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[映画] 寄生獣

2014-11-29 | 映画
実写版「寄生獣」を川崎109シネマズにて観て来ました

今回は山崎貴監督作品恒例の、英文字タイトルにはなっていないんですな……以前にどこかで、「寄生獣-parasite-」的なタイトル表記を見た気がしたんですが、気のせいだったかな(^0^;)

東京国際映画祭で先行公開された頃から2ちゃんのスレも読まず、ほとんどの事前情報を遮断した状態で観に行ったんですが、オレの中でのイメージとしては、”(原作から)七割くらい改変” されてるんだろうなと踏んでいました……何せ、単行本にして全十巻分の内容を(前後編で)正味四時間前後にまとめなければならないワケですよね

もう想像するだけで実写版に携わる人たちの絶望感が伝わって来るようでしたが(;´Д`)、古沢良太が脚本、山崎貴が監督を手がける鉄板の布陣に望みをかけて、公開を一日千秋の思いで待っておりました(-人-)

で、実際に観てみた感想ですが、メチャメチャ面白かったです!

”改変七割” という事前イメージは実際のそれとかなり近い印象で、最近のオレがムービーコミック版(改変ゼロ)と、アニメ版(改変三割)という2パターンの映像化作品を立て続けに観てきてる事もあってか、その大きな改変度合いはほとんど気にならなかったです

むしろ実写ならではの、漫画やアニメでは出来なかった表現にかなり感心した出来となっていましたねヽ( ̄▽ ̄)ノ

実写化の一番の恩恵と言えばその情報量の多さで、ただの風景から凄惨な死体描写まで、視覚的なインパクトはやはりとんでもないです……ミギーを始めとした寄生生物のディテールや動きも非常にハイレベルで、この辺は山崎監督が20年来、いつか映像化を手がけたかったというこだわりや思い入れが存分に込められているのが伝わってきました

個人的には、アニメ版においては金属質の刃物に変形していた寄生生物が、”肉体” の延長線上の(爪や骨に近い)質感で硬質化、刃物化していて原作にかなり忠実なイメージで表現されているのが良かったですねえ……刃同士が衝突する独特な音なんかも相当こだわりが感じられて素晴らしかったです

出演している染谷将太のシンイチ、阿部サダヲのミギーも、ちょっと脳天気すぎるきらいはありましたがw、違和感みたいなのはほとんど感じる間もありませんでしたね……わかりやすい、アメコミヒーロー的な演出に敢えてしている部分で反発もあるかもしれませんが、これはこれで「寄生獣」という世界観で ”有り得た” 物語の一パターンなんじゃないかとオレはすんなり受け入れる事が出来ました

話の展開についてはまさに換骨奪胎していて、原作の主な要素をキレイにまとめていたと思います(…一部、投げっぱなしに感じた部分もありますが、ひょっとしたら後編の方で回収されるかもしれませんのでその辺りの判断は現状だと保留ですね)

先の展開を知っている原作ファンの想像を裏切る、新鮮な展開にも唸らされました( ゜∀゜)o彡゜



以下ネタバレ感想:
おそらく原作ファンから一番の反感を買いそうな改変要素である、母親の意志がシンイチを助けた展開ですが(天ぷら鍋を反射的に掴んだというシーンを回想シーンとしてハッキリと見せておくべきだったと思うんですが、ラストの行動と合わせてくどくなっちゃいますかねえ…)、オレが思い出したのは臓器移植を受けた人のハナシでした

心臓等の臓器を提供した人の記憶が他人に受け継がれるという、フィクションでもよくある都市伝説みたいな症例ですが、人間の記憶は脳だけにあるわけではなくて(記憶の生成に脳が大いに関係しているのは間違いないでしょうが)、それこそ全身の細胞の一つ一つにあるのかもしれないっていう考えがオレには結構受け入れられたんですね……だから今回のシンイチの母の記憶というか意志が、ああいう風に顕現したという流れもアリかなというカンジでした

どちらかと言うと、田宮良子に加えられた改変の方がちょっと先行きが不安だったりします(^_^;)……”命令” を受けていなかったり、個性が豊かというだけでは考えられないくらい、人間に近い存在になってしまってるのが流石に気になりました

まあでも、”ネットワーク” での ”浮き具合” がちょっとあからさまとは言っても、原作に沿っていないワケではないのでそんなに気にする必要も無いかもしれないんですが……ただ、(島田戦での)”詰めが甘い”っていう部分だけはちょっと許せませんでしたヾ(`Д´)ノ"

島田秀夫に関しては東出昌大の ”人間離れ” した空気がハマリ過ぎでw、実写の役者陣の中でも一番成功してる役柄に感じました……正体がバレて暴走するくだりも、もしかしたら原作の強引な流れよりもよっぽど自然で納得の行く流れだったかもしれません(…アニメ版で丁度今、この辺の展開に差し掛かってるんですが、あの女子生徒の奇っ怪な行動は映像化されると不自然さが際立ってしまって大変マズいですw)

Aが母親の身体を乗っ取る展開にはそう来たか!と驚かされましたし、そのA(母親)に殺されたシンイチが復活後に苦しむ描写も、染谷将太の演技が素晴らしく心を揺さぶられました(ノД`)

寄生生物が人間を食べる際にテーブルマナーを気にしてたりするシュールさとか、シンイチの肉体が強化されている設定を、最後の決戦まで溜めてほとんど見せずにいた演出も非常に良かったと思います

エンドロール後に来年4月25日に公開される後編(完結編)の映像が流れましたが、浅野忠信(最強生物)や大森南朋(探偵でなく記者)の見せ場が非常に燃えるカンジで楽しみです!!

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