「ジンベイザメ&マンタと泳げる!」
その情報を初めて見たのはザンジバルだった。
モザンビークのトーフ。
国も知らない、場所も、名前も聞いたこと無い。
でも共演を夢見てモザンビーク行きはあっという間に決定。
ようやくその場所を訪れる。
南アフリカからモザンビーク、
国境を越えると山盛りのマンゴー、ドリンク、日用品を並べた露店。
赤土の台地が広がり、一気にアフリカらしさを取り戻す。
首都のマプトからトーフへ、
いつものハイエースが並ぶバスターミナルから向かうこと7時間。
当然道は未舗装。
雨上がりでそこいら中に水溜り。
ギュウギュウ詰めの車内、凸凹道で揺れる車、
群がる物売り。
やっぱりこれがアフリカン・スタンダード。
到着したトーフの町。
鮮やかな布が出迎えてくれる。
そこにはツーリスト向けのレストランと宿がいくつかあるだけ。
あとはやたらと露店の酒屋が多かった気がする。
でも一番お世話になったのは露店のおばちゃん。
つまり大した店はありません。
町っていうよりも、集落に近い。
早速ダイブショップで申し込み、海へ。
「1,2,3」
全員でモーター付きゴムボートを浜辺から押し出し沖へ出る。
海面を跳ねるように進む。
全身に当たる風が気持ちいい。
でも問題はポイントに到着してから。
大した波じゃないのに小さなゴムボートはゆらゆら、ゆらゆら...
機材を装着している間に船酔い...
インストラクターの合図でようやく海の中へ。
透明度は低く、潮流で思うように進まない。
でも、凄かった!!
自分の視界を埋め尽くす魚、魚、魚、魚、魚!!
次々現われる小魚の群れ、それを追う大きな魚。
右も、左も、上も、下も。
魚に埋め尽くされている。
ホント、ダイビング始めてよかった!
そう思っているとインストラクターがどこかで鐘を鳴らす。
辺りを見回す。
いた!!
大きな体。
それは海の中を飛んでいた。
オニイトマキエイ。
通称マンタ。
その姿はあっという間に濃紺の海の奥へ。
会えたのはほんの数秒。
でも今もはっきりとその姿が頭に焼き付いている。
30分という少し短いダイブ。
ジンベイには会えなかったけど、忘れられない。
次は夢を叶えるため、マダガスカルへ。