明るいときに見えないものが暗闇では見える。

映画を消費モノにさせないための咀嚼用ブログ。自己満足風。
それと苦手な文章の練習用。

【1408】 キングらしさ際立つ

2009年01月15日 | 映画


***
幽霊も神も信じないという怪奇スポットのルポライターであるマイクは、「1408号室に入るな」という差出人不明のハガキを受け取る。創業95年というそのホテルを訪れてみると、その部屋に足を踏み入れた者は1時間以内に死に既に56人が命を落としたという。マイクは支配人の言葉に耳を貸さず、1408号室のドアへと鍵を通すのだが…
原作スティーブン・キング、主演はジョン・キューザックとサミュエル・L・ジャクソンと豪華なスマッシュホラー。
***

呪われた部屋や建物が意思を持ったかのように振る舞い、訪れる人間を恐怖に落とし入れるという物語はよくある。
同じキング原作の名作「シャイニング」も同様であろう。また主人公が作家という点でも「ミザリー」「シークレット・ウィンドウ」などにもカブる。そういう意味で本作はキングの真骨頂といったところ。

ただし逆を言えばストーリーにも想像がつく作品。
見始めると、ああやっぱり、ああこの作品ではこうくるか、といった感じ。特に突飛に裏切られることもない。

ところがつまらないかというと、これが面白い。

霊なぞ全部嘘っぱちであると公言する主人公。突然現れるベットの上のチョコ。ドアノブが壊れ部屋に幽閉。突然ラジオが鳴り出し、時計が60分のカウントダウンを始める。窓は壁となり、部屋は徐々にその恐怖をあらわにしていく。その一つ一つの恐怖の積み上げがとても丁寧で、最初は主人公とともにへっちゃらな観客も、徐々に徐々にその恐怖にのめりこむ。大きい音で脅かすギミックも適度に挿入。ちょっとしたお化け屋敷感覚でも楽しませる。


全編ほとんどがジョン・キューザックの一人芝居であるが、要所要所に登場する支配人役のサミュエル・L・ジャクソンが強烈な個性を発揮している。主人公と支配人との部屋に入れる入れないの丁々発止の掛け合いが実に面白い。クセ俳優同士のガチンコ対決といった様相。短いシーンではあるがここだけで見る価値ありか。(DVDでいいと思いますが(^_^; )


実際のところ前述のキング作品群へのオマージュとみられるような場面も多数見受けられ、その点でもキングファンには楽しめる作りとなっている。

身も凍るほどの恐怖を味わいたいという人には向かないかも。また難解な不条理ホラーを求める人も消化不良だろう。
謎も恐怖もちょうどよいサジ加減。万人向きホラーかと思う。

昨年の僕の劇場観賞No.1作品はキング原作の『ミスト』であった。今年もキング作品から目が離せない。


原作小説は短編とのこと。ちょっと読み比べてみたい。



評価:★★★☆☆


おまけ:
 これ、Youtubeで見つけた別エンディング。僕は本編の方が好きかな。
 必ず本編を見てからどうぞ。


にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ 
↑ブログランキング参加中です。ポチッとご協力お願いします。




最新の画像もっと見る

コメントを投稿