活字の海で、アップップ

目の前を通り過ぎる膨大な量の活字の中から、心に引っかかった言葉をチョイス。
その他、音楽編、自然編も有り。

「はやぶさ」と一緒■はやぶさトークショー 第2回 「はやぶさと見た夢」 (その7)

2011-01-04 00:00:18 | 宇宙の海

はやぶさと見た夢 ~関西からはやぶさとその未来を考える~
開催日時:2010年9月20日(月) 14時~ 約2時間半
会場:大阪市阿倍野区民センター 大ホール
主催:和歌山大学宇宙教育研究所、大阪市立科学館
協賛:NEC
前半の部 パネルディスカッション 出演者(五十音順):
池下章裕(スペースアート・クリエイター)
林譲治(SF作家)
森本睦子(JAXA)
吉住千亜紀(和歌山大学)
司会:尾久土正己(和歌山大学)

歌:中谷泰子(ジャズボーカリスト)

後半の部 講演と対談 出演者(五十音順):
山川宏(京都大学)
秋山演亮(和歌山大学)


■「はやぶさ」と一緒

さて。
パネラーによる10分間のショートトークも、いよいよ
ラストとなった。

マイクを握ったのは、和歌山大学宇宙教育研究所(つまり、
今回のトークショーの主催者の一つ)の吉住千亜紀氏である。

そう。
一昨日の第1回トークショーで、受付や場内ナレーション、
誘導を行っていた方である。


というよりも。
あの、はやぶさ帰還の日に。
尾久土教授とともに、オーストラリアからUst中継を行って
いた人といった方がよいであろう。

※ その際に撮影されたはやぶさ帰還映像が、こちらである。

hayabusa re-entry, Recorded on 10 06 13 live-universe on USTREAM.



その吉住氏の、トークのテーマは。

 『「はやぶさ」と一緒
     ~はやぶさへのラブレター』

であった。


「この中で、私の声を聞いたことがある方はいらっしゃいますか?」

開口一番。
氏は、こう切り出した。

今回も最前列故、場内の手の上がりようを確認しようもない。
#いや、そりゃ振り返れば分かるんだけれど、壇上に集中したいし。

初日は、受付をやってたんですよ。
だから、そこでお会いした方もいらっしゃると思います。

そうしたお話をしながら、実は氏が期待していたのは別の場所での
氏との出会いをした人の挙手だったのだろうな、と後から思い至った。

それは、氏の来歴に由来する。

元々、氏は。

あすたむらんど徳島という、自然と子供、科学を基軸にしたテーマ
パークの中の子ども科学館に勤めていた。

そこで、併設されているプラネタリウムのコンテンツ制作や解説員を
されていたのである。

その当時、氏の解説した番組を観られた人がいれば?という思いからの
質問だったのではと考えた次第である。


閑話休題。

その、子ども科学館時代に。

氏は、「星の王子様に会いに行きませんか」ミリオンキャンペーン
を通じて、はやぶさと出会う。

その後…。
もっとはやぶさのことを知りたくて、みさと天文台等へアクセス。

尾久土教授は2003年の頃は同天文台の台長を勤めていたので、
そこで初めて両者は知己を得たのかも知れない。

そうして、はやぶさの旅路をトレースしながらも。
氏は、次々と魅力的なコンテンツを生み出し、プラネタリウムへ
提供していく。

画面で紹介されたものを挙げると。

・ALMA ~とどけたい未来の君へ~
  02.12.14~03.03.09
  南米チリに2012年の完成を目指して建設中の、国立天文台
  ALMA望遠鏡計画について特集した番組。

・YO・ZO・RA ~銀河鉄道でめぐる宇宙の旅~
  03.09.13~04.01.25
  一昨年来、全国各地のプラネタリウムで上映されている
  「銀河鉄道の夜」。
  その幻想的なシーンを生み出す母体となった作品。
  KAGAYA氏の銀鉄原点バージョンといえるかな。

 ※ 上記を含む、あすたむらんど徳島の上映作品一覧は
   こちらから。

そして。
ボクノチイサナオホシサマ  05.01.29~05.06.05
  あの、HBTTEに先立つこと5年。
  氏曰く、「多分、世界初のはやぶさ映画」とのことである。
  ナレーションに、「魔女の宅急便」の主役ジジ役で有名な
  佐久間レイ氏を配し、音楽には尾久土教授がプロデュース
  した甲斐恵美子氏の「 Lullaby of Muses 」を採用。
  CGは先ほどトークされた池下章裕氏を起用する等、もう
  はやぶさファンにとってはたまらない作品となっているで
  あろう本作であるが、今は観ることが出来ないのが惜しい。
  ダウンロード形式によるコンテンツ販売等出来ないもの
  だろうか?とも思うが、そもそもドーム用に製作された
  本作品を一般のモニターで観るようにするためには、また
  手を加える必要もあるため、難しいだろうな。やはり。

  となれば、リバイバル上映に期待するしか無い。
  その絶好の機会がもうじきあるのだが、現実は…。
  (これについては、後ほど言及する)



氏が。
こうしたコンテンツの制作を行ったことが、後の「祈り」の
誕生へと繋がっていく。

そう思うとき。
人生において、どのような経験も次に活かせる布石となって
繋がっていくのだということを、しみじみと思う。

だからこそ。
今、どんなに苦しくとも、投げ出さずに立ち向かっていくことで
その先の未来への航路が拓けていくのだろう。

#勿論。
 こうした考え方が絶対という積りはない。

 人生において、逃げる力を持つことが必要なケースも、多々
 あるだろう。

 常にかくあらねばならないといった硬直的な考え方に自らを
 呪縛することは危険であり、人生においては必要に応じて
 臨機な対応を取らねばならないことは、言うまでもない。
 

(この稿、続く)



宇宙と地球を視る人工衛星100 スプートニク1号からひまわり、ハッブル、COBE、WMAP、はやぶさ、みちびきまで (サイエンス・アイ新書)
中西 貴之
ソフトバンククリエイティブ

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