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[映画] PSYCHO-PASSサイコパス劇場版

2015-01-14 | 映画
「PSYCHO-PASSサイコパス劇場版」を川崎TOHOシネマズにて観て来ました

「サイコパス」は2012年と2014年にそれぞれ第一期と二期が放送されていたTVシリーズで、「踊る大捜査線」の本広克行や「まどか☆マギカ」の虚淵玄が手がけているという話題作です

今から100年ほど未来、人間の心理状態や性格を科学的に読み取るシステムが反映されている社会を舞台にした警察アクションなんですが、例え未だ犯罪を犯してはいなくても(犯す意志すら持っていなくとも)、その ”気質” や ”資質” だけで逮捕・拘留(思想矯正)が可能で、場合によっては即座に処刑する権限までが警察官に与えられているという非常にヤバい世界観が特徴です

人間の希望や自由意志といった個々の ”人権” に制限をかけて、社会の安定と秩序が何よりも優先されるディストピア(警察国家、管理統制社会)作品の一種ですが、アクション要素を楽しむというよりも、そういった社会システムが孕む矛盾や欠陥について登場人物たちが苦悩する(地味な)展開が見所だというのが好き嫌いが分かれる所かもしれません( ̄▽ ̄;)

TVシリーズの第一期で ”人間を裁く” システムに疑問を抱く主人公達と、システムで ”裁けない” 特殊な犯罪者との対決が描かれて、二期ではシステムに ”認識すらされない” 謎の犯罪者が登場するといった風にSFミステリー的な面白さもありますので、未見の方にも是非オススメしたいです(ただ、グロ描写が多いのが苦手な人には微妙かもしれませんがw)

で、今回の劇場版はストーリー的にはTVシリーズとの直接的な繋がりはなく、劇場版だけでも話が成立するように構成されてはいるんですが、第一期の主人公の一人が再登場する(第二期ではほぼ登場せず)のが見所なので、せめて第一期は事前に見ている必要があるかと思います



以下ネタバレ感想:
このシリーズって、面白いんですが常にモヤモヤがつきまとうというか、スカッと解決!するといった展開がまず期待出来ないのが判断に悩みます(^_^;)

主人公も視聴者も、”(悪と認識しつつも)シビュラを否定できない” というジレンマを抱えた構造がドラマの根底に常に存在するからだと思うんですが、シリーズで描かれているのは一部の ”例外” 的な綻びみたいなケースばかりで、社会全体を見るとかなり上手くいってるとしか思えないんですよねえ、確かに…

今回再登場した狡噛がいみじくも ”究極の官僚システムだ” とシビュラについて表現してましたが、オレとしても例えばあの並列化された免罪体質者たちの脳ではなくて、(表向きの)スーパーコンピュータが実際に機械的に運用しているシステムだったとしたら普通に受け入れちゃう気がするんですよ……それほどディストピアでもないじゃんっていう(^0^;)

まあ、二期で描写されたエリアストレスが上昇したのに巻き込まれて ”執行” されるケースなんてのは御免被りたいですが(;´Д`)、自分の人生に主体性があまりなくて、結構流されがちに生きてきたようなオレにとっては、”職業適正” どころか ”結婚相手”までシビュラが相性判断してくれるなんて便利だなあっていう思いが強いんですよ、割とマジでw

「マトリックス」という映画で、コンピュータが完全管理するバーチャル世界からの人類の解放を目指す主人公一派に対して、”管理されていた方が幸せだった” という裏切り者キャラがいましたが、今のオレはあっちの方に感情移入しちゃってるって事なのかな(^0^;)

そんなオレが今回の劇場版に求めていたのは何だったのか、”シビュラをぶっ壊せ” といった革命展開になるとしたら微妙だなと何となく考えてはいたんですが、それでもそこに至る思想が納得出来るモノなら是非とも見てみたいという思いもあった気がします……結果は、”やはりシビュラ優秀” という感覚をより強固にしてしまい、ある意味安心してしまったというオチでした(苦笑)

このシリーズは、”社会(シビュラ)に疑問を呈する” というクライマックスを第一期で既にやり切ってしまっていて、後はひたすら ”キャラ萌え” を楽しむしかないとは考えたくないんですが、ここからの話の広がりにはもう期待出来ないんですかねえ(…あの傭兵集団が何を考えていたのか、その先に答えがあるんでしょうか)

とりあえず宜野座は余計なこと言うんじゃねえヾ(`Д´)ノ"、とは思いましたがw

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