田神六兎の明るい日記帳

田神六兎の過去、現在、そして起こるであろう出来事を楽しく明るくお伝えします。

長時間残業「自慢合戦」

2016年10月19日 | 日記
 大手広告代理店の若い女性社員が過労により鬱病を発症し自ら命を絶った事件がありました。なんとも痛ましい事件です。若い社員を病に至らせたのが、上司による、残業時間の自慢合戦も原因の一つではなかろうかとの意見がありました。私もそれに似た経験があります。
 
 今からン十年前の新社会人の頃の話から始めます。当時もチーム制でしたが、チーフが帰るまで新人は帰れない暗黙のルールがありました。大学最上級で威張っていた若者が会社という組織に入り、二才年下であるのに職務経験は二年も先輩に当たる高卒社員との折り合いは、最初の人生試練だったと思います。当時の私は同期入社の人達が高卒、高専卒でしたので、同期入社を束ねなけねばなりませんでした。ですから、新入社員に課せられた朝の掃除、お茶出し、便所掃除を年下の子達と同様にしました。『一年間は女性職員の苦労を知れ』との社長の考えでした。私は正しいと今でも思っています。
 
 夏に近づいたある日の朝、所長から呼び出され「君が掃除していると、君より年下の子達がやりにくいそうだ。掃除はしなくても良い」と言われました。これをそのまま解釈するほど素直じゃ無かった私は、その日のうちに年下の人達に「申し訳ありません。気遣いありがとうね」と謝辞を言いながらタメ口で話すようにしました。朝の行事は変わりませんでしたが、呼び方が『田神さん』とさん付けになりました。ほどなくチーフに「早く帰りましょうよ」と言えるようになりました。
 
 塾講師時代の話です。私を含め多くの講師は兼業でした。塾では日曜日に働くのですが、たいていは本業の仕事が無く、やむなくアルバイトをしている講師が多かったのは事実です。そのうち会社も私達の古株に高い時間給を払うより、時間給が安い若い講師を使うようになりました。そして若い講師達を競わせるようになりました。教え方で競わせるのは良いことですが、合格率やサービス残業を評価するようになりました。付き合わされる受講生や若い塾社員が犠牲になりました。受講生は退学という最終手段があるのですが、若い社員は塾に縛られ、講師が帰るまで延々と会社勤務を強いられました。
 
 試験は決まった時間で回答しなければなりません。ダラダラと延長講義をして、終了時間を自慢し合う風潮を何度も問題視しましたが、会社は利益を求めました。結局全国の塾において一人、二人と鬱社員が現れても、弱いからだと言われました。ブラック企業は上層部の企みばかりではなく、社員の中からでも意図せず生まれるものです。

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