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『ローマ亡き後の地中海世界 上・下』読み終えました

2010-10-29 | Books
『ローマ世界の終焉 ローマ人の物語XV』(塩野 七生)を読んだあとに
そのあとローマはどうなったのだろう、と気になったので
続編ともいえる『ローマ亡き後の地中海世界 上・下』を
図書館から借りて読みました。

476年の西ローマ帝国滅亡後は、東ローマ帝国はまだ続いていましたが
イスラム教のサラセン人の海賊たちが地中海を襲ってきます。
北アフリカ側はサラセン人たちのものとなり
地中海を挟んで北がキリスト教、南がイスラム教世界となります。

この時代から現在に至るまでキリスト教とイスラム教との
争いが続いているのですね。

サラセン人に続いてトルコがコンスタンチノープルを陥落。
東ローマ帝国も1453年に滅亡してしまいます。
首都であったコンスタンチノープルもイスタンブールとなります。

キリスト教もイスラム教も一神教であること。
とくにイスラム教は後から出てきたこともあり
勢力の拡大を図る必要もあったのでしょう。

さらに、お互いに異なる宗教を認めないこともあり
共存は不可能なのでしょうね。

さらにサラセン人たちの地中海をわがものとする海賊行為により
沿岸のキリスト教諸国の被害は膨大であったとか。

殺され、あるいは連れ去られ奴隷として死ぬまで働かされる。
いま私たちが奴隷ときいて思い浮かべるのは
この時代からの奴隷の姿なのだとわかります。

ことあとも、植民地時代の奴隷、アメリカの奴隷なども
こと流れを引き継いでいるのでしょうね。

ローマ帝国時代の奴隷を考えると、同じ言葉を使うことが
間違いではないかと思いますね。

さて、この地中海を舞台とした戦いは1千年も続くわけですが
大国のパワーゲームやキリスト教とイスラム教との争い
また、同じ宗教内での異端争いなど
考えてみると、いまの時代と同じではないですか。
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