設計はライフスタイルに従う

住まいをつくるとは「ありたい生活」をデザインすること。気候風土・環境地形を考慮し、端正で豊かな空間を目指す建築家の雑感。

H様邸 打ち合わせ ― 6

2011-07-03 09:28:37 | Weblog
7月1日、フロムフォーにてH様邸の打ち合わせが行われた。

打ち合わせ内容は、造り付け家具の検討、使用する材料の確認など。
靴のサイズに合わせた靴箱や食器棚、洗面周りの収納など用途に合わせて
1/10の図面やカタログで寸法を確認する。
細かい寸法をミリ単位で検討しする、大切で根気のいる作業だ。

家づくりは本当に決めることが多い。
検討・確認・施工の繰り返しだ。

大変なことのはずなのに、Hさんとの打ち合わせは穏やかで楽しい。
今日も何回、笑っただろうか。
あたたかいものを、おすそ分けしてもらっている気がする。

その後、現場へ移動する。

現場では床の仕上げが貼られている。
桧の良い香りがして、美しい木目である。

今日は暑い日だったが、風がよく通る。
心地よい空間になりそうだ。

H様邸 打ち合わせ―5

2011-06-12 14:12:00 | Weblog


6月12日、H様邸の現場にて打ち合わせが行われた。

現場の状況は、外壁の下地が貼られ、断熱材やサッシがはめられている。
ユニットバスも設置された。
階高や部屋の面積が明らかとなり、家らしくなってきている。

空調機やコンセントや照明などの位置を図面と照らし合わせ、完成後の生活を思い浮かべながら打ち合わせをしていく。
まだ内部が完成されていない状態で、部屋の機能と暮らしぶりを想像するのは大変なことではあるが、夢があり楽しい作業でもある。

こっちに来たときに一箇所で照明が消せるように・・・
料理するときに使いやすいように・・・

後から変更ができない配線の位置などを中心に、確認・検討が行われた。

照明の色や器具の形で空間の雰囲気は大きく変わるため、お施主さんの好みや設計者の考えが出るところである。

部屋の内装と照明でどのような空間になるのか、楽しみだ。


H様邸 上棟式

2011-05-10 19:52:19 | Weblog
5月10日、H様邸の上棟式が行われた。

天気予報は午後から雨で、所により激しく降る、とのこと。
何とか雨が持ちこたえてくれるようにと祈りつつ、現場を見学する。

職人さんたち7人ほどで、柱・梁・屋根などの構造材が組まれていく。
手際が良い作業で、無駄な動きがない。
仕事が早く、ピタリと納める。
作業と同時に掃除をしていくので、常に良い状態に保たれている。
あっという間にH様邸の外観が見えてくる。
職人さんの仕事に感嘆の声をあげてしまう。

防水シートを貼る頃に、本格的に雨が降りだしてしまった。
あと少し、あと少し・・・


シートが無事に貼られ、上棟式が行われた。

雨が降っているにもかかわらず、ふわりと明るい。
Hさんをはじめ、設計者、施工者のスピーチに聞き入る。

現場は大変だが、上棟式に雨が降りこむことは縁起が良いとされる。

野地板が張ってあるため、雨に濡れることがない。
当たり前のことだが、家は風雨をしのぐ役割があることを実感する。
生きていく上で必要なものだと。

振舞われたお神酒がおいしい。
無事に上棟式が行われ、立ち会えたことを嬉しく思う。

H様邸 打ち合わせ ― 4

2011-04-16 16:28:14 | Weblog
4月16日、フロムフォーにて第4回のH様邸の打ち合わせが行われた。

いつものメンバーが集まり、前回の打ち合わせの内容の確認からスタート。
今日の打ち合わせの内容は、冷暖房設備の設置箇所と仕様、現しとなる柱の材料決め、工程の確認など。

室内での打ち合わせ後、現場へ移動する。
敷地には捨コンが打設され、配筋が運ばれ
ていた。基礎をつくる準備である。
捨てコンには墨だしがしてあり、捨てコンの周りを囲んだ水ぬきには通り芯の位置が割り出されている。
この水ぬきは進入防止の囲いではなく、家を組み立てていく壁や柱の位置を出す基準となるもので、うっかり動かすと支障がでる。
建設現場では、一見して野ざらしに見えるものでも、重要な意味を持っている場合があるので注意が必要である。

屋外で屋根の色を検討する。
ガルバリウム鋼板のシルバー系を見比べる。
同じシルバー系でも、天候や見る方向など光の入り具合によって色の見え方が微妙に変化する。
最後は娘さんの「こっちが好き」という仕草で色が決定した。

みんなで家づくり。
天気も良いし、暖かい。
捨てコンの状態とはいえ、無彩色で美しいし、おもしろい。
子どもたちのように走り回りたい気持ちはよくわかる。

H様邸 打ち合わせ ― 3

2011-04-09 13:41:40 | Weblog


4月9日、フロムフォーにて第3回のH様邸の打ち合わせが行われた。

集まったのは、前回と同じメンバーと、太陽光発電など設備の専門業者である。
打ち合わせの内容は、太陽光発電の設置に伴う漏水処理と補償について、床下点検口の位置、施工図の確認など。

設備の検討をするときは、家そのものの耐用年数より設備の耐用年数が短いことを考慮しなければならない。
漏水などの可能性がある施工が行われる場合、後に問題にならないよう、責任の所在を明確にしておく必要がある。
お施主さんに、設備の特徴や施工のことを理解していただくことも重要である。

想定される事態に対処できるように、また想定できない事態が起きたときでも対処しやすいように、より細かい納まりや施工の方法について確認する。
元の図面に少しずつ手を加え、より良いものにしていく。

今日は雨のため、現場は小休止。
設定した高さでフラットに地ならししてある。
敷地の端には、つくしが生え、やわらかい雰囲気がある。
現場も春めいている。


H様邸 打ち合わせ ― 2

2011-04-02 13:45:07 | Weblog
      



4月2日、フロムフォーにて第2回のH様邸の打ち合わせが行われた。

集まったのは、前回同様、Hさんご一家と設計監理者、施工者である。
打ち合わせの内容は、ユニットバスや洗面周りの建具、給湯器や浄化槽の位置、屋根や額縁の色の検討など。
機器の大きさや騒音、配管経路、生活動線といったさまざまな要素を考慮し、最適な方法を探る作業だ。
工程に合わせて優先される内容から決定していく。

室内での打ち合わせの後、建設現場へ移動した。
テレビアンテナの位置など、その場で検討する。

現場では杭打ちが行われていた。
重機が入った迫力の基礎作りを間近に見る。
鮮やかな作業にみとれてしまう。

いよいよ現場が動き出した。
お隣さんの鯉のぼりと同じように、元気にバタバタし始めている。

H様邸 打ち合わせ ― 1

2011-03-26 14:43:02 | Weblog
3月26日、フロムフォーにて第1回のH様邸の打ち合わせが行われた。

集まったのは、Hさんご一家と設計監理者、施工のプロたちである。

打ち合わせの内容は、給排水設備や雨水処理などの設備に関すること、GLの設定や敷地境界の処置のことなど。

雨仕まいの検討や、機械設備の故障や老朽化にともなうメンテナンス工事がしやすいか、見た目への影響、今後、長いお付き合いになる近隣の方への配慮などを、まだ着工されぬこの時点から設計図を再度慎重に検討していく。   
    
専門用語が飛び交う中で、気がつけば一部で駐車場の検討も行われ・・・?

 
  

次回の打ち合わせの日程を確認し、終始、なごやかな雰囲気のまま本日の打ち合わせは終了となった。

「建築家展 in 浜松」 のお知らせ

2011-03-23 19:33:43 | Weblog
JIA静岡主催で「建築家展 in 浜松」が行われます。

静岡県で活躍する建築家の作品展です。

建築作品のパネル・模型の展示や建築家による住まいに関する無料相談を開催します。

物づくり・建築家との家づくりに興味のある方は、ぜひご来場ください。

私は、27(日)、30(水)に当番で会場にいます。



   JIA静岡主催 「建築家展 in 浜松」

   日時:3/26(土)~3/30(水)
      AM 10:00 ~ PM 5:00(3月30日はPM 2:00まで)

   会場:しずぎんギャラリー四季 浜松
      アゴラ浜松8階(静岡銀行浜松営業部)
      〒430-0944
      浜松市中区田町322-7
   
   電話:053-453-1461


   *************************************
   JIA静岡事務局
   〒420-0033
   静岡市葵区昭和町3-1 昭和町ビル603号
   (社)日本建築家協会東海支部静岡地域会
   TEL054-221-8855 FAX054-221-8865
   e-mail:jia-shizuoka@hyper.ocn.ne.jp
   http://www.jia-tokai.org/shizuoka/
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H様邸 地鎮祭

2011-03-21 11:01:30 | Weblog
3月20日の良く晴れた日曜日、掛川市郊外でH様邸の地鎮祭が行われた。

Hさんとの出会いは、Hさんがフロムフォーを訪れたことに始まる。
フロムフォーでは登録建築家が複数名おり、お施主さんと建築家の仲人をしている。

Hさんが購入を考えていた土地は、環境が良く住むには申し分ない場所だが、敷地は三角形に変形している。
Hさんはフロムフォーを訪れると同時期に、住宅メーカーも訪れているが、「商品としてある形」を土地の上に乗せただけの提案しかされなかった。
変形した土地に「既存の形」を当てはめても、無理が生じる。

そこで、建築家との家づくりが始まった。

Hさんの趣味やこんな風に暮らしたい、という漠然としたイメージから始まり、具体的な生活の細かい動作までを設計に反映する。
大変でありながら楽しい家作りの時間がすぎていく・・・

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そして、穏やかな春の日、地鎮祭が行われた。

ちいさい背中と大きい背中がまだ何もない場所に厳かに並ぶ。
てんとう虫や、きれいになる予定のイモ虫まで顔をだす。

「工事が無事に行われ・・・H様家のますますのご繁栄・・・」

神主さんの言うことに、心からそう願う。

とても幸せな風景だ。


雑誌掲載

2007-06-17 17:55:07 | Weblog

設計監理した2棟の住宅が雑誌に掲載されました。

「家創り人静岡」というタイトルのA4版です。掛川でも自分を含め6人の作品が取り上げられております。

掛川市遊家のY邸は特集記事で、浜松市中沢町のT邸とどちらも小さな住まいで大きな暮らしをテーマにしております。

本屋さんの住宅雑誌コーナーでここ1ヶ月ほどは平積みにされていると思います。
興味のある方はご覧になってみてください。