小林昭夫の世界

グラフィックデザイナーを経て、児童文学の世界を広げ続けてきました。
作品を更新して行きますので、読んでみてくださいね。

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カミナリ雷太と青い手紙  おわり

2017-01-04 15:53:51 | 文学作品
飛行機のコクピットには機長の泉さんと、老夫人がいます。

「よく前を見ててくださいよ。」

機長の泉さんが、老夫人の手を握りました。

青い空には、雲一つなく下には雪をかぶった山々がはっきり見えます。

「・・・・・」

と、その時です。




「ああ!まあっ」




老夫人が泉さんの手を強く握り返しました。前方に猫の「トモ」が空に向かってはしっている姿が見えます。

「トモ」は飛行機を振り向いて鳴き声をあげて、そのまま青い空にグングンのぼって行きました。

老夫人の目がゆらゆらと光っています。

泉さんもハッキリと見ました。




「トモが天にのぼっていく・・・・」




飛行機は二回も三回もまわりました。

「トモ」の姿は、もう小さな点にしか見えませんが、白い羽がキラキラいつまでも光っていました。

飛行機も遠ざかり、もう、何も見えなくなりました。




それから何日もたちました。

雷太のもとに今度はオレンジ色の手紙が舞い降りてきました。

機長の泉さんからです。




「前略 遅くなってすみません。

カミナリ様 本当にありがとうございました。

老夫人は、あの日からとっても元気になったのです。安心したのでしょうね。電話で私に、また猫を飼いたいと言ってきましたよ。まだまだ元気でいてほしいのです。

実は老夫人は、わたしの叔母様です。

ありがとうございました。




泉 トシオ」




雷太はうなずくと、手紙と写真を引き出しにそっとしまいました。

太鼓をトトトン、トン!とたたくと、カミナリの雷太はいっぱいの雨雲といっしょに、

「おつとめ出発!」と号令をかけ、駆けだして行きました。







おわり













ジャンル:
小説
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