◎『致知』2016年11月号「闘魂」
「特集総リード」より
闘魂とは自分との闘いに勝つということである。この世に生きるすべての人に不可欠な資質である。事実、一道を極めた人は一様に闘魂の大事さを説いている。
独特の風貌と棋風で一世を風靡した将棋の名人、升田幸三は言う。
「勝負師にとって、闘魂は無論必要だが、それは相手と対立する敵愾心であってはならない。闘魂は外よりむしろ内に向けられるべきであり、邪念雑念を排して、我と我が心の闘いに勝つことである」
そして、こう付け加える。
「従って、真の闘魂とは一朝一夕に生まれてくるものではない。苦しい下積みが長ければ長いほど、一層深く張るものである」
◎107歳まで人生を謳歌した「しいのみ学園」創設者の曻地三郎さんは「人生は自分との闘いである」を信条とし、こう言っていた。
「自分の怠け心に打ち勝って自分の目標に向かわなくては、生きがいなんて見出せません。百年も生きておれば苦しいこと悲しいことがしょっちゅうあります。そんなことにいちいち挫けるようじゃだめです。試練に打ち勝って常に前進していく。それが私の人生哲学」
100年にわたり人生と闘ってきた人の静かな闘魂には、人を鼓舞せずにはおかない力がある。
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