近江かね安@近江八幡市鷹飼町:焼肉丼定食

この日「近江かね安」に向かうことになったのは、最初からそうしようと思っていたワケでなく、実はこの日、某ラーメン店を目指していた。

そのラーメン店、開店時刻を11:00としている。現場に着いたのは正午少し前。すでに二組のグループが店の前で開店を待っている様子...なにか様子がおかしい。

すると、店の入り口には貼り紙が。スープの仕込みが遅れたためか、オープンは12時予定とするらしい。ならば待ってみようとしばらく待つ。やがて、正午が過ぎる。そのうち、待っていた客の一組は「こらアカンわ」とつぶやきつつ「他行きまっさ」という一言を残して去る。で、結局開店したのは12時を15分程度過ぎてのことだった。その時間まで待っていた客にはお待たせしましたのコトバもなく開店。
ここまでの様子を見届けて、この店に入ることをヤメることにした。こういう店も世にはあるのだ。いい勉強になった。 

その後、スマホのネットでは近場にコレといった麺類のお店は見当たりそうにない。そこで麺類という括りを外して調べてみると焼肉丼が美味いというお店がヒット。行ってみれば、もし情報がなければ、入ってみようとはちょっと思わないようなクタビレ具合のお店。で、入ってみた。

おお、外観以上にレトロな昭和テイストな店内。決して飾り付けられたのではなく、歳月の中で積み重ねられたレトロ感。入店した時、先にいたカップル客のタバコに参ったが、このカップルは私達と入れ違いで会計を済ませて出て行ったので、そのまま止まることにした。
「おしながき」の黒板には4ケタ価格が平然と並ぶ。ここで狙ったのは黒板の右に別枠で掲示されている焼肉丼。これを定食で注文。
このお店、いつもはどうなのか知らないが、私たちが訪れた時は隣接の精肉店も含め、大将がひとりで営業しており、定食のおかず一品一品を少し奥の厨房で調理してくれる。その間、しばし待つ間、大将は、近江牛について、一昔前は一頭一頭を吊るしで買い付けてきた牛を各店で捌いたもんだが、今はそういうやり方でやってる店は殆どない、とか、近江牛の流通の裏側とかについて、まあ、いろんな話をしてくれた。そういう様子、どこかしら大津市の某ハンバーガー店の店主に共通する気がした。 

出てきた定食、さすが大将が自慢するだけのことはある。
味噌汁は煮干しの出汁がぐっと効いており、手作りの玉子豆腐は優しい味わい、さらにモヤシのおひたし、ひろうすの煮物と竹輪、漬物、オーブンで焼いたココットの中身はカボテャのグラタン。一品一品、ていねいにできるだけの手間暇をかけている感じ。メインの焼肉丼にたどり着くまでになんともバラエティに富む。(ちょっとチグハグは感じもするけど、そこがある意味、家庭的にも感じられる。)

そして焼肉丼。A5ランクの近江牛雌牛の枝肉を玉ねぎとともにサッと炒めて軽く塩胡椒。上からぱらっと揉み海苔。作り方はシンプル。して、味、絶品。肉質柔らかく、なんとも豊かな脂の甘み。先ほど開店遅延のラーメン店を見限ったことで出会ったこの味。まったく、意外なことが幸いするもんだ。単品で900円、定食で1300円は格安なのだが、上掲画像にもあるように、この11月からは大幅に価格改定するとのこと。値段に惹かれるのでなく「味をわかってくれる人だけに来て欲しい」とのことだそうな。庶民としては安いに越したことはないが野菜の高騰や、お店としては焼肉丼ばかりが売れてしまうというのも望むところではないのだろう。

近江かね安すき焼き / 近江八幡駅
昼総合点★★★★ 4.5

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