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[映画] 硫黄島からの手紙

2006-12-16 | 映画

06120901 川崎チネチッタにて鑑賞

「硫黄島からの手紙」は、製作スティーブン・スピルバーグ、監督クリント・イーストウッドという布陣で、太平洋戦争最大の激戦地と言われた硫黄島の戦いを、日米双方の視点から別々の作品として描いた”硫黄島二部作”の第二部にあたります

第一部の「父親達の星条旗」からわずか一ヶ月半で公開された「~手紙」ですが、先週末の公開2日間で動員38万人、興収5億円という結構凄い成績を叩き出したようです…この成績は前週の「武士の一分」のスタート(こちらは三日間)の興収をも越えているようですね

この前代未聞の形態で公開された二部作ですが、アメリカ側の視点が描かれた「~星条旗」の方はあまりにも男くさいと言うか、昨今の映画興行に絶大な影響力を持つ女性客を呼び込む力がほぼ皆無なので、残念ながら興行的には振るわないようで…イーストウッド監督は名作は撮るけれど、あまりヒットはしないのが現実と言われればそれまでなんですが(汗)
ただ、ここ2~3週間くらい前から各種媒体において「~手紙」の膨大なプロモーションが展開された結果、「~星条旗」の方も一ヶ月半の累計で15億を突破するくらいにはヒットしてくれているようです

両作を見た率直な感想として、両方を見てこその映画だと思いました
一部の劇場では「~星条旗」と「~手紙」を並行して上映しているようなので、機会がある人は是非、両方とも見ることをオススメします

日米双方の視点になっているこの二部作ですが、ほぼ完全に表裏一体の構造になっています
時系列が全くの同列というわけではないんですが、”敵国人に対する無知”、”善も悪も、ましてや英雄なんて存在しない戦場”、”家族への愛”といったテーマが同一で、ただ登場人物の国と人種が違うというだけです
演出手法も基本的に同じで、ひたすら抑制の効いた演出で”戦争の無意味さ・虚しさ”を強調しているのも印象的でしたね

ただ、硫黄島は結果として日本軍が壮絶な敗北を喫した戦いです…「~星条旗」が銃後の社会問題に対して描写の比重が増加していたのに比べると、「~手紙」はひたすら戦場での兵士たちの動向をクローズアップしているので、終盤は涙無しでは見られませんでした…渡辺謙や二宮和也たちの演技は必見です

イーストウッド監督は近年のアメリカ映画界の賞レースの常連なので、当然、今回の硫黄島二部作にも受賞の期待がかかるわけですが…
本来は来年の2月から全米公開の予定だったにも関わらず、「硫黄島からの手紙」の試写での観客や批評家からの評判が大変に良く、急遽、賞レースに間に合う今月の20日に公開が前倒しとなったそうです

既に前哨戦と言われる賞をいくつか受賞してるそうなので、アカデミー賞の作品賞、監督賞などの主要部門へのノミネートはほぼ間違いないでしょう
とりあえず来年1月23日のノミネート作品の発表が楽しみです

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