天橋立 くじからラーメン@京都丹後鉄道天橋立駅徒歩1分:くじからラーメン&限定鶏白湯ラーメン

だいたい、有名な観光地での「食べる楽しみ」って、観光地相場というか、高いのが普通。ことラーメンなら、業務用汎用スープを適当にお湯で伸ばしたところに、ご当地の名物を具材に乗っけただけのモノをボッタクリな値段で売りに出したら、それが飛ぶように売れてみたり…とか。
だけど、実はそういうもんばかりとは限らない。とことん真面目に美味いラーメン作りを目指しているお店が、たまたま観光地にあったりする、というケースも、わりとあるように思う。

この三連休の最終日、私は同行者を連れて、日本三景のある天橋立方面に赴いた。天橋立がある宮津…私にとってはかつての職場時代に何度も出張で訪れた場所だし、同行者にとっては子供時代に祖父の漁船に乗せてもらって海の方から夏休みの花火大会を見に行ったという記憶がある場所。つまり、わざわざ物見遊山で訪れようとは思わない場所。
訪れたのは、かねてから気になって仕方のなかったお店に行きたいがために他ならない。
場所は京都丹後鉄道天橋立駅徒歩1分。こんな写真を乗っけると公共交通機関で行ったように思われるかもしれないが、クルマで行った。クルマで行って、今がさも書き入れ時とその辺の空き地を「有料駐車場」として呼び込んでいる某一角に500円の料金で車を停めた。(駅や天橋立に近ければ近いほど駐車料金は高くなる傾向)
とにかく目的地は天橋立ビューランドでもなく、天橋立そのものでもなく、「文珠640-41」という住所に今年の春にオープンした新店。

あの「麺家チャクリキ」の今西店長が、6年の間手塩にかけて育ててきた麺家チャクリキを自ら卒業し、新たに開発した醤油ダレを柱としたお店をイチからスタートさせたこと。そんな今西店長のチャクリキに、ラーメン好きが高じてとうとう弟子入りしてしまったかつてのお仲間ブロガーさんが、今月ココで美味そうな鶏白湯を限定で出していること。
と、なれば、行かないわけには行かないでしょう。

今西店主がすきな8ビット風の粗いドット感で描かれた「くじからラーメン」のロゴ。開店をほのめかす呟きをSNS上に彼が書き込み出した頃、「くじからって何やねん?9時からやってますよってことか?」とかとか思っていた。その名に由来は、お店に行けばわかるし、お店に行かなくても今の世の中ホームページを見れば分かるようになっている。そんな「くじからラーメン」だが、どんだけネットを眺めても、味わってみないことには何とも言えない。

メニューを見る限り、「くじから醤油油」はかなりクセの強いタレのようだ。

 

そのために、敢えて「くじから醤油油」を用いない「中華そば」を用意している。

 

「くろそば」は、麺家チャクリキで生み出したあの珠玉の迷作「組み立て式くろそば」の、具材バリエーションをシンプルにし、「くじから」醤油油の真価をより明確に味わわせようとしている様子。

今回、「くじから」の味とともに、気になっていたのは今月数量限定で提供している鶏白湯ラーメン。この日のチャンスに行っとかないと!と思ったのである。

なんでか撮った写真のピントが足元にあってしまって、狙いたいところがボケボケではないか。このメニューについての詳細はこちらを参照されたし。


お店の作りも面白い。二階建ての店舗なのだが、一階部分はほぼ全部厨房。今月のような天候に良い日はお店の周囲にテラス席を出して、戸外の風を感じながらラーメンを味わうこともできる。

で、客席は靴を脱いで上がる二階。今日みたくスタッフ(この日のホール係は今西店主&奥さんで厨房内調理はあのピラニスト氏だった)が充実している日はいいけれど、今西店主が一人で営業する日は二階で食べた後の器をセルフで一階までもどすセルフ形式に協力お願いしますとのこと。(そして、階段を下りながら完備されている猪木を愛でましょう)


二階の客席には「くじから醤油の由緒」を記した書が飾られている。


そうこうする間に今西店主が「どうぞ~」と持ってきてくれたのは同行者注文の「くじからラーメン」。あ、書くの忘れてたけど、太麺と細麺が選べ、太麺はチャクリキのつけ麺のアレだというので、注文時に迷う同行者には「太麺にしといたら?」と言い、太麺で持ってきてもらった。いつも僕以上にコメントが厳しい彼女曰く、「クセあり」とメニューに書いて有るほどのクセじゃなく、これはこれですごくおいしいやん。という。たいがいのラーメン屋さんで、僕がどんなに美味いと思うラーメンを食べてみても「まあまあやなぁ」としか言わない彼女にしては、これは大変な高評価であることを意味する。


そして、次にやってきた鶏白湯。まず、スープを一口。
「キタコレ!」これだよ。このところずーっと求めていた「ど直球な鶏の旨味に青ネギのコンビ」!
それは、非常にシンプルなつくりなんだけど、相当丁寧に仕込まないとやはり上手くはいかない鶏のモミジを丁寧に洗って、爪切りして、下茹でして、そこから一気にグラグラグラ~と蓋して煮て、旨味が頂点に達したところ(経験則では3時間半)で、あとはガラを追い足しもって、水分を飛ばしながら煮詰めて行って(鍋底を焦がさないように気をつけて)出汁をとる、という製法を経て出来るスープ。


近頃、まるで流行りのように「鶏白湯」を標榜するお店がたくさんあるが、なかなか満足させてくれるお店に出会わないでいた。が、この限定鶏白湯こそ、食べたかった味だった。もう言うことないです。トリのダシ、ムチャクチャ美味いです。

ひとしきり限定鶏白湯を味わった後、同行者注文の「くじからラーメン」を味見してみる。それは「新福菜館」のアレのようで、アレとはまた違う複雑怪奇な、非常に個性的なヒキのある味わい。店主はソレを「クセのある味わい」と表現しているのだろう。確かに、かつての麺家チャクリキでは味わえなかった酸味苦味を味方につけたような、もしかしたら万人には理解しがたい、ヘシコとかフナズシとか、そういうクセの強い味が好きな人には美味くて堪らん、でも、そういうクセの強い味が嫌いな人にとっては「ナニコレ?」的味わいだと思う。そんな風味は「ヤミつき的な要素」かもしれない。
今回、ピラニストさん渾身の鶏白湯にも大きく心を揺さぶられた。あの鶏白湯は、本物だ。
だけど、同時に食べ比べてみたら「くじからラーメン」のタレのクセゆえの強烈な病みつき感も、実感したかなぁ。
とにかく、また行きます。観光地でびっくりするような美味いラーメンで、観光客の「!!」を引き出していただきたい。そんな本気のラーメン店が天橋立には、ある。

あ、それから、宮津に行ったら是非とも魚を買って帰りましょう。売ってる魚の新鮮さが違います。

店舗公式サイト
http://kujikara.net

店舗Facebookページ
https://www.facebook.com/橋立-くじからラーメン-1374884496148569/

11:00~14:00 21:00~24:00
水曜日のみ麺家チャクリキ店舗にて出張営業
11:30~14:30 18:00~23:00
水曜、金曜定休(変更の場合:都度、ホームページに掲載)
0772-22-2334
宮津市文珠640-41
無(付近の有料駐車場を利用)

橋立 くじからラーメンラーメン / 天橋立駅
昼総合点★★★★ 4.5

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