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税金還付シマくり隊が行く!

国を甘やかしてはならない。返してもらえるものは返して貰おう。キーワードは、帳簿と税法。勉強シマくりましょう!

あなたは、所得控除を使い切っていますか?

2005-03-12 23:51:29 | 税法

  人事を尽くして天命を待つ


所得控除は、所得税の計算において

     ”もうけ”を減らす

効果があることは以前述べた。そこで疑問が湧く。

   所得控除が多すぎたらどうなるの?

結論を言おう。’もうけ’は

       マイナスにはならない

つまり、多すぎる所得控除は切り捨てられそれ以上役に
立たない。まあ、厳密に言えば全く効果がないとは言え
ないが、所得税に関して言えばこれ以上税金を減らす効
果はない。
だったら、こうは考えられないだろうか?

   切り捨てられる部分があるくらいなら、
   その部分を誰か他の人に使えないだろうか?

そのとおり。それは可能である。こんな例がある。

ここに自営業者の男がいる。彼の奥さんは会社員である。
そして子供さんが2人。今年は、彼の事業の業績が悪く、
利益があまりでなかった。そこで、彼は確定申告のため
税額の試算をした。以下にその計算過程を示す。

  ①事業所得   100万円
  ②所得控除
    社会保険料控除  30万円
    生命保険料控除   5万円
    扶養控除    101万円
    基礎控除     38万円
    合計      174万円
  ③課税所得金額(税法でいう’もうけ’)
   ①-②=0

税金は、③の金額の千円未満の端数を切り捨て、
その大きさに応じた税率をかけて計算する。
(もちろん厳密にはこの先にも計算することは
あるが、ここでは話をわかりやすくするために
省略する。)
彼は、税金が出ないと喜んだが(業績が悪いんで
大手を振って喜んだわけではない)、果たして
これでハッピーエンドだろうか?

申し訳ないがそうではない。事業所得という税法
の世界からみた事業の利益は、100万円しかな
い。なのに、そこから引ける所得控除額は174
万円。74万円も無駄になっている。

自営業者にはありがちなパターンである。税理士
さんに決算から申告まで丸投げしている人は、
この無駄に気づかない。会計事務所がもし、彼の
家族の状況をもっとちゃんと把握していれば、
この無駄は避けられたかもしれない。しかし、
専門家といえども、神様ではない。万能ではない
ということだ。自営業者自身も、専門家にどんな
ことをちゃんと伝えれば、最善の処理をしてもら
えるかわかっていない。当然といえば当然である。
それでは、専門家がもし状況を適切に把握できて
いればどうだったのか?

  子供を奥さんの扶養にすること

で奥さんの所得を圧縮できたはずだ。彼と奥さん
両方の所得から認められるすべての所得控除が差し
引けるようにできればその家族全体でみれば所得税
を最小に押さえることができたのだ。

 あなたは、所得控除を使い切っていますか?

それでは、またお会いできる日を楽しみに。