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人類のいなくなった荒廃した地球で一人黙々と働くゴミ処理ロボットウォーリー。700年の月日の中で次第に感情が芽生えていった彼の前に、ある日最新鋭のロボット“イヴ”が現われる。彼女の気を惹こうとするウォーリーだが、彼女には重大な人類の秘密が隠されていた・・・
ディズニー/ピクサーの「ファインディング・ニモ」の監督が贈る、心温まる宇宙冒険アニメ。
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小さい頃から僕はロボットが大好きだった。昔はよく科学館などでロボット博なんていう催しがあり、今思えばモーターで動くただのハリボテによく目を輝かせていたものである。「将来の夢は?」と聞かれると「科学者になってロボット作る!」と答えていたぐらいだ。そのためロボットが出てくる映画というだけで出来不出来はどうあれとりあえず観たいという衝動あり。
さて、感想。
ピクサー作品といえばまずはキャラの魅力。その点ではボクは満点をあげたい。
この映画、後半で人間が出てくるまでほとんどセリフはない。ロボットとロボット(とムシ)、この2人(?)(と一匹)のみで、そのしぐさと電子音だけで話は進むのだが、これがなんとも繊細に感情をあらわす。肩をすくめて寂しそうな様。イブのレーザーの恐怖に震える様。そして「ハロードーリー」を見ながらホイールキャップで嬉しそうに踊る様。そうこれはチャップリン映画のよう。まさにピクサーの本領を存分に発揮といったところ。
またロボットの造詣もすばらしい。ぼろぼろの旧式のウォーリーと、ピカピカの新型のイブ。たぶんウォーリーは旧式マッキントッシュで(充電完了音がマックの起動音だし)、イブは新機種のマッキントッシュ(もしくはiPod)をイメージしているのだろう。そんなギミックも理系男子には泣ける。
そしてこの映画、「ボーイ・ミーツ・ガール」ものとしても観ることができる。労働者階級の男子と裕福な家庭の女子が恋に落ちるというアレ。「あぁ、あのキレイなロボットとお友達になりたい、手をつなぎたい。」でも彼女は振り向いてくれない。しかも近づけばレーザー銃が襲ってくる始末。しかし次第に彼女も彼の純真さに興味⇒惹かれていく。ウォーリーが自分の家(メンテナンス倉庫)に連れて行き、嬉しそうにイブにあれこれと宝物を見せる様ときたらどうだ。青春の甘酸っぱさを思い出し、少々嬉れし照れることしかり。
あとのお話は、なぜ人類は地球からいなくなったのか、イブが地球に来た目的は?、人類はどうなるのか、そしてウォーリーは!?といろいろあるのですが、まま、この辺は分かりやすい展開でよろしい。ただしちょっと最後に詰めの甘さがあるのが残念。
最期のエンドロール時にストーリーのその後を見せる手法は、ジブリアニメを参考にしてそうだ。日本アニメのよさも取り入れられている。
監督は「ファインディング・ニモ」のアンドリュー・スタントン。ストーリーはニモの方がワクワク感ありと思う。しかしとにもかくにも本作はキャラの魅力を感じて欲しい。
昔「ショート・サーキット」というロボットが落雷で人間の感情をもってしまうというセンチメンタルコメディーがあった。この映画に登場するロボットジョニー5がボクは大好きだった。このジョニー5が一部ウォーリーのデザインの参考になっているかと思う。製作者達もジョニー5好きなのか。そんなところでのつながりもうれしい。
ところでこのジョニー5、昨年eBayでオークションにかかっており本気で欲しいと思ったりして。落札額は12万ドル。
ちなみにボクは結局科学者ではなくインターネット技術者になってしまったのだが、数年前たまたまロボットとネットの融合という国の実証実験に参加することができ、夢は叶ったのでした。めでたし。
評価:★★★★☆
単純にウォーリーがかわゆいです。あと「外来の汚染物質」くん最高!
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