋の具材にするひとの気が知れん。

・・・好き好きってことで。

 


ブロックタイプのものも売られていたが・・・。

山口産なうえ、原料もテングサのみという。

これ ところてんですよね? 

 

でも食べてみると、ところてんとは違っていた。

しかも本物のおきゅうとよりも自分にゃこっちの方が食べやすかったという・・・。

 

 

 

 



コメントを投稿