日蓮への路

日本を愛していた日蓮を偲んでのブロクです。

仏性について

2005-07-21 00:02:15 | 日蓮について
法華経を理解するため、仏性について見てみましょう。

まずは、一般論として意味を調べてみましょう。三省堂提供「大辞林 第二版」より

仏性(ぶっしょう)
〔仏〕 としての性質。の本性。仏となれる可能性。大乗仏教では、すべてのものにそのような性質・能力がそなわっているという。
「いづれも―具せる身をへだつるのみこそかなしけれ/平家 1」

仏性同体(ぶっしょうどうたい)
人は皆仏性をもっているから、仏と同体であるということ

仏性(ほとけしょう)
仏のように慈悲深い性質。


仏性-ウィキペディア(Wikipedia)より

大乗の大般涅槃経では全ての衆生の生命に「仏に成る種」、すなわち仏性があると説き、この仏性を開発し自由自在に発揮することで、煩悩が残された状態であっても全ての苦しみに煩わされることなく、また他の衆生の苦しみをも救っていける境涯を開くことができると説いている。この仏性が顕現し有効に活用されている状態を成仏といい、仏法修行の究極の目的とされている。

→顕現(けんげん)
(名)スル
(1)(神などが)はっきりした形をとって現れること。
(2)現れ出ること。
「三十万の人戸一時に―し/日本風景論(重昂)」


仏性-ウィキペディア(Wikipedia)より

特に、初期大乗経典である法華経においては、それ以前の経典では成仏できないとされていた部類の衆生にも二乗成仏、女人成仏、悪人成仏などが説かれ、その後成立した大般涅槃経で一切の衆生に仏性が等しく存在することが説かれ、一切衆生悉有仏性の根本理念が完成を見るに至った。

しかし、さらに時代を下り解深密経などでは、衆生には明らかに機根の差があり誰もが成仏できるわけではないと説く。そして法華経が一乗を説くのは、能力のない衆生が意欲をなくすのを防ぐための方便である、と説く。

→機根/気根
(名)
(1)物事にたえられる気力。根気。
(2)〔仏〕 仏の教えを聞いて、悟りを開くための基盤となる、衆生(しゆじよう)の宗教的性質・能力。機。
→正機(しようき)
(3)(「御気根に」の形で)お気のままに。御自由に。座を立つときの挨拶(あいさつ)にいう語。
「あいあいそんなら御―に/浄瑠璃・躾方武士鑑」
(形動)
〔近世語〕根気のあるさま。
「さきから―に弾きやす/洒落本・売花新駅」

→正機(しょうき)
〔仏〕 教化・救済を受ける条件を適切に備えている人々。
→気根(きこん)


仏性とは、何でしょうか?

大乗仏教に於いて、仏性の現れている状態である成仏を、仏法修行の究極の目的としているようです。特に法華経では、すべての衆生に仏性があるとし、成仏するとされたようです。しかし、後の時代に解深密経などでは、衆生の明らかな機根の差より、すべての衆生が、仏法修行の究極の目的である成仏が出来るというのは、方便であるとしているようです。

仏性と機根の差というのは、まさに現実であり、それゆえに、仏教が成立したのではないかなと思われる決定的な意味合いがありそうに思います。何も言われなくとも、一般的には、人のために生きるものでしょう。

知らない人さえも幸せであるようにとお米を作ってくれる人々、働いている人々が幸せになれるようにと、美味しい食事をごちそうしてくれる食堂の人々、暮らしやすい家を建ててくれる人々、そして、人々を苦しみから救おうと仏道に入る人々などなど、みんな、みんな、普通のですよね。

それゆえに、仏教(宗教)は人々に理解されるのだと思われます。



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