飛行機のコクピットには機長の泉さんと、老夫人がいます。
「よく前を見ててくださいよ。」
機長の泉さんが、老夫人の手を握りました。
青い空には、雲一つなく下には雪をかぶった山々がはっきり見えます。
「・・・・・」
と、その時です。
「ああ!まあっ」
老夫人が泉さんの手を強く握り返しました。前方に猫の「トモ」が空に向かってはしっている姿が見えます。
「トモ」は飛行機を振り向いて鳴き声をあげて、そのまま青い空にグングンのぼって行きました。
老夫人の目がゆらゆらと光っています。
泉さんもハッキリと見ました。
「トモが天にのぼっていく・・・・」
飛行機は二回も三回もまわりました。
「トモ」の姿は、もう小さな点にしか見えませんが、白い羽がキラキラいつまでも光っていました。
飛行機も遠ざかり、もう、何も見えなくなりました。
それから何日もたちました。
雷太のもとに今度はオレンジ色の手紙が舞い降りてきました。
機長の泉さんからです。
「前略 遅くなってすみません。
カミナリ様 本当にありがとうございました。
老夫人は、あの日からとっても元気になったのです。安心したのでしょうね。電話で私に、また猫を飼いたいと言ってきましたよ。まだまだ元気でいてほしいのです。
実は老夫人は、わたしの叔母様です。
ありがとうございました。
泉 トシオ」
雷太はうなずくと、手紙と写真を引き出しにそっとしまいました。
太鼓をトトトン、トン!とたたくと、カミナリの雷太はいっぱいの雨雲といっしょに、
「おつとめ出発!」と号令をかけ、駆けだして行きました。
おわり
「よく前を見ててくださいよ。」
機長の泉さんが、老夫人の手を握りました。
青い空には、雲一つなく下には雪をかぶった山々がはっきり見えます。
「・・・・・」
と、その時です。
「ああ!まあっ」
老夫人が泉さんの手を強く握り返しました。前方に猫の「トモ」が空に向かってはしっている姿が見えます。
「トモ」は飛行機を振り向いて鳴き声をあげて、そのまま青い空にグングンのぼって行きました。
老夫人の目がゆらゆらと光っています。
泉さんもハッキリと見ました。
「トモが天にのぼっていく・・・・」
飛行機は二回も三回もまわりました。
「トモ」の姿は、もう小さな点にしか見えませんが、白い羽がキラキラいつまでも光っていました。
飛行機も遠ざかり、もう、何も見えなくなりました。
それから何日もたちました。
雷太のもとに今度はオレンジ色の手紙が舞い降りてきました。
機長の泉さんからです。
「前略 遅くなってすみません。
カミナリ様 本当にありがとうございました。
老夫人は、あの日からとっても元気になったのです。安心したのでしょうね。電話で私に、また猫を飼いたいと言ってきましたよ。まだまだ元気でいてほしいのです。
実は老夫人は、わたしの叔母様です。
ありがとうございました。
泉 トシオ」
雷太はうなずくと、手紙と写真を引き出しにそっとしまいました。
太鼓をトトトン、トン!とたたくと、カミナリの雷太はいっぱいの雨雲といっしょに、
「おつとめ出発!」と号令をかけ、駆けだして行きました。
おわり
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます