おつとめのない日の雷太は、高い雲の上に座り、トン、トン、ストトンと、太鼓をたたきます。
あっちからも、こっちからも雲が集まってきて、雷太のまわりを取り囲みます。雷太は雲をすくうと、両手で軽く固め、鳥や、動物を作り、空に放ちます。鳥になった雲たちは、パタパタと羽根を動かして、いっぱい空を飛んでいます。ウサギになった雲たちも、ピョンピョンと雲の谷をかけずりまわり、それから三十分もすると、もとの雲にもどってしまいます。
カミナリの雷太は、そのようすを見つめていると、「ウフッ、ウフフフ」と笑いました。
雷太の一番楽しいひと時です。
と、その時です。
目の前の雲の山を突きやぶって、飛行機が現れると、グオーと大きな音とともに、雷太のそばを通り過ぎました。
雲に戻りかけた鳥が、しりもちをついている雷太の方にとまり言いました。
「あぶなかったね、でも、ここは飛行機の通り道なんですよ!」
「ふうー、おどろいた!」
雷太は目を白黒させていますが、鳥はその時には雲になり、フワリ、フワリと浮いています。
つづく
あっちからも、こっちからも雲が集まってきて、雷太のまわりを取り囲みます。雷太は雲をすくうと、両手で軽く固め、鳥や、動物を作り、空に放ちます。鳥になった雲たちは、パタパタと羽根を動かして、いっぱい空を飛んでいます。ウサギになった雲たちも、ピョンピョンと雲の谷をかけずりまわり、それから三十分もすると、もとの雲にもどってしまいます。
カミナリの雷太は、そのようすを見つめていると、「ウフッ、ウフフフ」と笑いました。
雷太の一番楽しいひと時です。
と、その時です。
目の前の雲の山を突きやぶって、飛行機が現れると、グオーと大きな音とともに、雷太のそばを通り過ぎました。
雲に戻りかけた鳥が、しりもちをついている雷太の方にとまり言いました。
「あぶなかったね、でも、ここは飛行機の通り道なんですよ!」
「ふうー、おどろいた!」
雷太は目を白黒させていますが、鳥はその時には雲になり、フワリ、フワリと浮いています。
つづく
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