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草枕

都立中高一貫校・都立高校トップ校 受験指導塾「竹の会」塾長のブログ
※2015年10月より竹の会公式HP内にブログ移転

2月指導第一日

2012年02月01日 10時40分08秒 | 
 お早うございます。本日は2月最初の指導日となります。外気は9℃と比較的高く青天が広がり強い風が吹きつけてきます。
 竹の会では、きょうから小6はいなくなり、初めての子たちが初めての指導を経験します。この子たちが、考える葦(あし)になるまでに数ヶ月以上はかかるのでしょうか。早い子もいれば遅い子もいる。勉強に耐えられなくて途中いなくなる子もたぶんいるでしょう。幼い子たちが「勉強する」ということを自分の中で「たいせつなこと」と思えるまでに成長することを祈るばかりです。
 2月、3月と塾は農閑期のような月です。かつて高校受験の中3がいたころは入試が終わると竹の会はいつもガランとしていました。数人もいない子どもたちがひっそりと勉強している光景がありました。私はこのときに疲れ果てた身も心も休めたものです。やがてもたらされる合格の報がいつも喜びと元気をもたらしました。
 2月3日は、適性検査本番、2月9日は合格発表の日です。子どもたちはこれからそれぞれにそれぞれの思いを秘めて試練の場に立ち向かうことになります。受検をめざした以上は必ず通過しなければならない試練の門です。もしこの門を成功裏に通過することが真の目的なら、通過するために何が必要かのみを考えて行動しなければならなかったということをこの門の前に来て初めて「悟る」ときです。この門をめざしていたはずなのに、「勉強だけが人生ではない」、「たまには気晴らしを」、「夏休みくらいは家族で旅行を」、「これだけは避けられないこと」、「土日は家族のために」、「・・・があるから」、などなどとどれほど時間を削いできたでしょうか。この門の前にきてこの門を通過することが目的だったと悟り、どんなにかこの門を成功裏に通過したいという思いの強さに身を焦がしたとしても、そのことのために費やした時間の絶対量のいかに少なきことか。どんな試験でも合格したいのなら、そのことのみ拘わらねばとても合格などできないという覚悟がいるのです。そうです。試験は覚悟の問題なのです。それならばこの門を通過するために必要なことのみをして生活を律してくるべきであったと思うのです。
 私はいつも合格掲示板の前に立って自分の番号を見つけるという光景をリアルに描いています。そして受検すると決意した以上、貴重な時間を無にするようなことはすべきではないと思うのです。受検すると決めたときの覚悟の問題です。受検すると決めたのに夏休みには海外へホームスティをするために出かけるなどというのは、どれほどの覚悟で受検をとらえているのかということです。
 よく受検ということで竹の会にきた子たちのはずなのに、親御さんから「勉強以外のこと」でいろいろと時間を費やすために、勉強の中断を求めてくることがありました。それは親御さんの教育方針なのでしょうから、一向にかまわない。ただ合格の門からはどんどん遠ざかっているということを承知のことなら。しかし、往々にしてそういう親御さんは本番が近づくとあたふた慌ててその対策に奔走するのですが、これはおかしなことです。それほどまでに合格したかったのかと私はそれまでの親御さんの行動と照らし合わせて訝(いぶか)ることしきりです。
 合格掲示板に自分の番号を見つけられた人というのは、それまでの覚悟のありかたが違うのです。受検すると決めたときの覚悟の問題です。もしこのときにまだ「このくらい」でなどという程度の覚悟なら、その覚悟がそのままその程度の覚悟として本番まで続くことでしょう。いつ本物の覚悟になるかは不確定のままに。
 あなたが合格掲示板の前に立ったとき、番号のある人とない人の差は、どれほどこれまでの時間をそのことだけのために費やしてきたかの差に比例しています。
 合格した人は、雨の日も風の日も「あたりまえ」のように勉強を継続してきた人たちなのです。あなたの番号が掲示板になかったのは、あなたがあるときは家族と旅行して楽しいひとときを過ごしたり、ほとんどの土日をまだ試験までまだ間があるというのでのんびりすごしたり、夏を海外で過ごしたり、習い事やお稽古事でたくさんの時間を使ったり、そういうようなことの当然の成り行きであったとは思いませんか。
 合格とは、その人の覚悟のありようです。覚悟をした人たちのみが掲示板の前でにこやかに笑っている、ただそれだけのことです。
 覚悟した人の顔は、いずれにしても爽やかで、成し遂げた者のみがもちうるいい顔をしています。
 
 
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