DVDがレンタル開始されてからの観賞でいいかなぁと思っていた劇場版「デスノ【前編】」ですが、機会があったので観て来ました。
以下、気合を入れて長文レポートをお送りいたします。基本的に原作は読んでいるモノとして書いていきますので、原作のネタバレは伏せません。劇場版と原作との比較・相違点を指摘しつつ、になると思いますが、最後のクライマックス辺りは反転伏せ字しときます。
行ったのは平日夕方からの回で、自宅から最も近い、郊外シネコン。2番目に大きなスクリーンで見ましたが、予想通りガラガラでした。ジャンプ漫画が原作なので、週末には子供連れファミリー層も見に来てるような状態、と聞いていたんで、当然避けて平日さ。260席のスクリーンで10数名しかいない状態での観賞は快適でした。うむ、計 画 通 り(←ゴメ、言いたかっただけw)
何はともあれ、見終わっての評価ですが、原作ファンとしても充分合格点をあげることが出来る作品でした。少なくとも金払って見て損した!とは思わなかったな。実写映画化されると聞いて一番最悪なケースとして誰もが思い浮かべるのが、「デ○ルマン」や「キャ○ャーン」のような、製作側がまるで原作を分かっていないトンデモ作品になる事の心配ですが、よく原作を分かってる人が脚本のチェックやらをしてるなぁ、という感じが随所に見当たりました。まぁ、漫画原作者の監修なりチェックなりが入ったとも聞いてますけどね。「既存のデスノのルールだけは絶対捻じ曲げないでくれ」と原作者側は主張したらしいです。デスノという作品は、あのノートの詳細な使用ルールに縛られた上で推理・捜査・騙し合いしていく過程が魅力の漫画でしたからね。
一番感心したのが、最後にデスノのルールを利用した、原作にもない使い方をしてるんですが、これが今のところデスノ世界の理にかなっていて不自然が見当たらない点。詳細は伏せますが、「2人の人物を、同時刻・同場所で別々の方法で殺害する」という使い方をしています。ノートのルールとして
第三者を直接死亡させるような死因や死に至るまでの詳細は効力がなく、第三者の死亡がない形での心臓麻痺による死亡になる。
というのがあるので、「誰かを操って第三者を殺してから自分も死ぬ」という状況を記入できないのを上手く逆手に取ってます。でも、限定された状況を書いてやれば、そのお互いが関係して来ざるを得ない、という風に持っていくのです。や、やるなーという感じでした。
●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●
さて、詳細をば。冒頭はまずキラによる大量の犯罪者裁きのシーンから始まります。強盗が胸を押さえて倒れる、贈賄で起訴されたが無罪を言い渡された政治家が突然うずくまる、刑務所の中で次から次へと服役中の受刑者が心臓麻痺で死んでいく・・・
予告でもあったシーンですな。順当にライトがデスノを拾うシーンからでなくて、すでに手に入れた段階で話は始まります。ちなみにこの冒頭12分を、なんと6月26日(月)から7月1日(土)まで(※関西では6月27日(火)から7月1日(土)まで)、日テレ系で深夜に放送するという大胆なプロモを打つそうです。
ただなぁ、この冒頭のシーン、あまり出来がよろしくない。よくあるパターンですが、ニュース放送のTV画面を映してアナウンサーが「また犯罪者の不審死事件が起こりました」「たった今入ったニュースです」とやるわけですが、臨場感全然ねぇ(´_ゝ`) へたくそです。何で日テレが製作に入ってるのに有名どころの本職アナウンサー使わないんだよ?って感じ。この辺は決して多くない予算のやりくりで・・・って所ですかのぅ。
他似たようなのに、新宿アルタ前の街頭ビジョンで強盗立てこもり事件のニュース中継をやってるシーン。ライトがデスノを取り出してその場で立てこもり犯を殺害するのですが、この時の周りの観衆の反応の白々しい事ったら・・・街頭ビジョンのシーンは他にもLの例の全世界同時中継のシーンなどもあるのですが、「おい、アレミロヨ!」みたいな人たちの演技はもう少し何とかして欲しかった。チープさが漂ってきて・・・
あーそれからこの街頭ビジョンのシーンもそうだし、シブタク殺害のシーンもそうだけど、ライトよ人目に付くところでデスノ取り出して名前書くなよ! 原作ではノートの隠し場所等にすごく気を使っているのに、演出&まだ使い始めとはいえ、安易にノートを扱いすぎ。
こんな感じで少々不安な始まり方だったのですが、その後ライトが劇場オリキャラ:詩織との会話中に、デスノを手に入れた経緯の回想シーンが入ります。ここで我らが(笑)シブタクこと渋井丸拓男が登場しますが、原作のおまぬけヤンキーな役とは打って変わり、すごく嫌味な犯罪者として描かれています。
ここのシーンもすこし違和感がありました。ライトはまだデスノを手にする前で、将来のために法律を勉強している身なのですが、現在の法では裁けない悪人がいることを痛感している、という立場。んで、殺人を犯したのに裁判で精神鑑定の結果、無罪放免となった(っぽい。詳細な描写はなし)シブタクという人物がいるのを警視庁のデーターベースにハッキングしたか何かで知り、何故かそいつに会ってみよう、と思うわけです。
で、どう調べたのか分からないけどシブタクがいるアングラな雰囲気のバーか何かに向い、そこで釈放されたシブタクが友人らと会話しているのを聞き、現法の無力さを思い知る。その帰りに雨中で六法全書を投げ捨てる彼の前に、1冊の黒いノートが・・・みたいな寸法です。
うーん、デスノ手に入れる前のライトはどんな人物なのか、という描写は原作にほとんどないので何とも言えませんが、そもそも行動力がある彼だとしてもそんな怪しいバーに行ったりするか? 犯罪者の溜まり場になってると分かってるのに。。。という辺りでかなりひっかかりました。でも、六法全書という現法律をゴミ捨て場にかなぐり捨て、デスノという神の裁きの力を手に入れるという描写は、オリジナルな演出ですがそれらしくてなかなかでした。
●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●
冒頭しばらくのやや不安な感じを抱えつつ、その後は原作にあるバスジャック、環状線でのレイ殺害、隠しカメラ・マイクを使った監視状態での攻防と人気のエピソードが描かれます。これらは非常に上手く原作を再現しており、かなり満足でした。
もちろん多少のアレンジはあります。バスジャックシーンでは、当然幼なじみの詩織と同乗。恐田(これらのやられキャラの名前が原作通りなのはイイデスネ)をデスノで殺害する流れは同じですが、バスはスペースランド行きでなかったり(笑)、運転手にスペースランドに電話させてその売上金を要求するのではなくバス会社に直接一億円を要求したり、ライトは恐田から銃を頭に突きつけられたり。
列車内でのレイとのやりとりや、その殺害に関してもほぼ同様。一番違ったのは、原作ではレイに日本国内に潜入したFBIの一覧ファイルを手に入れさせる為に、ライトはまず同僚に連絡させてそいつがFBI長官からファイルを入手するよう仕向け、その後レイを含む全員にファイルを入手させていきました。よって、それらファイルの入手順から推測してLのライトへのキラ疑惑が増したのに対し、劇場版ではまず最初にレイらを指揮しているリーダーの名前を封筒に仕込んだノートに書かせ、そのリーダーから全FBI捜査員の顔やID、名前等のファイルがメールでレイに送信されるよう操っていたという事。この辺りもデスノのルールに非常にマッチしており、なおかつ辻褄合うようにアレンジされているので、最初に書いたように「劇場版製作者たちも、やるな」と感じた所です。そしてもう一点。レイ殺害のシーンでは、電車から降りて崩れ落ちるレイの所に、駆けつける南空ナオミがいる、という大きな違いがあります。これは後々クライマックスに繋がります。
そして監視カメラでの攻防。これは原作において「いったいいつ、どうやってポテチの袋の中に液晶テレビを入れたのだ??」という、デスノらしからぬ設定ミスとも言える問題が指摘されており、「ポテチ大論争」ともいうべき論議が巻き起こった問題のシーンなのですが(笑)、特にそれに対する新解釈はなし。ここで原作ファンを納得させるすげー解釈があったら、かなり評価アップだったろうに('д')
この盛り上がる3つのエピソードは非常にテンポよく描かれており、作品中盤から後半にかけていい流れになっていきます。そして結構意外な、オリジナルな結末へ。
●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●
前編クライマックスは、南空ナオミとオリキャラの詩織がキーパーソンでした。ナオミに関しては原作とより重要な立ち回りとなり、キャラ・性格も少し変わっています。
レイの婚約者・元FBI捜査官という設定は同じです。そしてレイの死を悲しみ、独自にバスジャック事件を捜査して、ライトに不審な点を感じキラと疑うあたりも同じですが、捜査官としてではなく個人の復讐に走ってしまう。
その結果、詩織を人質に取りライトを呼び出し、「お前がキラだ! 私をその力で殺せ! さもないと、この娘を殺す!」と銃を詩織に突きつけてライトを脅すのです。
「うわぁ、これは原作の南空ナオミから大きく変えてきたな。。」となりゆきを見守ります。さて、ライトはどうするのだ? お前の詩織への想いが試されてるぞ? 劇場版でのキラは、こういう時どうするのだ? む?ペンを取り出したぞ??
という所でパトカー到着。(ちなみにこれらは全部L達捜査本部に筒抜けです。ナオミがあらかじめLに「今からキラが誰かお見せする。殺害方法をも教える」と連絡しているのです)
パトカーのサイレンに一瞬ひるむナオミ。そのスキを付いて逃げ出す詩織。慌てたナオミは威嚇射撃のつもりか(でも確実に銃口を詩織orライトに向け)発砲。弾丸は詩織に命中。叫んで詩織に駆けつけるライト。「何故、何故詩織を撃ったぁぁ!!」絶叫するライト。その腕の中で彼女は息絶える・・・
誰もが詩織が巻き込まれたのは、ライト痛恨のミスと思います。殺到する警察官を見て、自分の頭に銃口を向けるナオミ。そのまま引き金を引いて、彼女もまた自ら命を絶ちます。
さて、よくあるお涙頂戴なシーンです。藤原竜也も愛する(してた、と思われる)彼女を失って呆然とする、迫真の演技です。
ところが南空ナオミはすでにデスノによって操られていた。
ナオミの自殺はライトのシナリオ通りだったのです。
では詩織は? 尊き犠牲? 違いました。
ライトは(ここはさすがに反転でも書かないでおこう。まぁ、これだけ書いてきたら予想つくと思いますが)。
正直、これはやられた。大体ライト=キラな彼の性格・設定から考えたら、これは全然おかしくないんです。というか、むしろこの結末が正しい解釈に思われる。だって原作でも夜神パパの事を考えたら。。。
それを、それまではそんな事はしないだろう的な描き方をしておいて、最後にダークライトな面をちゃんと見せ付けた。この辺りが、オレがこの作品を評価する最大の理由です。もう、まさに計 画 通 りな訳で。あー最後に藤原竜也の飛びっきりの邪笑がアップで入ったら、最高だったのに・・・
●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●
という訳で、充分後編を期待できる作品でした。というのも、残念ながらいちばん期待していたライトvsLの直接対決は、後編に持ち越されてしまったので。上記事件を利用して捜査本部に入ると父親に言い出したライトにLが姿を見せて(ポテチ袋を持ちながら!)、2人が対面するところで前編は終わりです。
リュークのCGは、あんなもんかな? そりゃS.W.のヨーダみたいに超リアルなCGって訳じゃないけど、現実世界にて彼だけは見た目明らかに異質の存在なんだし、あれくらい少し漫画っぽい描写でちょうどいいと思うです。中村獅童の声も、なかなか合ってました。
劇場に見に行くまでではないにしろ、DVDが出たら是非原作ファンは見ておいて欲しいですな。オレももう一度DVDで見て、デスノに書かれた文面に矛盾がないかどーか、とことん突き詰めてみたい(笑)
あ、最後に。ミサミサよりも粧裕の方が可愛かった(´―`)
以下、気合を入れて長文レポートをお送りいたします。基本的に原作は読んでいるモノとして書いていきますので、原作のネタバレは伏せません。劇場版と原作との比較・相違点を指摘しつつ、になると思いますが、最後のクライマックス辺りは反転伏せ字しときます。
行ったのは平日夕方からの回で、自宅から最も近い、郊外シネコン。2番目に大きなスクリーンで見ましたが、予想通りガラガラでした。ジャンプ漫画が原作なので、週末には子供連れファミリー層も見に来てるような状態、と聞いていたんで、当然避けて平日さ。260席のスクリーンで10数名しかいない状態での観賞は快適でした。うむ、計 画 通 り(←ゴメ、言いたかっただけw)
何はともあれ、見終わっての評価ですが、原作ファンとしても充分合格点をあげることが出来る作品でした。少なくとも金払って見て損した!とは思わなかったな。実写映画化されると聞いて一番最悪なケースとして誰もが思い浮かべるのが、「デ○ルマン」や「キャ○ャーン」のような、製作側がまるで原作を分かっていないトンデモ作品になる事の心配ですが、よく原作を分かってる人が脚本のチェックやらをしてるなぁ、という感じが随所に見当たりました。まぁ、漫画原作者の監修なりチェックなりが入ったとも聞いてますけどね。「既存のデスノのルールだけは絶対捻じ曲げないでくれ」と原作者側は主張したらしいです。デスノという作品は、あのノートの詳細な使用ルールに縛られた上で推理・捜査・騙し合いしていく過程が魅力の漫画でしたからね。
一番感心したのが、最後にデスノのルールを利用した、原作にもない使い方をしてるんですが、これが今のところデスノ世界の理にかなっていて不自然が見当たらない点。詳細は伏せますが、「2人の人物を、同時刻・同場所で別々の方法で殺害する」という使い方をしています。ノートのルールとして
第三者を直接死亡させるような死因や死に至るまでの詳細は効力がなく、第三者の死亡がない形での心臓麻痺による死亡になる。
というのがあるので、「誰かを操って第三者を殺してから自分も死ぬ」という状況を記入できないのを上手く逆手に取ってます。でも、限定された状況を書いてやれば、そのお互いが関係して来ざるを得ない、という風に持っていくのです。や、やるなーという感じでした。
さて、詳細をば。冒頭はまずキラによる大量の犯罪者裁きのシーンから始まります。強盗が胸を押さえて倒れる、贈賄で起訴されたが無罪を言い渡された政治家が突然うずくまる、刑務所の中で次から次へと服役中の受刑者が心臓麻痺で死んでいく・・・
予告でもあったシーンですな。順当にライトがデスノを拾うシーンからでなくて、すでに手に入れた段階で話は始まります。ちなみにこの冒頭12分を、なんと6月26日(月)から7月1日(土)まで(※関西では6月27日(火)から7月1日(土)まで)、日テレ系で深夜に放送するという大胆なプロモを打つそうです。
ただなぁ、この冒頭のシーン、あまり出来がよろしくない。よくあるパターンですが、ニュース放送のTV画面を映してアナウンサーが「また犯罪者の不審死事件が起こりました」「たった今入ったニュースです」とやるわけですが、臨場感全然ねぇ(´_ゝ`) へたくそです。何で日テレが製作に入ってるのに有名どころの本職アナウンサー使わないんだよ?って感じ。この辺は決して多くない予算のやりくりで・・・って所ですかのぅ。
他似たようなのに、新宿アルタ前の街頭ビジョンで強盗立てこもり事件のニュース中継をやってるシーン。ライトがデスノを取り出してその場で立てこもり犯を殺害するのですが、この時の周りの観衆の反応の白々しい事ったら・・・街頭ビジョンのシーンは他にもLの例の全世界同時中継のシーンなどもあるのですが、「おい、アレミロヨ!」みたいな人たちの演技はもう少し何とかして欲しかった。チープさが漂ってきて・・・
あーそれからこの街頭ビジョンのシーンもそうだし、シブタク殺害のシーンもそうだけど、ライトよ人目に付くところでデスノ取り出して名前書くなよ! 原作ではノートの隠し場所等にすごく気を使っているのに、演出&まだ使い始めとはいえ、安易にノートを扱いすぎ。
こんな感じで少々不安な始まり方だったのですが、その後ライトが劇場オリキャラ:詩織との会話中に、デスノを手に入れた経緯の回想シーンが入ります。ここで我らが(笑)シブタクこと渋井丸拓男が登場しますが、原作のおまぬけヤンキーな役とは打って変わり、すごく嫌味な犯罪者として描かれています。
ここのシーンもすこし違和感がありました。ライトはまだデスノを手にする前で、将来のために法律を勉強している身なのですが、現在の法では裁けない悪人がいることを痛感している、という立場。んで、殺人を犯したのに裁判で精神鑑定の結果、無罪放免となった(っぽい。詳細な描写はなし)シブタクという人物がいるのを警視庁のデーターベースにハッキングしたか何かで知り、何故かそいつに会ってみよう、と思うわけです。
で、どう調べたのか分からないけどシブタクがいるアングラな雰囲気のバーか何かに向い、そこで釈放されたシブタクが友人らと会話しているのを聞き、現法の無力さを思い知る。その帰りに雨中で六法全書を投げ捨てる彼の前に、1冊の黒いノートが・・・みたいな寸法です。
うーん、デスノ手に入れる前のライトはどんな人物なのか、という描写は原作にほとんどないので何とも言えませんが、そもそも行動力がある彼だとしてもそんな怪しいバーに行ったりするか? 犯罪者の溜まり場になってると分かってるのに。。。という辺りでかなりひっかかりました。でも、六法全書という現法律をゴミ捨て場にかなぐり捨て、デスノという神の裁きの力を手に入れるという描写は、オリジナルな演出ですがそれらしくてなかなかでした。
冒頭しばらくのやや不安な感じを抱えつつ、その後は原作にあるバスジャック、環状線でのレイ殺害、隠しカメラ・マイクを使った監視状態での攻防と人気のエピソードが描かれます。これらは非常に上手く原作を再現しており、かなり満足でした。
もちろん多少のアレンジはあります。バスジャックシーンでは、当然幼なじみの詩織と同乗。恐田(これらのやられキャラの名前が原作通りなのはイイデスネ)をデスノで殺害する流れは同じですが、バスはスペースランド行きでなかったり(笑)、運転手にスペースランドに電話させてその売上金を要求するのではなくバス会社に直接一億円を要求したり、ライトは恐田から銃を頭に突きつけられたり。
列車内でのレイとのやりとりや、その殺害に関してもほぼ同様。一番違ったのは、原作ではレイに日本国内に潜入したFBIの一覧ファイルを手に入れさせる為に、ライトはまず同僚に連絡させてそいつがFBI長官からファイルを入手するよう仕向け、その後レイを含む全員にファイルを入手させていきました。よって、それらファイルの入手順から推測してLのライトへのキラ疑惑が増したのに対し、劇場版ではまず最初にレイらを指揮しているリーダーの名前を封筒に仕込んだノートに書かせ、そのリーダーから全FBI捜査員の顔やID、名前等のファイルがメールでレイに送信されるよう操っていたという事。この辺りもデスノのルールに非常にマッチしており、なおかつ辻褄合うようにアレンジされているので、最初に書いたように「劇場版製作者たちも、やるな」と感じた所です。そしてもう一点。レイ殺害のシーンでは、電車から降りて崩れ落ちるレイの所に、駆けつける南空ナオミがいる、という大きな違いがあります。これは後々クライマックスに繋がります。
そして監視カメラでの攻防。これは原作において「いったいいつ、どうやってポテチの袋の中に液晶テレビを入れたのだ??」という、デスノらしからぬ設定ミスとも言える問題が指摘されており、「ポテチ大論争」ともいうべき論議が巻き起こった問題のシーンなのですが(笑)、特にそれに対する新解釈はなし。ここで原作ファンを納得させるすげー解釈があったら、かなり評価アップだったろうに('д')
この盛り上がる3つのエピソードは非常にテンポよく描かれており、作品中盤から後半にかけていい流れになっていきます。そして結構意外な、オリジナルな結末へ。
前編クライマックスは、南空ナオミとオリキャラの詩織がキーパーソンでした。ナオミに関しては原作とより重要な立ち回りとなり、キャラ・性格も少し変わっています。
レイの婚約者・元FBI捜査官という設定は同じです。そしてレイの死を悲しみ、独自にバスジャック事件を捜査して、ライトに不審な点を感じキラと疑うあたりも同じですが、捜査官としてではなく個人の復讐に走ってしまう。
その結果、詩織を人質に取りライトを呼び出し、「お前がキラだ! 私をその力で殺せ! さもないと、この娘を殺す!」と銃を詩織に突きつけてライトを脅すのです。
「うわぁ、これは原作の南空ナオミから大きく変えてきたな。。」となりゆきを見守ります。さて、ライトはどうするのだ? お前の詩織への想いが試されてるぞ? 劇場版でのキラは、こういう時どうするのだ? む?ペンを取り出したぞ??
という所でパトカー到着。(ちなみにこれらは全部L達捜査本部に筒抜けです。ナオミがあらかじめLに「今からキラが誰かお見せする。殺害方法をも教える」と連絡しているのです)
パトカーのサイレンに一瞬ひるむナオミ。そのスキを付いて逃げ出す詩織。慌てたナオミは威嚇射撃のつもりか(でも確実に銃口を詩織orライトに向け)発砲。弾丸は詩織に命中。叫んで詩織に駆けつけるライト。「何故、何故詩織を撃ったぁぁ!!」絶叫するライト。その腕の中で彼女は息絶える・・・
誰もが詩織が巻き込まれたのは、ライト痛恨のミスと思います。殺到する警察官を見て、自分の頭に銃口を向けるナオミ。そのまま引き金を引いて、彼女もまた自ら命を絶ちます。
さて、よくあるお涙頂戴なシーンです。藤原竜也も愛する(してた、と思われる)彼女を失って呆然とする、迫真の演技です。
ところが南空ナオミはすでにデスノによって操られていた。
ナオミの自殺はライトのシナリオ通りだったのです。
では詩織は? 尊き犠牲? 違いました。
ライトは(ここはさすがに反転でも書かないでおこう。まぁ、これだけ書いてきたら予想つくと思いますが)。
正直、これはやられた。大体ライト=キラな彼の性格・設定から考えたら、これは全然おかしくないんです。というか、むしろこの結末が正しい解釈に思われる。だって原作でも夜神パパの事を考えたら。。。
それを、それまではそんな事はしないだろう的な描き方をしておいて、最後にダークライトな面をちゃんと見せ付けた。この辺りが、オレがこの作品を評価する最大の理由です。もう、まさに計 画 通 りな訳で。あー最後に藤原竜也の飛びっきりの邪笑がアップで入ったら、最高だったのに・・・
という訳で、充分後編を期待できる作品でした。というのも、残念ながらいちばん期待していたライトvsLの直接対決は、後編に持ち越されてしまったので。上記事件を利用して捜査本部に入ると父親に言い出したライトにLが姿を見せて(ポテチ袋を持ちながら!)、2人が対面するところで前編は終わりです。
リュークのCGは、あんなもんかな? そりゃS.W.のヨーダみたいに超リアルなCGって訳じゃないけど、現実世界にて彼だけは見た目明らかに異質の存在なんだし、あれくらい少し漫画っぽい描写でちょうどいいと思うです。中村獅童の声も、なかなか合ってました。
劇場に見に行くまでではないにしろ、DVDが出たら是非原作ファンは見ておいて欲しいですな。オレももう一度DVDで見て、デスノに書かれた文面に矛盾がないかどーか、とことん突き詰めてみたい(笑)
あ、最後に。ミサミサよりも粧裕の方が可愛かった(´―`)
エンドロールも最後まで見ましょう!これもデスノの演出の良い見所の一つかも?て思います。
計画通りとは書いてあるが・・・事件は現場で起きているんだ!て事で人がいない中、目の前の客が携帯電話を何度も見ていたのは想定外でしたねw
ずめやん、削除必要なら消し解いてw
お前と観に行ったのがネタバレしたじゃないか('д')
まぁ、音消してたし許容範囲内だったが、ピコピコ鳴らし取ったら確実に後ろから蹴り入れてt
( ) ('A`)←トサカ
( )Vノ )
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こうなったのに惜しい!
デスノはやっぱ友達と観た方が盛り上がりそうね。
S.W.エピ3の時みたく、TBあちこちに飛ばしておいてみたら、すげーアクセス増えた(笑)
TB返しのみなさんありがとー