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某SIerの"元"研究者 兼 情報Security技術者"F.Koryu"の日常の雑記置き場

まぁ、当然と言えば当然>ISPによるWinny通信遮断措置に総務省が「待った」

2006-05-18 09:39:06 | セキュリティ(技術者向け)
Winnyの通信遮断は違法と総務省が判断、Plalaが規制中止へ - GIGAZINE
Winny遮断に国が「待った」 - /.J
ヤマガタさんの処経由
先日のIAJapanセミナーの話と少し絡むんですが、基本的にISPってのは「電気通信事業法」における「電気通信事業者」に当てはまり、第三条(検閲の禁止)及び第四条(秘密の保護)を遵守しなければいけません。

この通信と言うのは(総務省では)パケットの中身(データ部分)だけでなく、ヘッダ部分も含めてという見解をしています。つまりパケットのヘッダ部分にあるプロトコルやポートに関する情報を元に通信の制限(遮断・帯域制限)を行うのも、第三条および第四条に抵触する行為に当たります。

迷惑メール対策としてのラベリング処理と決定的に異なるのは、違法性阻却事由に当たる(迷惑メール)か当たらない(Winny通信制限)かの差です。
迷惑メールの場合は違法性阻却事由があるから「結果としてOK(罰せられない)」なだけで、厳密な法解釈をすれば違法な行為である事には変わりないという見識を(総務省は)出しています。

また迷惑メール対策でも、原則「通信の秘密を抵触しない対策を実施した上で、それでも正当業務を遂行するのが難しいと判断される場合」という前提がありますので、無条件でOKって訳じゃないのも注意が必要です。

ちなみに先日hi-hoが上り通信のデータ流量に応じて帯域制限を施す対策が発表されましたが、コチラは通信の中身ではなく、単純に通信データの流量だけを元に実施する事から、通信の秘密は抵触していない事、またすぐに帯域制限するのではなく一定期間の警告と状態監視をした上で、それでも改善が見受けられない場合に行うとしているので、こちらは問題は無いでしょう。

まぁ、そう言った意味では今回は妥当な判断だと思います。


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